78. 邪悪な計画
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AIイラストはあくまでイメージとしてお楽しみください
昨日はメンテナンスで投稿できなかったので、2回分投稿しています。
これは2回目となります
船が本島に着き僕らは人目のない物陰に移動する。
僕は皆へと声をかけ、琥珀と共に作り上げた敵を強固に拘束し封じる呪符を配る。
「皆、できれば相手の命も奪わないで欲しい……敵を無力化した際この呪符を使ってくれ」
「もちろん皆の命を優先して危ない時は殺しても構わない、責任は全て僕が取る」
「どうか、皆で生きて帰ろう、よろしくお願いします」
僕は皆へ頭を下げる。
皆、思い思いの言葉で僕に返答してくれる。
本当に、ありがとう……。
どんなことが起こるか分からないから最初は僕一人で行こうとも思ったが……信頼できる仲間がいる事がこんなに心強いなんて……。
変化の術で小動物へ変身し軽くなった小夜、白百合さん、ルイ、フェネックの疾風に大きいバッグに入って貰う。
そして僕はバッグを前にしょって、凛華姉さんと共に琥珀に跨る。
作戦通り、残りのメンバーは発信機を付けた僕を追ってもらう。
「よし、行こう」
僕はさやに納まった倶羅無を握り、女神様の微かな邪気を感じ取る、見えた!
合図と共に琥珀は飛び立ち、その後ろを愛馬であるアビスに跨った香蓮ちゃんが付いてくる。
流石にその気になった琥珀は速いな……風よけの結界を張っているのに中々に強い風が頬を切り裂いていくのを感じる。
「身体が訛っておるわ、そろそろ本気で走るかのう」
「皆! アビスはこれが限界だ! 後から追いつくよ!」
「分かった……アビス! 後はよろしく頼む!」
最近少しづつ仲良くなっていた僕へと、アビスは高く天へいななきを響かせ返事を返してくれる。
ありがとう……彼女も心強い仲間の一人だ。
「行くぞ!」
「んぐ……」
琥珀が合図をし、僕らは彼女にしがみつく。
それぞれ、声を上げ力を込める。
速い……! 彼女が味方で良かった……ナイスだ!山菜採り名人の前世の僕!
ほんの微かに女神様の気は弱まりつつあるけど……。
これなら、きっと間に合う……!
空を駆け半刻ほどの時間がたった頃、遠くに見える岩山にできた洞窟の様な敵の拠点らしき場所で女神様の気が途切れるのが見えた。
琥珀へ合図すると、彼女は近くの森へ降りたち人の姿へ戻る。
敵に防衛の態勢を取らせない様、ここからは気付かれないように歩いていく。
今から上手く奇襲できるかどうかで、女神様の救出率が変わるだろう。
慎重に歩いていると僕が背負っている【乖離剣:倶羅無】、例の喋る剣が声を上げる。
「あの子の生命力が思ったより弱ってるぞい、少し急いだほうがいいかもしれん」
「なっ……!?」
喋る剣の話は少し船でしたんだけど、琥珀が妙な驚き方をしている。
「その声は……」
「おお……今は琥珀ちゃんじゃったか、相変わらず別嬪さんじゃのう、おい小僧! 琥珀ちゃんに儂を持たせろ!」
「え? なんでですか?」
「ナイスバディな別嬪さんだからじゃい! なんならそこのお転婆以外のお嬢ちゃん達でもいいぞい!」
僕はすれ違いざまの木の枝に倶羅無をぶつける。
「いだっ! 何しちょんじゃい!」
「あ、すみません! 急ぐあまり枝が見えなかったもんで」
「こぞ……い……度きょ……」
なんだ……?
