表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/378

68. 悪意と優しさ

ご閲覧ありがとうございます!

AIイラストはあくまでイメージとしてお楽しみください







「言い過ぎたかも、ごめんね」


 いちごちゃんが僕へと本音をぶつけ罵り煽っていた女生徒達をとりあえず平謝りさせた。

 そんな歪な空気が流れる教室で、僕はろくに頭が働かず、頭を下に俯かせて軽い相槌を返す事しかできなかった。


「あ、あぁ……」


 鼻が詰まって涙声になっているような僕を心配したのか、麗香は後ろから背中をさすってくれた。


「ありがと……」


「いいよ」


 震える喉の奥から、聞こえるか聞こえないかの小さな声で呟いたが、麗香は僕と同じように小声で返事をしてくれた。

 結局僕はここでも……。

 堪えてるのになぜか涙が出てしまう、なんで僕はこんなに弱いんだろう。

 何故僕はこんなにも、ダメで落ちこぼれ何だろう。

 ほんとはこんなとこ来るつもりじゃなかったのに……。


『役立たねーな、落ちこぼれ』『なんでいつも後ろで見てるだけなんだよ』『たまには囮になれ、ほら』


『た、助けて!』


『はははは!』『弱w』『偉そうに本なんか出しやがって』


 ……。


『ルイくんなら全然アリだったのに!』『ウンコマンじゃぁねw』

『なんか情けないしねw』『そもそもスタリオンてなんなん?w』


 同じだ……僕は心の底から疎ましく思われていたんだ。

 僕は下を向き、膝を涙で濡らす。

 堪えていたはずなのに……僕の意思とは無関係に目の奥から水が滴り落ちる。

 隣のスズが、僕を見ているような気がした……。

 幼い頃から情けなくてごめん、こんな人間で本当にごめん……。

 さっきも声を荒げて止めてくれた、ホントはそんな事したくないはずなのに……ごめん……。


「……ちょっと、煌河……あんたたち、許さないから!」


 僕がいるとたぶんまた人が悪意に染まってしまう、彼女もこんな気持ちだったのかな。

 だから、封印されていたんだろうか……誰にも相談できずに一人で戦っていたのかな。

 そんな事を考えながらなんだか教室にいれなくなった僕は我慢できず飛び出した。


「待って!」


 誰にも見えない死角に入ったところで姿を一瞬で消し、窓を開けそこから飛び立った。


「いない……? え?窓が」


「ごめん……」


 後ろの窓から顔を出した麗香へ呟き、僕は空を駆け神社の麓の屋敷まで帰った。――――――



――――――



 LEEN グループ 


Reika:落ち着いたら連絡頂戴ね、私達味方だし


ひな:ほんとあったまきちゃう


ひな:元気になったらまた皆で遊びいこ!


千冬:気にしないてのは無理かもしれないけど、私達はあんなこと思ってないから


千冬:またオタクトークしようよ、涼音も混ぜて


まころん:かー! だいのおとこがなs


まころん:違う、これは……間違えてコピペを送信しちゃったんだよね!


千冬:まころんもねw


涼音:私は別にオタクじゃないけど……まぁ混ざってあげる


Reika:ツンデレだなぁw


涼音:ツンデレじゃない!


NR:皆、ホントにありがとう


――――――



 家へ帰った僕は泣きながら数時間ふて寝をして、今は心も大分落ち着いた。

 僕は部屋で寝転がり、先の事を思い返す。

 僕が屋敷に降り立った直後に、後ろから声が掛かってきた。

 

『大丈夫か、あいつら喰らってきてやろうか』


『大丈夫だよ、琥珀は優しい琥珀でいてくれた方が僕は嬉しい』


『……ゆっくり休め』


『ありがとう』


 そうして僕は寝ていた訳だけど、琥珀は学園に来ていたようだ。

 僕が家に帰っている途中、気付いたら後ろに気配を感じた。

 何か話があったんだろうか。

 そういえば、麗香達は僕を庇ってくれたのに……何も言わないで飛び出しちゃったな……。

 僕はLEENを開き、グループの中身を見ると……。

 皆からの暖かい言葉があった、内容的にはよくある文面かもしれないけど。

 彼女達が心から心配してくれているのが良く分かった、感謝の気持ちでいっぱいだ……。

 僕は皆へお礼の言葉を返し、ドアのノックへと返事をする。


「どうぞ、入って」


「起きたか。 布団に潜り込もうと思ったんじゃがのう、遅かったか」




挿絵(By みてみん)





「気持ちだけでも嬉しいよ」


「それはそうと学園での事じゃ」


 彼女はベッドに座る僕の隣へ腰かけ、話を始める。

 琥珀から話を聞いたが……なるほど。

 学園では先日の調査で発見された、邪気の痕跡の様な影響が合ったらしい。

 島では邪気が影響を及ぼし伝染しそうになったところ琥珀は解決の為、島を回っていたみたいだ。

 本来は邪気は直接人の心に宿り払えるようなものではないが、昨日の様な邪気の残り香みたいな

特殊なものは払えたみたいだ。


 学園もその影響を受けていたと。

 聞けば1年生と3年生のクラスでも喧嘩が起こっていたらしく、僕のクラスでもたまたま女生徒がその影響を受けていたに過ぎない。

 スズが黙れと声を荒げ、ドンしたところで、琥珀がたまたま学園の邪気を払ったようだ。

 それが邪気の影響を受けた女生徒達が黙り、教室が数秒沈黙した理由だ。


 良かった……僕を罵っていた彼女たちは本来、人へと自分から悪意をぶつけるように子達ではなかったという事だ。

 でも……思っていたことは本音なんだろうな……。

 己の想いや欲望を優先してしまう、それが邪気の影響だ。

 きっと口から紡いでいた言葉は本心だったんだろう……。

 

「今日の上映祭はどうするんじゃ?」


「あぁ……行くよ、麗香達にちゃんとお礼言わないと」


「無理しなくてもいいと思うがのう」


「ありがとう、でもちゃんと伝えたいんだ」


「仕方ない、乗っけてってやるとするかの」――――――



――――――




 






ご愛読ありがとうございます!

面白かったら乳首をダブルクリックするようにブックマーク、評価をお願いします

気持ち良いので


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