表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/80

第五話 最強の敵⑩

今回は短い内容ですが、前の話がとんでもない文字量だったので勘弁してください(血涙)

ガボッ………………


「ふぅ………………ッ」


 戦いを終え、現実世界(彼にとっての非現実世界)へと戻って来た疾風。しかしその顔は、仮想世界へ行く前と全くの別物に成っていたのである。

 何処か満ち足りた様な、悔しい様な、でもやっぱり嬉しい様な、そんな表情が彼の顔を埋めていた。


 ずっと、一人だと思っていたのだ。自分と同じ世界に立ってくれる人間なんてもうこの世に居ないと思っていた。

 だが今日思いもせず出会ったのである、自分と対等に渡り合いそれどころか圧倒してくれる程の天才に。今の自分では勝てないと直感的に悟る程の敵と出会うのは、人間相手では始めての経験であった。


 互いに、一発クリティカルヒットが出れば勝ちの殆ど同じ条件。しかしそれでこれ程までに強いのかと今思い出すだけでも衝撃で胸がバクバクしてくる。


 今まで攻撃を掠っただけでも即死な敵や、ステージ全体に即死攻撃を放って来る敵、攻撃可能なタイミングが一時間に一瞬しか訪れない敵など理不尽の権化が如き相手を数え切れない程倒してきた。

 だがそれらよりも、今日戦ったあの男のまぶたに焼付いた幻影の方が何倍も強く映ったのである。


 今は勝ち方さえ思い付く事が出来ない、少なくとも武井壮とライオン以上には力が離れている状況だ。これがあと数時間、数十時間、数百時間と練習すれば変わるのかは未だ分からない。

 しかし一つ確かなのは、これから暫くぶつかるべき壁には困らないだろうという事。


「レッドバロン……オレはお前を倒すぞ。此れからお前を倒すまで、オレはその為だけに生きるー!! うおおおおおおおおおおおおおお!!」


 寝っ転がったベッドの上で背伸びをする動作に合わせ、オレは久し振りに腹の底から声を出した。


 油を差していない機械の如く成っていた身体の節々が痛む、震え慣れていない声帯が痛む、思い切り振り上げた腕がベッドのヘッドボードにぶつかって痛む。だがその痛みすらも今は心地良かったのだ。

 目標を見付けるだけでこうも変わる物かと、そう我ながら思ったのである。


タンッ


 そしてベッドから跳ねる様に降りた疾風の瞳には、もう嘗ての淀んだ闇はなく煌々とした希望の光に満ちていたのだった。

【質問】

『自分が勧めたゲームでは助けにならなかったと思ったのに10時間以上部屋から出てこない兄を待つ妹の行動を教えてくださいw』


三度の飯よりお寿司さまより後書きのネタを頂きました!! 有り難うございます!!

恐らく今凪咲は何をしているのかという質問でしょうか? 端的に言うと凪咲はもう寝て起きてとっくに仕事へ行ってしまっています。彼らの家庭の生活は基本的に凪咲一人で支えており彼女のやっているお仕事はかなり忙しいのですが、兄のご飯を作ったり家事をする為無理して毎日帰って来ていて睡眠時間は三時間ほど。その為殆ど彼女が家に居る時間は有りません。


疾風と凪咲の兄妹は早くに両親を亡くしている為生活がかなり特殊です。

疾風が1度部屋に入ると数十時間、下手すると丸一日出てこないのが群雲家の普通です。凪咲が家事から収入面まで何から何かまで兄に尽くしきるのが群雲家の普通です。疾風が正午だったり午前2時だったりと狂った時間にお風呂へ入る為湯船が一日中湧かしっぱなしなのも群雲家の普通なのです。



後書きのネタ募集中!! 小説に関する『質問』『提案』何でも良いです、感想に書き込んで頂けると嬉しいです!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 掲示板での視聴者の反応とか書きますか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