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第3話 退屈な授業
教壇に立つ教師が、滑らかに言葉を紡ぎながら、黒板に数式を書き込んでいく。
顔を動かす視線だけ、周囲に向けてみる。
退屈そうな者。
あくびをこらえている者。
船をこいでる者がいた。
他の皆は学校の授業なんて退屈だと思ってるだろう。
でも僕は別にそうとは思わない。
面白みがないと感じるのは、面白い部分を探さないだけ。
どんなに退屈に思えるものだって、それなりの面白みが備わっているのだ。
例えばこの授業の中で、どれだけ担任が口癖の言葉を口にしたのか、とか。
例えば、汗っかきな担任が、こんな暖房もつかない寒い教室の中で、何回ハンカチを取り出したか、とか。
探せばいくらだってある。
授業の内容?
そこに面白みなんてないよ。
カリスマ的な教え方でもないし、真新しい発見があるわけでもない。
至って平凡で、刺激のない、新鮮味の感じられない退屈な授業だし。