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小さな魔法医エリカ ~ほのぼの異世界日記~  作者: タイガー大賀


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第21話 関わらない方が良いと思うのは私だけですか?

 前日の昼、この国の第1王女(ミラーナさん)と衝撃的(?)な出会いをした私は、まだ(じゃっ)(かん)頭が混乱した状態で目を覚ました。

 (さいわ)いな事に今日は休診日。

 窓から遠くに見える山々は()(れい)に色付いており、秋の深まりを感じる。

 2年目を迎えた私の異世界生活も落ち着きを見せ始め……………


 って、違ぁあああああうっ!!!!

 いかん、まだ少し頭が混乱してるらしい。

 私は部屋から出ると急いで2階へと降り、歯を磨いて顔を洗ってから朝食を作る。

 落ち着いて朝食を食べると、ようやく頭の混乱も収まってきた。

 気がする…

 多分…

 それにしてもミラーナ王女って、王女様なのに()(てん)(こう)な人だなぁ…

 それがマークさんの言う『考え方の(そう)()』ってヤツなんだろうか?

 まぁ、そのミラーナ王女の『考え方』ってのが分からないのだが…

 昼にギルドへ行って、マークさんに聞いてみるかな?

 いや、確かミラーナ王女は『明日また来るから』って言ってたな。

 (はち)()わせすると聞きたい事も聞き(づら)い。

 ミリアさんの休みが私と一緒だから、ミリアさんに聞いてみるかな?





 ─────────────────





 ミリアさんの自宅を(おとず)れると、ニコニコ笑顔で迎え入れてくれた。

 そして、ミラーナ王女の事を知ってるか聞くと…


「ミラーナさんの事? 勿論、知ってるわよ♪」


「なんだか嬉しそうですね…」


「そりゃあね♪ だって(こう)()な人と知り合いってだけでテンション上がらない?」


 そんなモンかねぇ…?

 まぁ、何となく(わか)る気がしないでも無いが…

 そのミラーナ王女の事を聞くと、とても王女とは言えない言動・行動のオンパレードだった。



 国王陛下の初めての子供って事で、(でき)(あい)されて育った。

 しかし、2年後に妹の第2王女、更に2年後に第3王女が生まれた。

 国王陛下の愛情の注ぎ方は、自分→第2王女→第3王女の順。


 国王陛下の考えは(わか)る気がする。

 連続して王女ばかりが生まれたのだ。

 この先、王子が生まれない可能性を考えると、第1王女のミラーナ王女に良い婿(むこ)を迎え入れて(あと)()ぎとしなければならない。

 その必要から淑女(レディー)として育てる為、一番愛情を注ぐのは王族としては当然だろう。

 そして、普通の子供なら自分が1番なのを喜ぶのだが、ミラーナ王女の考えは違った。

 自分より幼い方を優先すべきだと考えたのだとか。


 だから国王陛下に対し、愛情の注ぎ方を生まれたばかりの第3王女→第2王女→自分の順にする様に要求したのだと言う。

 更に自分に剣士・魔導師としての教育訓練をする様に要求。

 理由を聞くと、国王の(ちょう)()である自分は、(たと)え自分が国王として父の跡は()がず、国王となる男性を婿(むこ)として迎え入れて王妃になるとしても、国王の血を引く者として(たみ)を守る()(がい)(しめ)さなければ国民の支持は得られないからだと言ったそうだ。


 …なんか、ちょっと感動したぞ。


 感銘(かんめい)を受けた国王陛下は、王都の中でも最高の剣士・(さん)(ぼう)・魔導師を教育係としてミラーナ王女に英才教育を(ほどこ)した。

 しかし、それらは全てミラーナ王女の(おも)(わく)だったそうだ。

 だけど、そもそもミラーナ王女は王族に生まれた事に(きゅう)(くつ)さを感じており、心の中では絵本や物語で読んだ『ハンター』になる事に(あこが)れを(いだ)いていたんだとか…

 それを実現するべく言葉(たく)みに国王陛下を(だま)し、自身がハンターになる為の()(せき)()いていたんだそうだ。

 国王陛下の愛情を自分より妹2人に多く(そそ)ぐ事を提案したのも、自身がハンターになる(さまた)げになる事を少しでも(ふせ)ぐのが目的だったんだとか…


 なんか、幼い頃から王女らしからぬ(さく)(ぼう)(めぐ)らせてるな…


 更には成人を迎えた15歳の誕生日に要求したのが、王族の(ちょっ)(かつ)()であるロザミアの領主となる事。

 ロザミアは別名『ハンターの街』と言われる程にハンターが多い街である事は以前に言った。

 住民の半数以上がハンターの街だ。

 ()(ぼう)な連中が多い街だけに、王女が(おさ)めるには相応(ふさわ)しくないと多くの貴族が反対したが、(なか)ば強引に領主となる事を認めさせたんだとか。

 そのロザミアの領主となる事で自由にロザミアに来る事が可能となり、自身がロザミアに居る間は(あこが)れのハンターとして活動する事が出来るって事らしい。


 普通の人が理解するのは難しいレベルの個性的な王女様だな…


 ロザミアの領主となったミラーナ王女はロザミアを(おとず)れると、()(にん)(あい)(さつ)もそこそこに、自身がハンターとして活動する事を宣言してギルドにハンター登録し、自身に対して『王女と呼ぶな』『普通のハンターとして(せっ)しろ』『この街でハンターとして活動している間、敬語は不要』と通達した。

 さすがに『敬語は不要』は(しん)(とう)しなかった様だ。

 まぁ、普通に考えたら当然だろうけど…

 そもそも誰もが王女と知ってるワケだし、ロザミアの領主として()(にん)しに来たんだし…

 それで『敬語は不要』ってのは無理ってモンだろ…



 ミリアさんが知っている限りの『ミラーナ王女の情報』を聞き、私はミラーナ王女に関わるのは可能な限り()けようと(ちか)ったのだった。

 無理かも知んないけど…

ミラーナ王女には関わらない方が良いと感じたエリカですが、関わらないで済むとは思えませんね。

皆さんはどう感じたでしょう?

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