30. 妖魔招来
ご閲覧ありがとうございます!
AIイラストはあくまでイメージとしてお楽しみください
「これでどうだ? 私は週3回こーちゃんのお弁当を作る。残り2回は椿さんと香蓮で1回ずつでいいだろう」
「それはおかしいよ、凛華だけ多く作ってるじゃないか。朝も家に行ってるのに」
夜の風が段々と温くなっていく様が春の終わりを感じさせるGWの深夜。
僕ら生徒会のメンバーは軽い瘴気を払うため、水平線の向こうに煌く夜景が見える港に向かっていた。
先日に僕らの頭領である凛華姉さんから連絡がきたのだ。
何か任務がある場合は先ず姉さんに連絡が行き、それから姉さんが僕らに任務内容を回す。
やはり最近は瘴気も多く人手が足りないみたいで、僕らは管轄外の場所にまでときどき足を伸ばしている。
風になびかれながら歩いていく中で凛華姉さんと香蓮ちゃんは、僕の平日のご飯を作る日程を取り決めている。
やいのやいのと2人が軽口を交わすのを聞き流し、僕はこの間の弥彦おじさんと琥珀が何らかの妖怪を追うため島を出ていたことを考えていた。
今回島で瘴気を発生させている相手はこの2人が島を出ていくほどのやつなのだろうか。
正直2人は最強と言っていい、おじさんは政府が秘密裏に発足している怪異対策課の重役であり実力も折り紙付きだ。
僕ら人間の中では最強格と言っていいだろう、それに琥珀も言わずもがなだ、正直彼女はチートだ。
神様で生ける伝説みたいのものだからな、琥珀は僕を気に入ってくれてるが本来僕に仕えているという事がおかしい。
まぁ、普段の可愛らしい琥珀や物腰の柔らかいおじさんを知ってるから心配だがそんなものはするだけ損かもな。
僕は気を取り直して楽観的に考える。
「へー、普段は守り神様と弥彦おじ様とお勉強しているのね」
「うん、色々知れて楽しい……最近は疾風とも一緒」
「拙者も小夜の姉御と共に勉強してるでやんす!」
凛華姉さんと香蓮ちゃんが先頭を行き、僕が最後尾を歩き皆を眺めると、真ん中には小夜に朱鳥先輩とスズ、そして疾風が世間話をしている。
疾風はこの前キャンプ場で会ったすねこすりだ。
あの一件の後にやせ細った彼にご飯も食べさせ、恩義を感じたみたいで僕らに仕えたいと言立てて来たのだ。
その後、香蓮ちゃんの住む屋敷に同棲しているスズが主となり彼女達の側で暮らしている。
そして小夜は僕らの任務にも同行する事になった。
日々僕や琥珀、弥彦おじさんと凛華姉さんとも一緒に修行してる小夜だがそろそろこういう経験も積ませといていいだろう。
正直あまり危ない事はさせたくないが、こういう世界に身を置く以上経験は積んでおいた方が良い。
何より小夜本人が僕の役に立ちたいと強い申し出があったからな、それを無視するにはあまりにもかわいそうだ。
「2人共、その辺にして準備始めるわよ」
目的地に着き、僕らは今は使われていない廃墟のような取り壊しかけの古びた倉庫の跡地に足を踏み入れる。
そして先頭を歩き盛り上がっていた2人を朱鳥先輩が諌め、僕らは人払いの準備をする。
数人が周囲を見張り、僕は手早く倉庫周りに民間人が遠ざかるような人払いの結界を施していく。
こういう人目につくような場所に瘴気が発生すると、民間人への配慮も少し面倒だ。
瘴気自体は見鬼の才など、見えないものを見る力がないと見れるものではない。
しかし、僕らが瘴気を払うところを民間人に見られる訳にはいかない。
