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73. 喋った Bパート

ご閲覧ありがとうございます!

AIイラストはあくまでイメージとしてお楽しみください









 僕らが本土へ向かう船へと搭乗しようと足を踏み出した時、行く手を遮る様に横から声をかけられる。

 その声は凛華姉さん……。


「待て」




挿絵(By みてみん)




 皆……。

 横を向いた視線の先には生徒会のメンバーやルイ、エレナさん、そして肝試しの日に琥珀に捕らえられた魔女のお姉さんがいた。


「おい、水臭いぜ、北欧で一緒に戦った仲だろ」


「もしかしたら私の力も必要になるんじゃないかしら?」


 ……皆の気持ちはありがたいけど、これからは対人戦になる可能性が高い。

 妖魔や野良の妖怪は大方動きも読みやすいから、比較的被害は少ない。

 しかし今回は違う、戦闘が起こるんだとしたら血みどろの戦いになる。

 そんな戦地へ新たに大事な人達を連れて行くなんて……。


「今回はあまりに危険だ……皆は帰って……」


「君をそんなところへ行かせて引っ込んでられないよ、ほら、早くしないと船が行っちゃうよ」


「うあぁ、ちょっと!」


 僕は香蓮ちゃんとスズに背中を押され船へと乗船する。


「いってらっしゃいまし、必ず帰ってくるんですのよー!」


 乗船後すぐに船は出港した。

 エレナさんは手を振ってお見送りしてくれる。

 半ば強引に船を乗せられた僕は皆へと振り返り、反論する。


「気持ちは有難いけど、今回ばかりはだめだ」


「やつらは……きっと邪気を扱った危険な実験をしている」


「ただでさえ集団戦になるのに、未知の力を使うかもしれない」


 ……凛華姉さんは僕へ近づき、しなやかな力強い手で僕の頬を叩いた。


「こーちゃんが約束を大事にするのは分かる、でもそれなら……私との約束も大事にしてくれ……」


「あ……」


「お前が意地でもあの子を助けに行くなら、私だって意地でも着いていくからな!」


「ごめん、僕が馬鹿だった……」


 僕は姉さんとの昔の約束を思い出す。

 あの日交わした約束はあの神様だけじゃない、凛華姉さんとも約束したんだ。

 僕は皆の顔を見て、闇に染まる沼地へ沈んでいた暗い心が引き上げられたような気持ちになる。

 本当にありがたい……これなら、きっとどんな敵が来ても彼女の元まで辿り着けるはずだ。

 結局、百鬼夜行でも皆がいないと威吹鬼を助けられなかった。


「集団戦なら私達もいた方がいいでしょ? ね?」


「危ないの何て今更だぜー」


 僕は皆に改めてお願いする。

 誠心誠意頭を下げて。


「勝手だけど、本当に助けたい人がいるんだ、だから、危険だけど……力を貸して下さい」


「もちろんさ、どんな敵からも君を守ると誓おう」


「よし! 久々に戦えるたぁ腕が鳴るねぇ!」


「生香蓮様♥ カッコイイ……♥」


 まころんに宿った酒呑童子は、戦いが楽しみみたいだ。

 そして香蓮ちゃんは僕へ片膝を付き、騎士の誓いを立て応えてくれる。

 その姿を見て魔女のお姉さんは鼻血を垂らしていた。

 ホント、好きなんだな……まぁ気持ちはわかる、だってカッコイイし……♥。

 我ながら引いてしまった、ともかく真似するくらいカッコイイという事だ。


 ……皆、ありがとう。



――――



 未開の旅路へ一筋の光の様な希望が見え胸を撫でおろし、僕らは船内へと入った。

 そして今は昼食を取り、作戦会議を行っていた。


 船が本土に着き次第、僕と凛華姉さん、変化で小動物の姿になり軽く小さくなった白百合さん、小夜、ルイ、フェネックの疾風が琥珀の背に乗り、僕が指示し呪力を辿った先へ飛んでもらう。

 琥珀の後ろを愛馬のアビスに乗った香蓮ちゃんが追う。

 先行組に発信機を付け残りのメンバーはそれを目印に移動してもらう。

 電波妨害が入るかもしれないからその場合は、皆へ配った呪力を辿る人型の呪符を使って跡を追ってもらう形となった。

 きっと朱鳥先輩は夜なら琥珀に付いていけるかもしれないけど、こればかりは仕方ない。


「それより、よく僕が行くのが分かったね」


「あぁ、琥珀様から連絡がきたからな」


「そっか……琥珀もありがとう」


「まぁ万が一じゃ、戦力は多い方が良いじゃろ」


 琥珀の照れながらも尻尾を振っている姿がなんだか可愛らしい。


「陽景さんからもきたぞ、ケツもアソコも青い弟子を頼むとな、ははは」


 ……それは師匠にブルーハワイのシロップをこぼされたせいなんだが。

 10歳くらいのとある夏休み、おやつにかき氷を食べる時、師匠が誤って僕のズボンにシロップを零したのだ。

 そして師匠は、僕のアソコもちゃんと拭き取ろうとズボンを脱がしてきたわけだ。


『い、いいですよ! 自分で拭くから!』


『うへへ、こ、子供が遠慮するもんじゃないよ! おませさんだねぇ!』


 そうして蒼く染まった僕のスカイハイコバルトブルーペ〇スを目撃した彼女は爆笑し、頭の中身がフライアウェイ。

 知性がどこかにすっ飛んだように下品に大笑いし、しばらく僕はブルーハワイと呼ばれていた。

 当然、凛華姉さんはその珍事を知っている。

 ま、まぁあれくらいで喜んでくれるなら安いもんだな、流石に今は勘弁だけど。


「陽景さんが車とヘリを手配してくれたの、私たちはそれで移動するわ」


「間に合うか分からないが、応援もよこしてくれるそうだ」


 師匠……。

 ありがとうございます……。


 これで、やっと……助ける事が出来る。

 永きに渡り、負の念に蝕まれた彼女の魂を……。


「それで……前から気になっていたんだけど、これから助けに行く相手と煌河くんてどういう関係なんだい?」


「それは、少し長い話になるけど……」


「聞かせて欲しいな」


「うん……あれは香蓮ちゃん達が如月家にいた時期から大体1年後の事なんだ……」



――――――



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