18. 脳裏に焼き付く笑顔のおじさん
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「それでさw生徒会長とどんな関係なん?w」
「別に皆が想像してるようなのじゃないよ、ただの幼馴染の姉さんだよ」
「「「えぇ!?!?」」」
僕が麗香の問いに対しそう答えると、聞き耳を立てていたのだろうか何故か他の女生徒までも驚きの声を上げる。
や、やはり僕みたいなのが姉さんと一緒にいちゃあおかしいだろうか。
2人きりの時はあんな感じだけど確かに姉さんは美人だしな、この前島に取材に来た芸能事務所の人間にスカウトだのなんだのされたとか、おじさんからたまに姉さんの自慢話を聞くくらいだ。
なんて僕が考えていると。
「こ、煌河くん! 私こういうものだけど、今度詳しいお話を!」
「あ、ずるい!」「私も!」
さきほど僕をこーちゃんと呼んだ子と一緒にいた子が名刺を渡してくる。
「なになに、凛華ファンクラブ会員証ぉ……!? ファンクラブなんてあるの!?」
「そうよ、クールで素敵な凛華先輩について語り合ったりするのよ」
「他には??」
「き、基本的にはそのくらいね、私たちは凛華先輩の許可は得ているけどただのファンの集いみたいな感じだから」
「そ、そーなんだ……」
聞けばこのファンクラブは姉さんが設立したものではなく、生徒が許可を得て立ち上げたものらしい。
でしょうね、姉さんがそんなもの立ち上げるとは思わない。
『設立は構わないけど私は関与しない』のだそうだ。
外では割と落ち着いた感じで振舞っている姉さんだが、僕と一緒の時の態度を会員の子が見たら卒倒してしまうのではないだろうか。
失禁ものだよ失禁もの。
ていうか凛華ファンクラブから敵視されないだろうな。
本心ではないだろうとはいえ、姉さんは僕にベタついてくるし……。
これから気を付けよう……。
「こーちゃん、ここのクラスだったか」
「え」
「きゃああああああ!!!」
涼やかだが威厳と温かみを含むような声色の主の声を聞き、ファンクラブの3人組が黄色い歓声を上げる。
姉さん登場。
しかも何故かパイプ椅子を片手に持参している。
なんてこった、よりによって気を付けようと思った矢先に出現するなんて、クイックマンV3か!
僕は心の中でツッコミを入れ呆然する、トホホ。
「ん?そういえば涼音も同じクラスだったな、おはよう、皆もおはよう」
「凛華ちゃん、おはよ」
「おはよ!」「おはー!」「おはようございます」
ギャル4人組と姉さんが挨拶を交わす。
4人共知り合いだったのか、涼音とは少し距離が近いけどどんな関係なんだ??
僕が涼音をジーッと見ると睨み返されてしまった。ひぇぇすみません……。
そんな中、姉さんは僕と涼音の間に入り、何故か僕の真横にパイプ椅子を広げ座り込む。
何やってんだ。
「よし」
いや、よしじゃないが。
「諸君! おはよう!」
するとチャイムが響き渡り、渚先生が教室へと入ってくる。
良かった、今日は先生元気だ。
「ん、凛華、何故このクラスにいるんだ? 何かあったのか」
と思ったのも束の間、凛華姉さんに声を掛けた先生は僕と目が合うと少し申し訳なさそうに声色が大人しくなる。
そ、そんなに僕の顔がひどかっただろうか……正直すみません。
「そうですね、あるといえばありはしますが、気にせずホームルームを始めてください」
「そ、そうか……ではホームルームをはじめよう」
いや気にしないんかい!
「て気にするに決まってるだろ!」
気にするんかい!!!
