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第2話 街を目指そう

 森だな。

 うん、森だ。

 右を見ても左を見ても、見えるのは木、木、木。

 見渡す限り、木しか無い。

 足下(あしもと)には草が()(しげ)り、耳を()ませば鳥の声や風の音だけが聞こえる。

 (まわ)りに人は居ないみたいだし、本当に魔法が使えるのか確かめてみるとするか。

 とりあえず木を一本伐採(ばっさい)してみよう。

 あまり太くない木を選んで指差す。

 意識を集中し…


()れろ!」


 と叫ぶ。

 すると、簡単に木は根本から()れて倒れる。

 おおおお!

 本当に使える!

 木を一本倒しただけだが、とりあえず魔法が使える事が判明したので人の居る所を目指(めざ)そう。

 しかし、その前に準備が必要だな。

 男で生きるのに()きた俺は、計画通りに魔法で身体(からだ)を女の子に変える事にする。

 見た目の年齢は10歳に設定しておこう。

 小さい方が()(わい)らしいだろうから、身長は10歳女児の平均より少し低め…

 130(センチ)にしておくか。

 小さな女の子は何かと得だからな。

 多分…

 だから体重も少し軽め…

 25(キロ)ってトコかな…?

 (よう)姿()も良くしておかなくちゃって事で、美少女設定だ。

 自分に両手を向け、意識を集中。


「身長は130(センチ)、体重は25(キロ)の美少女になれ!」


 と、魔法を使って身体(からだ)を変える。

 うん、鏡が無いから顔形は分からないが、手を見ると明らかに小さくなってるな。

 身長も体重も、見た目10歳の女児としては少し低めで軽めだが、大きい(デカい)より小さい方が()(わい)らしいだろう。

 もしかしたら8歳ぐらいに見られるかも知れないが、良しとしておこう。

 着ていた服もダボダボだ。

 他に服が無いので魔法でサイズを合わせる。

 男物の服だが、ボーイッシュって事で自分を納得させる。

 髪の色は銀髪にしておいた。

 長さは背中程度で良いだろう。

 金髪ロングとかだとありきたりな気がするしな。

 異論は認める。

 瞳はエメラルド・グリーン設定にしておいた。

 やはり青ではありきたりだと思う。

 しかし、ここである事に気付く。

 俺の見た目って、ちょっと浮いてるんじゃ無かろうか?

 この世界の標準的な服なんだろうが、小さな女の子の着てる服が、サイズは合ってるとは言え男物の服で大人っぽい形状ってのはなぁ…

 まぁ、これは俺個人の感覚であり、この世界ではアリなのかも知れないから気にしないでおくか。

 やはり鏡が無いから確認するのは無理だが、とりあえず見た目は美少女(?)になったみたいだし、次は(かん)(じん)の不老不死だな。

 また両手を自分に向けて意識を集中。


「俺の身体(からだ)よ、不老不死になれ!」


 と叫ぶ。

 すると、身体(からだ)が光に(つつ)まれる。

 (あたた)かい光だ。

 その光が身体(からだ)の中に入っていき、やがて消える。

 これで本当に不老不死になったんだろうか?

 ついでと言うか、念の為に「不死身になれ!」とも叫んでおいた。

 また(あたた)かい光に(つつ)まれ、その光が身体(からだ)の中に入っていき、やがて消える。

 やはり不老不死になったんだろうと思う。

 まぁ、何年()っても身体(からだ)が成長しなければ成功って事で自分を納得させる。

 その他の能力は後々(のちのち)()(ずい)させるとして、とりあえず街を目指(めざ)そう。

 たった1人で森の中の生活なんて(さみ)し過ぎるからな。

 森を出れば街道(かいどう)()るだろうと思って適当に歩く。





 ─────────────────





 どれぐらい歩いただろう。

 ようやく森を出る事に成功した。

 思っていたより大きな(でっかい)森だったな…

 運が良い事に、そこそこ広い街道(かいどう)が森の近くに()った。

 ただ、どちらに行けば街が()るのかが(わか)らない。

 困った。

 街道(かいどう)だから(みち)沿()いに進めば何処かの街には着くだろう。

 問題は距離だ。

 街が近い方へ進めば良いが、遠い方へ進んだら日が落ちる前に着けない可能性が高い。

 人が通ってくれれば助かるんだがなぁ…

 てな事を考えてると、ある事に気が付く。

 仮に人が通ろうが街に着こうが、言葉が通じなければ意味が無いんじゃないか?

 なので、この世界のあらゆる(げん)()での会話と読み書きが完璧に出来る様、自身に魔法を掛ける。

 うん、これで大丈夫だな!

 ここでボーッとしてても仕方無いので、意を(けっ)して歩き出す。

 街が近かろうが遠かろうが、進まなければ何も始まらないからな!

 疲れたら自身に回復魔法を掛け、ひたすら歩く。

 とにかく歩く。





 ─────────────────





 …どこまで進んでも街が見えない。

 こりゃ方向を間違えたかな?

 と思っていたら、丘を越えた所で街が見えた。

 ホッとしたが、見える街までの距離を考えると、着く頃には日が沈んでるかな?

 まぁ、仕方無い。

 ファンタジーの世界なら(なん)らかのギルドが()るだろうし、頼んだら寝る場所ぐらいは提供してくれるだろう。

 まさか子供──美少女(?)──を野宿させるなんてマネはしないだろうと思いたい。




 そして、完全に日が沈んだ頃に街に着いたのだった。

男を辞め、女(美少女?)に変身した主人公。

なんとか街には着いたものの、これからどうする?

寝る場所はギルドから提供して貰えるのか?

そして、これからの生活費はどうする?

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― 新着の感想 ―
これはもはや願望実現能力では?不老不死の魔法は転生先の世界の魔法法則?的に存在できるから主人公が使えているって事なんでしょうか
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