本編 2
そのあと、寒岬と少し話をしてからわかれた。
次に会うのは来週になるだろう。
何せ、今日は金曜日だからな。
月曜日、入学式の時にできなかった説明を今日するそうだ。
クラスメイトとの顔合わせもするという。
一応言っておくと、この学校は進学校である。
だからまあ、ここに入るのに相当苦労した。
じゃあなんでこの学校にしたかって?
単純な話、中学生の時のの同級生が誰もここを選ばなかったからだ。
あいつらがいなければどこでもよかったんだが、せっかくなら進学校に行こうということでここを選んだ。
この学校の一つの特徴として、1年生でもがんばれば委員長になることができる、と説明された。
もちろん生徒会も例外じゃない。
まあ、有名なやつじゃない限り1年生でなるのは相当厳しいだろう。
頑張ってなったとしても、せいぜい副会長くらいじゃないか?
...なんでこんなことを話してるんだろうか。
ついに頭が狂ったのかも。
体育館での説明会が終わって、今は教室にいる。
自己紹介をするらしい。
そのあとは授業の日程表を配ったり、席替えをしたら今日は解散。
本格的に授業が始まるのは明日からになるそうだ。
自分の番が来るまで耳を塞いで目も閉じようか。
特に意味はない。
クラスメイトが自己紹介を終え、いよいよ俺の番となった。
「街下晃です。よろしく」
クラスメイト全員の自己紹介や日程表を配る作業が終わり、最後に席替えだ。
くじ引きでするみたいだ。
古いが、悪くはない。
細工されていなければ、平等になるはずだ。
初の顔合わせで誰がいるのかも知らないのに、細工をする奴はいるとは思えないし、そもそもあのくじを作ったのは先生だ。
席だが、できれば1列目か2列目がいい。
俺は目が悪いからな。
あとは、一番左だろうが真ん中だろうが一番右だろうがどっちでもいい。
あっ、隣にうるさい奴がいないとありがたい。
くじ引きが終わり、俺の席は1列目の一番左側。
つまり、窓側だ。
外が見れるほうの。
そして隣は...
「昨日振りね、街下君」
「隣は寒岬か...」
「何、不満なの?」
「不満、っていうわけではないんだが、お前の周りがうるさくなりそうだからなぁ」
「大丈夫よ、心配いらないわ。 数日うるさいでしょうけど、すぐに静かになるわ」
「?、そうか。それならいいんだが...改めてよろしく、寒岬」
「ええ、こちらこそよろしく、街下君」
隣は寒岬冷華だった。