先生、朝からノリツッコミするとは、僕と目があって元気がなくなり心配になったが割と元気そうだ。
良かった。
「一体何があったというんだ、言いづらいなら場所を変えるが」
「いえ私の愛に言いづらい事も恥ずかしい事もありません」
「え?」「は?」
僕と先生の声が重なる。
「夫の横に妻がいても何もおかしくはないでしょう??」
……。
「きゃああああああああああああ!!!」
なーんてこったい。
刹那の沈黙の後、本日2度目の黄色い歓声が上がる、今度のはファンクラブの子だけではなくて教室中から。
僕が唖然とし先生が訝しげな目で僕を見つめる。
いやなんで僕が悪いみたいになってんだよ!!!
まさか姉さんずっと僕の横にいるつもりじゃないだろうな。
「凛華先輩とこーが結婚してるのー!?」
「まだ結婚はしてはいないが、いずれそうなる」
陽菜の言葉に満足気に姉さんが答え、僕は姉さんに自分の教室へ帰るように促す。
「いい加減な事言うんじゃありません! ほら、早く教室戻らないと」
「まぁいいじゃないか、確か今日は重要事項など何もないはずだ」
学校の予定まで把握してるとは出来た生徒会長ですこと。
まぁ確かに重要事項がないなら別のクラスに誰がいようと構わんだろうけども。
このままじゃ収拾がつかない。
「はぁ、凛華、お父上に報告するぞ、今はとりあえず戻りなさい」
「そ、それは、いささか度が過ぎるというものではないですか?」
「10秒以内に出ていかないと報告するからな、はい10」
シュバ、ガタン……。
という音を立てて姉さんは1秒も経たない内に教室から俊足で出ていった。
まぁ無理もないだろう、僕と姉さんにはおじさんの恐怖が脳裏に焼き付いているからな。
よくやんちゃや無謀な事をしてしまった幼少期は、笑い声を上げるおじさんからお尻が赤くなるまで叩かれたものだ。
子供からしたら下手に怒られるより怖い経験だろう、むしろ成長した今の方が怖い。
なんでお尻叩きながら笑うんだ、おじさん。
そんな事を思い出しつつ僕は放置されたパイプ椅子を折り畳み、教室の後ろに立てかける。
「ホームルームが終わったら夜兎はこっちにきなさい」
えぇ……。――――――
――――――
ホームルームが終わった僕と姉さんは、渚先生から理事長室に呼び出されていた。
姉さんの母親で理事長の莉々菜さんは今はおらず、美香先生も加えて4人だ。
「それで凛華、夫と妻とはどういう事だ? まさか夜兎に迫られて傷物に……」
「ブフっ!」
渚先生に睨まれながら僕は美香先生の入れてくれた美味しいお茶を吹き出す。
いきなりなんて事を言い出すんだこの人は……。
とも思ったが僕は先祖返りのスタリオンだ。
過去に人々が性欲旺盛だった時代は性犯罪というものが起こっていたらしいからな……。
心配なのも無理はない。
僕だって琥珀の稽古のおかげである程度は性欲を抑えられてはいるが、耐えるのは正直大変だ。
「そ、そういうのはまだ早いが、そうだな、こーちゃんが求めてくれるなら私は構わないぞ……」
頬を赤らめながら言うとる場合か。
か、可愛いけどそういう事言う状況じゃないぞ今は。
そんな中、段々と渚先生の僕を見る目が厳しくなっていく。
「待って渚、夜兎君はそんな子じゃないわ、でしょ?」
「と、当然です!」
僕は美香さんのフォローに心の中で感謝しつつ渚先生へ応える。
「凛華姉さんは小さい頃の約束を今でも引きずってるだけなんですよ」
「む、引きずってるわけではない、約束は約束だぞ」
姉さんは置いといて僕は渚先生の返答を待つ。
「それは結婚の約束の事か??」
「そうですけど……」
「そうか、君が……」
凛華姉さんはこの人にも小さい頃の約束を?
一体渚先生とはどんな関係なんだ?
2人の関係を気にしていると扉が開き、この部屋の主が現れる。
「あら、皆してどうしたのかしら」――――――
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