なのでわざわざ人通りの少ない深夜や早朝に赴き、見張りを立て人払いを済ませなければならない。
人がいる場合は工事だとか立ち入り禁止になるだとか理由を付けて帰らせたり、普通の人なら大体これで済む。
これが面倒な人間の場合は、まぁ眠らせたり気絶させたりする。
幸い今回は周囲に人っ子独りいない。
「よし、人払いは済んだな。ではこーちゃん、頼む」
「オッケー」
僕が、いつものように瘴気を払おうとすると黒いモヤにかかったそれが収束していく。
……まずい。
「まずい! 感知型の瘴気だ!」
僕が叫ぶやいなや姉さんが僕達に、周囲を見張っていた朱鳥先輩とスズへ指示を飛ばす。
「総員警戒態勢! 気を引き締めろ、朱鳥と涼音は身を潜め待機!」
感知型の瘴気は呪術や霊力に連鎖反応して発動する物だ。
この類のものはおそらく誰かが仕掛けた可能性が高い。
おそらく僕の結界に反応したんだろう、本来は先に瘴気を確認しなければならないが最近緩い任務ばかりで弛んでいた。
あまりにも不用心だった……。
夜の闇に溶け込むような黒の瘴気がブラックホールのように周囲のモヤを吸い込み収縮していく。
瘴気からは妖怪を生んだり、土地を枯らしたりする効果がある。
しかし軽い瘴気の場合は大方無害な妖怪が生まれるだけだ。
でもこの反応は……瘴気から魔の使い【妖魔】が生まれる前兆だ……。
それも割と強力なやつ……。
「ごめん、結界を張る前に確認しとくべきだった……」
「今はいい、油断するな」
「大丈夫さ、私がついてるよ」
凛華姉さんが機械刀を、香蓮ちゃんが剣と大きい盾を構え武装し、気を引き締めながらも僕を鼓舞してくれる。
瘴気が一度こうなってしまえば発動しきるのを待つしかない。
このまま力ずくで払えば土地に悪影響を及ぼし数年、ひどいと数十年ほど後遺症が残り瘴気が生まれやすくなったりする。
張り詰めた空気に背筋が凍る空間で瘴気を見つめ続け十数秒。
「応援を呼んだ、全員生き残る事を優先しろ! 倒せるようなら倒す!街には絶対に出すな!いいな?」
皆が凛華姉さんの指示に了解するやいなや先の見えぬ深淵から妖魔が顕現する。
でかい……3メートル近くある瘴気の黒に身を包んだ筋骨隆々の鬼型の妖魔が咆哮と共に地へ足を付けた。
そこに理性や知性はなく、あるのは激烈な破壊衝動のみ。
妖魔は妖怪と違い生命体ではない、意識も命も無く歩く破壊の権化だ。
顕現したら払う以外の道はない。
しかし、これは……よりによって本来複数のグループで対処するようなやつだ……。
とにかく集中しろ……命懸けの戦いだ……。
「小夜、頼む」
僕は小夜に呪符を渡し、あるお願いをする。
「……」
機械刀を帯刀した凛華姉さんが居合いの構えで、敵を見つめながらもすり足でほんの少しづつ相手に近付いていく。
相手は僕らの方に目もくれず目の前の敵を向かい討つ為に一歩踏み出す、そしてまた一歩。
無防備な状態からの一歩目は恐らく軸足は使い安い方、二歩目は使いづらい方。
「縛れ陰の檻、張り付け給へ穢れ鬼」
金縛りの真言を唱え、相手の様子を伺う。
今だ、歩き出した相手に僕は呪符を相手の目の前に飛ばし巨大な盾結界を展開する。
敵の鬼は結界を砕こうとし拳を振り上げる。
「解!」
今の結界はオトリだ。
真正面に拳を振りぬく瞬間に結界を解き空振りした鬼は、バランスを崩し身体をよろめかす。
理性のないパワータイプの相手で良かった!
