9. 松の千歳運びし逢瀬
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御狐様との出会いは僕がこの島に拉致され、美香さんから島の案内をされた翌日。
予定通り神社の本殿へお参りへ行った時の話になる。――――
――――
「……ふぅ」
島に強制的に連行され、美香さんから島を案内してもらった翌日。
僕はこの島の守り神様の神社にお参りに参った。なんちゃって。
「こんなとこにまでくるお客さんは珍しいね」
神社の神主さんだろうか、穏やかそうだが風格のある人だな。
……どこかで会ったかと思ったけど、気のせいか
「こんにちは、この島に守り神様がいると聞いたのでお参りしようかと」
「これはこれは島の外のお人でしたか、ゆっくりしていくといい」
「ありがとうございます」
神主さんらしき方と軽く挨拶を交わし、僕は本殿へ向かう。
年季の入った広い神社の敷地内を観光しながら、僕は社の内在する本殿へと入る。
お賽銭を入れ、目を瞑りながらお祈りという名の挨拶をし、願い事というよりはただの独り言して自分の思いを漏らす。
(どうか小夜にご加護がありますように、ついでに僕も島で楽しく過ごせますように)
「小夜とはあのカラスの小娘かの?」
今何か聞こえた気がしたが、おそらく自分の思いが原因で幻聴が聞こえたのだろう。
稀によくある事だ。しばらくしてお祈りも念じ終わり目を開ける。
「……」
「小夜とはあのカラスの小娘かの?」
「どぅわあ!」
目を開けるとそこには、煌びやかな毛並みの壮麗な白銀の狐が僕をジーッと見つめていた!
何故か目を丸くして驚いたかのような表情をしているが驚きたいのはこっちだ。
「驚いた、其方、妾が見えるのか、並みの見鬼では見えぬはずなのじゃがのう」
見鬼というのは通常人の目では見る事の出来ないものを見る力だ。
見鬼の才は個人差があるが通常は霊や妖、極まれば精霊や神様等見える者もいる。
そんな事よりまさかこのお方は……。
「御狐様……?」
「いかにも妾がこの島で守り神とされておる空孤・夢幻天じゃ」
「空狐さま……」
「空狐は妖狐の種類じゃ」
「し、失礼しました夢幻天様、ほ、本日はお日柄も良くご尊顔を拝謁できた事、光栄の極みでござ「なんじゃその言葉遣い」
「堅苦しいのは嫌じゃ、普通に話せ、後其方はその名で呼ぶな」
「か、かしこ……分かりました」
僕は見鬼の才能を元々持っている、が、神様が見えた事は今まで一度もない。
こんな神々しい存在にフツーに話しかけられて、内心そこそこにパニックだ。
実際に見えたら神様ってこんなに存在感があるのか……。
僕がパニックになっている間、御狐様は『まさかのぅ……』、『でも魂の気配が、面影が』等と呟いているが。
さてどうしたものか、そういえばなんで小夜を知ってるんだろう……?
「あの、ウチの小夜が何かしでかしましたか?」
「なに、其方より先に妾の元へ挨拶に来たまでよ、木の実を持ってきて『私の主をよろしくお願いいたします』とな。 良い式神じゃ、大事にせえ」
僕が眠ってる間にそんな事までしていたのか、今度ペットフードにササミと果物もつけてあげよう。
「そうですね、小夜は大事な友達なんです」
「ほう……友達とな」
白銀の御狐様は何かを思い出しているのか嬉しそうにニヤリと笑い、エラい事を言い出した。
「やはりお主……ふふ……はははは!気に入った、これから妾が稽古をつけてやろう」
「で、弟子にしてくださるんですか?」
神様の弟子に!?僕は平和に暮らしたいんだが何か厄介事とかないだろうな……。
「弟子ではない、案ずるな面倒事もない、ただ稽古をつけてやるだけじゃ、友としてな」
神様と友達、確かに素敵だがいざ自分が当事者になるとどうしても気後れする。
「素敵な物は素敵なままでよいではないか、遠慮するな」
ていうかこの神様心読んでない?心読んでますよね?yesかnoで答えてね。
「妾とて元はしがない一匹の野生の狐よ、そうかしこまるな、長生きしてるだけじゃ」
ああおっぱい、ぷるんぷるんな、おっぱいぱい、花も乱れる、お乳の舞 キンタマ魂の短歌。
「んー、yes」
「やっぱ心読んでるじゃないですか!なんでずらしたんですか!」
「どうでもいいが結構重症じゃな、お主……」
それから色々話したが御狐様はこの島の事ならある程度どんな事も分かるみたいだ。
ゴッドエネルかよ!
もちろん僕がスタリオンで劣情に苛まれ困ってる事や、麓の民家の主婦が子供に大根をおろさせてる
事までお見通しらしい。
だけど心を読めるのは目の前の人間だけみたいだ。
「して其方、名は何という?」
「夜兎 煌河助月守天道(やと こうがのすけつきもりのてんどう)です」
「は?」
「夜兎 煌河助月守天道(やと こうがのすけつきもりのてんどう)です」
「贅沢な名だねぇ……今からおまえの名は煌河だ」
湯婆婆かな?
「ジブリ映画で一番好きじゃ」
「あ、僕もです」
「まぁそれはそれとして安心せい、色欲まみれのお主にしっかり性欲の制御方法を教えてやるからの、マスターすれば幾分か楽になるはずじゃ」
「それはホントに助かります」
どうやら稽古で劣情をコントロールする方法を教えて貰えるみたいだ、それは助かる。
なんて御狐様と会話していると、先ほど会った神社の神主さんらしき人が本殿に入ってきた。
やはり神主さんらしき人は御狐様が見えるみたいじゃ。
「夢幻天様、話し声が聞こえましたが……おや、君は」
「ど、どーも」
「煌河じゃ、この童なかなか良いものをもっておる」
「ん……こうが? 煌河くんじゃないかぁ!おじさん気が付かなかったよ!」
「え?……おじさん!?」
「なんじゃ知り合いか、ともかく今日から毎日稽古をつけてやるからの、覚悟せい!」
「カァ!」
いつの間に小夜まで! ――――
――――
こうして長期休み明けまで僕は、御狐様に色欲を制御する稽古を付けて貰っていたという訳だ。
稽古の対価はお賽銭の代わりにおいなりさんだ。大好物らしい、おいなりさんが。
「さて、そろそろ良いじゃろう」
お供えのおいなりさんを食べ終えた御狐様は真剣な眼差しで切り出した。
頬にご飯粒ついてますよ可愛いですね。
「お主、妾と式神契約の契りを結べ!」
少し嬉しそうな声色で言う御狐様の頬は心なしか少し赤かった。――――
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