3.タマキン take out!!
病院から抜け出した僕は、鍛錬で使っていた山の中のキャンプ地の様な拠点へ向かい
一先ず身を隠す事にした。
ここならば水も煮沸できるし、密封された缶に食料もある程度は埋めてあるので何とか凌げる。
こんな時の為に色々と準備しておいたのだ。
さてこれからどうするか。
政府の眼から逃れるには、見知らぬ土地で素性を隠し生きていくしかないだろうが、僕はまだ世間の事など何も知らない、住居の確保も分からなければ社会人としての知識もない。
自分の無力さに絶望しつつ、僕はこの前のギャルのお姉さんとさっきの女医さんのおっぱいを思い出していた。
ギャルのお姉さんは僕にくっつく度、張りもあり大きいお胸様が体に当たっていた。
あの時はラフな格好だったし、僕もスタリオンになっていなかったので特に気にならなかったけど
思い返せば相当おいしい経験だったのではなかろうか。
女医さんからは大人の色香も漂っていてギャルのお姉さんとはまた違った魅力があったな。
僕の事を味見だなんて如何わしい言葉を口にしていた気がするが、しょれって、しょしょしょーゆーことだよな?!?!
何故あの時逃げ出したんだと、自分の行いに若干後悔しながらも溜息をついた。
スタリオンて皆こうなのか?気を抜くとすぐエッチな事ばかり考えてしまう。
身の振り方を考えるのをやめにして、拠点のテントを隠蔽し、軽く非常食を食べ水を飲んだ僕は眠りについた。
明日の自分に全てたくそう。――――
――――
「んん……ふぅ……」
ふぁ~あ、良く寝た。
「あら、おはよう」
「あぁ、おはようございます。お水お水……」
最近色々あってあまり眠れてなかった(主に劣情のせいで)僕は、久々の快眠に満足し喉を潤すためテーブルの水を手に取る。
やっぱ寝起きは水分とらないとね、ん~身体に染みるぅ~。
「可愛い寝顔だったわね」
「ブふーーーーーっ!!!」
僕は盛大に水を吹き出した。ていうかどこだよここ!!!!
「どこですか!ここは!」
「ぁん♥ 濡れちゃったじゃない♥」
「うぁあ、すみません、じゃなくてぇ!」
吹き出した水のせいで昨日の女医さんのブラウスが少し透けてしまった。
大人の色香を振りまくお姉さんのスケスケ姿、素直に射精です。
ではなく、昨日僕は山で寝たはずだ。
なぜ起きたらリゾートホテルのスイートルームみたいな場所にいるんだ!
それにこの水やばいやつじゃないだろうな。
「なんで僕はこんなところにいるんですか!?」
「寝てる間に連れ出したのよ」
別に自信過剰なわけではないが、僕の隠れ方は普通の人間には見つけられないはずだ。
という事は女医さん側にも、僕の様な家の出自の人間がいるのだろうか。
「どうして僕の居場所が……」
「お父様に聞いたのよ」
あのハゲオヤジ僕を売りやがった!!!
普段山で鍛錬していることはもちろん家族には伝えている。
でもまさか、血のつながった家族に売られるとは。
スズメごっこをしてご近所の悪評になってしまった事がそんなに堪えたのだろうか。
やれやれ、なんて生きにくい世の中なんだ。
ちなみに僕が連れ出されている間に、美香さん達は起きないよう麻酔を使用したらしい。
「僕はこれからモルモットにされるんでしょうか……」
「そんなにネガティブな心配はしなくても平気よ。それより自己紹介がまだだったわね。
私は八乙女 美香。好きに呼んでちょうだい」
「あ、僕は夜兎 煌河助月守天道(やと こうがのすけつきもりのてんどう)と申します」
「診察の時も思ったけど素敵な名前ね、ご家族の愛を感じるわ。」
「ははは……」
暖かい声色で、話しかけてくる美香さんから優しさを感じるのだが。
ぼかぁその家族に売られたばかりです……。
「さて、あなたの今後の身の振り方だけど……」
「……」
美香さんの説明によると。今いる島は国の本土から離れた政府の所持している国営の島らしい。
衣食住等の生活に必要な物から、娯楽施設まで、様々な物が完備されている。
僕はこの島で暮らす事で、スタリオンの研究やらを手伝ったりするという事だ。
よほどの悪行を行わない限り、本土の暮らしと変わらない生活が出来るという。
とりあえず怪しい研究所に詰め込まれて人体実験パラダイスなんてことはなさそうだ、よかった……。
そしてなんとこの島にも学園があるという。
僕はそこに通い、そこでの生活がスタリオンとしての研究、日常になるそうだ。
「良かった、普通の生活をさせて貰えるんですね……」
「だから言ったじゃない、大丈夫よ。 転校や諸々の手続きはこっちでやっておくし心配しないで、あなたはこれから気の向くまま好きに生きればいいのよ」
「好きに、ですか……」
「そうね、学園には女の子しかいないし、好き放題しても良いのよ」
「え?女の子しかいないんですか!?」
す、好き放題なんてそんなハレンチな!!!