彼の声が掠れていき、仕舞には聞こえなくなった……。
そして妙な違和感が体を襲う、そして女神様の気も細くなり消えてしまった……。
「すまん、妾は神の気を使えそうもない、結界じゃ」
なるほど……神の力を封じる結界【天神封殺結界】(てんじんふうさつけっかい)。
通称、封殺結界と呼ばれている。
物理的な結界と違い、定められた範囲へ効果を発揮するタイプだ。
一瞬焦ったが女神様の気が途切れた理由はきっとそれかもしれない、まだ彼女はきっと生きている。
そして今から琥珀は神力は使えず、妖力と僕の呪力で戦う事になる。
しかしこの結界が張られているという事は、女神様が捕らえられているという証拠にもなる。
時間もないと言っていたな……倶羅無が言っていた通り急ごう……。
早歩きで歩を進めると、岩山に入り口の様なものを遠目に発見し、黒衣を着用した門番が2人ついている。
「僕が隠形で……」
「ちょぉっと待て、ここはオレにまかせな!」
「ルイ……」
「相手はレディだ、傷をつけずに事を終えたいんでね」
……まぁ、彼がそう言うなら。
門番の二人はおそらく女性だ、夢魔の彼なら彼女らの隙を上手く作る事ができるだろう。
「オレが陽動に出るから頼むぜ」
そう言うと彼はおもむろに服を脱ぎだし全裸になる、そして土で体を汚し近くの葉っぱで自分の股間を隠す。
躊躇なく脱ぎだしたな、流石変態だ。
「な、なにしてるんだ……!」
その様子を凛華姉さんは顔で手を隠し、指の隙間からモロに見ている。
たまってる・・・ ってやつなのかな、しょうがないにゃあ・・。
「よし、準備万端だ、行くぜ」
彼は意気揚々と茂みから飛び出し門番の前へ出る、その間に僕らは後ろに回り込む。
「ハァハァ……た、助かった!」
「な……変態!?」
「あら、いい男じゃない」
門番の一人は驚くがもう一人は、ルイに興味を示し舌なめずりの音を響かせる。
「オレ、この森で遭難してしまって……ようやく人を……どうか助けてくれませんか、お願いします!」
「そう、辛かったでしょうね……良いわぁ、こっちへきなさい」
「ず、ずるいわよ、私にも味見させないさいよ」
……ルイはしくしく泣くフリをしているが暗示を掛けている、彼女らが自分の為に喧嘩をするよう仕向けているな。
彼は、夢魔だが吸血鬼の様な特性を持っている。
変化することができるのもその特性のうちの一つだ。
門番の二人の頭が熱くなったところで、後ろから拘束の呪符を飛ばす。
呪符から強固な神力や妖力、呪力を混合させた縄が現れ相手を絞め上げる。
そこで首へチョップを軽く一撃入れて気絶させる。
新たに呪符を張り、眠りを深くさせて……よし、第一関門突破だ。
洞窟に入るとすぐ近くに部屋があった、ここに何か女神様の居所を掴むヒントがあるかもしれない。
「ここを少し調べよう」
その部屋には邪気の様なものが込められた試験菅の様なものが並べられ、本棚がある。
そして小さい机に纏められた書類が置かれていた。
邪神剤計画……邪神から邪気を抽出し神の力と混合させた強化薬剤を生み出す実験……。
ふざけるな……。
自分の腸が煮えくり返るのを感じる、怒りが自分の頭を赤く染め全てぶち壊したい衝動に駆られてしまう。
くそっ……落ち着け……ここで暴れたら、彼女を助けられない……。
頭の中を落ち着かせ軽く書類を読み流すと、この施設はやはり巨大な実験施設となっているらしい。
施設のどこかに彼女が捕らえられ、実験されているという事か……。
ん?……風水を利用し、結界の効率と邪気の抽出効率を上げる……。
風水は気の流れをコントロールし吉凶を定めるものだ。
おそらく封殺結界は良い気を封じるため、良い気が集まる場所で展開されている。
女神の彼女は邪気を研究するため悪い気が集まる場所に収容されている可能性が高い。
よし、封殺結界を破壊し、琥珀に力を取り戻してもらう。
囚われた女神様も神力を取り戻し少しは回復するはずだ。
作戦を上手く進めるため、まずは結界を破壊した方が良い。
軽く呪力を広げ周囲を感知すると、良い気や悪い気の流れをなんとなく感じる事が出来る。
思い切り広げてしまうとおそらく敵に感付かれてしまう、だけど少しづつこれで進めばいい。
「皆、まずは結界を破壊しよう……こっちだ……」
あと少しだけ……待っててくれ……。
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