「縛!」
鬼が二歩目を踏み出した後、軸足とは逆の足元に、俊足を活かし小夜が瞬時に設置した呪符を媒介に金縛りの陣を発動させる。
逆側の足を前に踏み出す事でバランスを取ろうとした鬼は、足を動かせずにそのまま前に倒れていく。
その隙を凛華姉さんは見逃さなかった。
一瞬で相手との距離を詰め、倒れながら手を出してきた鬼の腕を躱す。
そして……。
「セァッ!」
敵の足を霊力を纏った機械刀で一刀両断しその足は陰となり漆黒に溶けて消えていく。
戦力を大幅に削いだ、流石姉さんだ。
敵は地面に手を付き倒れ伏すかと思ったが、甘かった……。
手を付いた刹那、両腕と一本足で地を蹴り飛ばし、ひとっ飛びで間合いを詰め僕を狩りに来た。
一瞬の滞空時間の隙に振り上げられた拳が僕に向かってくる。
まずい、完全に油断していた……不意を突かれて身体が動かない。
「任せて!」
僕が動けずにいると香蓮ちゃんが眩い銀の盾で防いでくれた。
敵は盾に突っ込んだ反動を受け後ろに吹っ飛ぶ。
香蓮ちゃんは聖騎士なだけあって盾の扱いもスペシャリストだ。
「あ、ありがとう……!」
「怪我はないかい? 私の王子様」
きゅぅ~ん! 香蓮ちゃん、素敵だ……王子様はアナタですよ。
等と言ってる場合じゃない、僕は自分の中の乙女を律しつつも敵を警戒する。
地に伏した鬼は辺りを見回し、距離の近い凛華姉さんに狙いを付けゾンビの如く地を這い向かっていくが。
「こーちゃんは……私の王子様だ!!!」
光の速さの剣速と言っても過言ではない速度で敵を三枚におろし、それは陰になって散っていった……。
凛華姉さんは怒らせない方が良いな、あれは覇王色の覇気を纏っている。
と思ったら凛華姉さんは今にも涙が零れそうな表情で心配そうに僕に駆け寄ってくる。
さっきまで敵の鬼より鬼のような形相だったが僕の気のせいだったんだろうか。
「怪我はないか!?」
僕の肩を掴み心配そうな顔で僕を見つめてくる。
香蓮ちゃんがいなかったら肉塊になっていたかもしれない、今思うと背筋が凍る。
「香蓮ちゃんが守ってくれたから大丈夫だよ、2人は怪我は?」
「あぁ大丈夫さ」
「私も平気だ」
「良かった! 小夜ー、大丈夫?」
僕は2人の安全を確認した後、敵が消えていった方を見つめている小夜の方へ駆け寄る。
小夜は怪我してないかな?
敵が消えていった方をボーっと見つめている、恐らく緊張していたんだろうな、初めての実戦だったし。
僕は大事な式神の元へ駆け寄るため数歩足を動かす、そして小夜を襲おうとしている陰に気付いた。
「小夜!!!」
もう一体いたのか!?
僕は上空から小夜の方へ降りかかってくる妖魔との間へ割って入ろうと、全力で地を蹴り駆ける。
小夜はトラックや車を前にした猫のように体が硬直している……!
間に合え……間に合え!
僕は前のめりで思い切り飛び上がった。
「どりゃあああああああ!!!」
妖魔のそのまた上空からワイルドな掛け声を響かせ、天から拳を下した人物によりワンパンで妖魔は吹っ飛ばされ霧散した。
あぁ、良かったぁ……。
ズザザザザー!!
「あだだだだ!」
既に飛び上がっていた僕は、アスファルトにヘッドスライディングをかまし顔面を軽く擦りむいた。
【如月 凛華 (きさらぎ りんか)】
幼馴染、名家のお嬢様
凛とした雰囲気の大和撫子
小さい頃の結婚の約束を未だに本気にしている
将来の夢は主人公のお嫁さん
姉貴風を吹かせてくる 文武両道
生徒会長タイプ 英才教育で多才 おしりにほくろが1つある
???の???
