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8. グリーンピースの惨劇 ~一章:開幕~

ご閲覧ありがとうございます!

AIイラストはあくまでイメージとしてお楽しみください

 煌河の転校から二日目、午前中の授業が終わり昼休みを知らせるチャイムが鳴り響く。

 一日目は午前中授業だったが、本日からは普段通り授業が行われている。


 煌河はコンビニで買った、おにぎりとパンを取り出し机に広げる。

 そして袋を開けようとした瞬間。


「あ、おたく1人で食べようとしてる~、こっちでウチらと食べよーよー!」


 煌河はアニメが好きだと周囲に知られてからはときどき『オタク』とも呼ばれるようになった。

 そして陽菜に声を掛けられた煌河が振り向くと、後ろの席で隣同士の陽菜と麗香が机をくっつけていた。

 そこには陽菜と麗香と一緒に千冬と涼音も弁当箱を広げていた。


「い、いいの?」


 誘ってくれたのは有難かったが、女子会に混ざってしまうのも気が引けてしまい控え目に煌河が尋ねる。

 

「遠慮しないでこっちおいでーw」


「お、おう」


 麗香にも言われ、その男子生徒は少し気恥ずかしさを感じながらも椅子を動かし、真後ろの麗香の席へ向き直った。

 そして各々食事を始める。


「な、なんかごめんよ、女子会にオタクが混ざっちゃってさ」


「変な事気にすんなよ~w これからウチらと食べんのきょーせーだかんねw」 


 申し訳なさそうな煌河の姿に、少しばかり頬を緩めつつサバサバした性格の麗香が煌河を慰めた。


「なんなら私もおたくだしねー」


「そそ! ひな達千冬と涼音のおかげでけっこーおたくだから!」


「私は別にオタクじゃないし……」


「またまた~w」


 和気藹々としながら弁当を突き食事を勧めている中、麗香がある事を尋ねる。


「こーがってさ、いつもは弁当作んの??」


「恥ずかしながら作った事ないよ、皆は弁当なんだね」


「そっか、普段作らないんだ」


 麗香は静かに呟き、会話は続いていく。


「れいかはこー見えて家庭的で料理上手なんだよね~!」


「こー見えてってどー見えてんだよーw」


 麗香は姉弟の中で一番最年長なので、下の子達の面倒を良く見ていたためか見た目以上にしっかりしていて家庭的だ。

 料理スキルも高く弁当も自分で作っている。

 そして陽菜の弁当はお姉ちゃんが自分のを作るついでに作ってもらっている。

 千冬は自分で作り、涼音は今日はコンビニ弁当だが普段は幼少期から親しくしている学校の先輩に作って貰っている。


「千冬も自分で作ってんだよねー? ウチも料理はじめよっかなー、ね?涼音w」


「なんで私に振るの」


「好きピの先輩と弁当交換したらいーぢゃ~んw」


「ぷっッ!!」


 いきなりの陽菜の発言に涼音が、口に入れたてのグリーンピースを吹き出した。

 そして、それが煌河の菓子パンの上に乗った。


「だ、だからそんなんじゃないって、あとアンタ!そのパン食べないで!」


「???」


 吹き出したグリーンピースが乗った事に気付いていない煌河は『なんで人の食べ物にストップかけてんだこいつ』と思いつつ、数秒涼音を見つめる。そして


「うん、美味い」


 素知らぬ顔をしてそのパンを口に運んだ。

 

 一部始終見ていた麗香、陽菜、千冬は、煌河がパンをモグモグしてる間、背中をバシバシ叩く涼音をニヨニヨ眺めていた。



――――



 僕は今、山の中にある神社の本殿に続く長い階段を登っている。

 

 その階段を登りながら、僕は今日の事を考えていた。

 長期休暇明けから二日目の本日の放課後、陽菜からカラオケに誘われたが、麗香と涼音は用事があると断った。

 僕も行きたいところがあったので、せっかく誘ってくれて申し訳ないけどと断り解散となった。


 別れ際に、麗香が『明日は食堂案内したげるから一緒に食べよ、弁当買っちゃダメだからね』と言っていた。

 そういえば学園の食堂てどんな風なんだろ、聞けば巨大なレジャー施設のフードコートのように広く昼食時の時間帯以外は学園外の人間も利用可能だそうだ。

 一度行ってみたかったし丁度いいと思いつつ、極大の大蛇が這ったかのような獣道に似つかわしい広く長い階段を一歩一歩進んでゆく。


 階段を登り切った僕は、学生鞄から水を取り出し振り返り、頂上からの景色を眺めながら一服する。

 爽やかな風が心地いい。最初に島に来た時は正直不安しかなかったけど、何とか楽しくやっていけそうだ。

 目を閉じ、色々良くしてくれた方々や、学園の子達、小夜、そして島の守り神の御狐様に感謝する。


 さて、本殿に向かいますか。

 荘厳な社が祭られる年季の入った宮殿の中へ入り、おいなりさんをお供えし感謝の祈りを捧げる。


(わっぱ)、今日のはフルチンで用意してはおらんのだろうな」


 祈りの最中に自然と尊敬の念を抱かせるような神気に満ちたような女性の声が聞こえてきた。

 目を開いたその先には、神々しい存在感を放つ巨大な白銀の妖狐が訝しげな眼差しで僕を見ていた。


挿絵(By みてみん)


「今日のは大丈夫です、いや前のも大丈夫ですよ?衛生的には」


「それくらいは分かっておるわ、飯処にフルチンの従業員がいてみろ、其方はどう思うかの」


 先日犬のうんこ踏んだ後思いました。

 正直すみませんでした。


「ほんとごめんなさい」


「まぁよい、妾は寛大じゃ、其方の感謝も反省も日々伝わっておるからの、水に流してやる」


「お許しいただき恐悦至極にございます」


「なんじゃその言葉遣い、気色悪い」 


 この御狐様は空狐という種類でゆうに1000歳は超えているらしい、その辺りから数えるのをやめたみたいなので正確な年齢は本人にも不明だそうだ。

 聞けば元々は普通の野生の狐だったらしいけどどうやって神様になったんだろう。


 そして御狐様との出会いは僕がこの島に拉致され、美香さんから島の案内をされた翌日。

 予定通り御狐様のお参りへ行った時の話になる。――――


――――

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