ニュホホホ、夢が広がりんぐぅ~↑↑って冗談はさておき
「好き放題て、僕にはそんな度胸も甲斐性もないですよ……」
口ではそう言いつつもあそこは期待でおっきしてしまう、これが本能か。
そして煩悩と格闘していると追い打ちをかけるように、僕の手を握り美香さんが艶めかしく迫ってくる。
「その学園もスタリオンのために用意されたようなものだし。 私もそこで先生をしてるし、私の事も好きにして良いのよ……」
なんて甘い囁き声なんだ……。
気を抜いたらすぐに2つ返事でケダモノに化してしまいそうだ、辛い……。
「好きにって、そんなの流石にスタリオンでもダメでしょう……」
「許されるのよ、ここではね、よっぽどの事じゃない限りお縄に着くこともないわ。」
「……」
美香さんの甘い香りが頭の中を包み、挫けそうになる中必死に理性を働かせる。
でも、僕がそこで好き放題してしまったら、楽しく青春を過ごしている女の子達は……。
そして僕は……。
「やっぱりダメですって、僕は初めては最初で最後の人って決めてるんですから!!」
脳の片隅にギリギリ残った理性を引っ張り出し、僕は美香さんの肩を掴み押し返す。
しばらく気まずい静寂が空間を包んだ。
きっとさして時間は経ってないだろうに、緊張のせいかとても長い。
「ふふ……合格よ」
「え……?」
え?
「合格、あなたがもし女の子達を好き放題手籠めにするような野蛮な人間だったら、私の権限で島から追放していたわ」
「な、なんですかぁ、それぇ!」
た、試されたぁー!でもここでガバっといっとけば本土に帰れたんじゃ?
とも思ったけど帰ったところで特に何もない毎日だし、ここで心機一転するのもいいかもしれない。
なんせハーレムだし……スタリオンになる前はこんなんじゃなかったのにな。
それに純情を弄ばれた事も相まって非常に複雑な気分だ、スタリオンはこんなことばかりなのだろうか、泣きそう。
「あなたの事はある程度調べさせて貰ったから、学園生活くらいなら問題ないと思ってたけど
でもたまにいるのよ、自分がスタリオンになった途端、女の子に何しても良いって人間がね」
「そんな人もいるんですか……」
この社会の男性の草食化が始まって以降、道徳観や倫理観の教育等重点的に行うようになったらしいが
それでもそんな人間がいるのか、やはり性欲は人を狂わせる不必要な物なんだろうか。
「私にとって学園の子達は妹みたいな感じで皆いい子だから、あの子達がこれからスタリオンと生活するのに、私が体張らないと面目が立たないじゃない?」
「学園て女子高だったんじゃ?スタリオンが来ることは……」
「スタリオンが来ることは公表されているわ、表向きは研究の為という理由だけれど……上はあわよくば島の子達とどんどん婚約させるつもりよ、子供を産ませるために」
「……」
どうやら美香さんは、学園の子達を大事に思っているみたいだ。
おそらくだが政府側の自分は安全な立場にいる罪悪感みたいなものもあるのだろう。
それに婚約か……いくら一夫多妻が許されてるとはいえ子作りを他人から促されて、はいそうですか
なんてできるはずもない、子作りはさせられるものじゃない、するものだ(ちなみに童貞)。
「ふふ……若い子にさっきのは刺激が強かったかしら?ごめんなさいね」
「なんかもう泣きそうです、研究もこんなんばっかなんですか?」
「今のは私の独断、ほんとにごめんね、でも私はアナタの事気に入っちゃった♥ 学園の子を好き放題するのはダメだけど、私なら、好きにしていいわ♥」
「もう弄ぶのはやめてくださいってぇ!」
僕は熱くなって疲弊した頭を冷やすために部屋を出た。
「困ったわ、本気になっちゃいそう……」
扉を開いた後に先生が何か言ってたかもしれいないが、よく聞こえなかった。
またからかわれでもしたのだろうが、まぁ、でも、からかわれるのもやぶさかではないな、むふふw。
「待って! 島の案内が必要でしょう?」――――
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【AIイラストは悪魔でもイメージです】