白兵戦最強と言われる【白月の武者】の名を持つ侍。
一撃必殺の居合いの威力は、どんな術や武器よりも驚異的な威力とされている。
組織における最強の矛。
173㎝ 61㎏
【装備】
「二式:鳴神ノ紫電」
白月の武者の為に作られた専用武器。
技術の粋を集結した機械刀。
名前の由来は天を切り裂く2種の紫電の刃という意が込められている。
洗練された機械的なフォルムとビジュアル。
業物の日本刀より硬く、より鋭い。
能力
・紫電のようなレーザーを刃に出力し纏わせる事ができる(時間制限付き、バッテリー交換可能)
・堅い敵等、斬撃耐性の高い敵に対抗できるよう刃の反対側のスペースに直接レーザーのみ出力することで純粋なビームサーベルとしても扱える、瓦型の鉄を三重にしても斬鉄が可能。
・スサノオ神の武器、アメノハバキリのかけらを用いて作られ、霊力を込めた時に発動者と呼応し身体能力が飛躍的に上昇する。
・霊力増幅コアをセットできるマガジンへ遺物を組み込むことで、霊力伝導率、増幅率が上昇する。
理論的には八尺瓊勾玉を組み込むことで数百倍もの出力になると計算されている。
普段は、政府から無料で支給されている宝石を組み込み、伝導率は、大体+10~30%
「絶縁の小手」
雷を切ったという逸話が残される名刀「雷切」の壊れた柄を用いて制作された小手。
絶縁体により電気を通さず「二式:鳴神ノ紫電」と併用する事で安全性が上がる。
軽く硬い素材で作られ重さは一切感じない上、敵の攻撃も防ぎやすい、咄嗟の防御に使用可能。
打撃は効かないねぇ、ゴムだから(内側に組み込まれている)。
「能力」
・絶縁体が組み込まれ電気を吸収し通さない。
・霊力を込める事で硬度が上がる。
・雷切の逸話から人々の思念が沁み込み、電気が近くにあると装備者の瞬発力と筋力が少し上昇する。
「アンダースーツ」
・電気を通さないアンダースーツ。
・着用すると体の態勢を整え身体機能を少し向上させる。
【雅 Alexandra 香蓮(みやび あれくさんどら かれん)】
王子様系の金髪ショート。 如月家、夜兎家と繋がりがある。
凛華、朱鳥と幼馴染。 主人公とは幼い頃に数か月一緒に過ごした。
フランス人ハーフ 日本生まれ日本育ち 英語は結構できる フランス語は普通にできる
人をエスコートをするのが得意だが女の子扱いに弱い
乙女な一面がある、というかたぶん誰よりも乙女
モデルをしてる エクソシストに属する聖騎士
瘴気にまみれた街を開放し「シュヴァリエ・デュ・ソレイユ ~太陽の騎士~」を冠する称号を持つ。
太陽に照らされた煤まみれの凛々しい姿からオルレアンの乙女(聖女ジャンヌダルク)の再臨とも言われた。
馬術部
仮 フェンシング部? 執事メイド部?
176㎝ 64㎏
【装備】
「オートクレール:β(オートクレール ベータ)」
魔を払う聖剣の模造品。
帰還率の意味を持つβの名を冠している。
刃こぼれした聖剣のかけらを元に作られた。
強大な魔を滅っした聖騎士に贈られる人造聖剣。
・刃こぼれした聖剣のかけらを元に作られたため魔を打ち消し、使用したオーラが増幅され還元される。最大伝導率200%、還元率50%。
・耐久力が高く打ち合いに強い
・グロリユーズ√∇とユニゾン(合体)し全てを打ち抜く聖槍と化す。
「グロリユーズ:√∇ (グロリユーズ ルートナブラ)」
根,根元,根本,根源などの意味を持つ√。
ベクトル解析における演算子における∇の名を冠した盾。
刃こぼれした聖剣のかけらを元に作られた。
根を張った大木のような強度を持つ。
強大な魔から民や王室を守った聖騎士に贈られる人造聖盾。
・敵の攻撃を反射しやすく作られている。
シールドバッシュや敵の攻撃に合わせ上手くガードする事で敵へのノックバック効率が倍増する。
・生物の根源であるオーラを徐々に回復させる。
・耐久力が高い。
・オートクレール:βとユニゾン(合体)し全てを打ち抜く聖槍と化す。
「インビジブルアーマー」
魔力を纏った、見えない鎧として生身へ直接、展開可能。
物理的な鎧の外側にも内側にも、重ねて展開できる。
聖なる力が宿った十字架から発動され、即座に身を守る鎧となる。
重さが全くなく、護身用に最適。
・見えない鎧として使用者を守る。
・聖なる力を纏い邪気や瘴気を介する魔物の類には防御力が増幅する。
【???】
翼は無いが空を駆ける事が出来る。
???の血を引いているため力強い。
硬派で頑固だが心根は優しい。
ご愛読ありがとうございます!
面白かったら乳首をダブルクリックするようにブックマーク、評価をお願いします
気持ち良いので




