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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第二部、三章、教国編
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二話

ちなみにアリシアが着ているドレスは体のラインが出やすいピッチリとしたワンピースドレスです。

大抵肩は露出しておりスカートの丈は短く脚を大きく露出させています。

アトリーヌ帝国、皇帝の部屋


アイリーンが期待通りの働きをすると確信しているアリシアは楽しげにハミングをしながら、この部屋の扉が開くのを待っている、するとドアが開き、騎士団長マイルズが部屋に入って来た。


「もう来たの?」


「はい、こちらが招待状です」


マイルズはアリシアに招待状を渡す、アリシアは彼からそれを受け取ると封を切り招待状を読み始めた。


「ふふふ、このままではいずれ帝国とその軍門に降っていない国との間で戦争になる、そうなる前に話し合いをしよう、ですって」


招待状を読んで吹き出したアリシアはアルムスにそれを渡す。


「ククク、お前を招き入れた時点で勝負は決まったようなものなのになぁ」


「教国にとって教皇の言葉は絶対、それ即ち、教皇さえ落とせば、教国は私達のものになるって事ですものね」


「そう、だからこそ、これから私自身が教国に入り、教皇を私の下僕にする、そして聖なる力を信仰する聖教を、聖教と言う名はそのままに魔と私の帝国を信仰する邪教に変えてあげるの、ふふそうなれば・・・」


「この世界に邪教信仰が広まり、敵国の中で知らず知らずの内に帝国に与する者が増えて行くと言う訳か」


「そう言う事、これも全て一年後の戦争の為、ふふふ、戦争が始まればきっと楽しい事になるわ」


一年後に起こる事を想像し楽しげにアリシアは笑う。


「それでは行きましょう陛下、教国へ、場所が場所ですので、側近の方々だけではなく、我々騎士団もお供させて下さい」


この世界の影の支配者である教国は言わば敵の総本山だ、その為それ相応の戦力は連れて行っておくべきである、その為マイルズは騎士団から何人かの人員を連れて行く事を進言する。


「ええ、心強いわ、マイルズ」


「陛下の護衛は我々の職務の一つですから、当然の事です」


そう言ってアリシアに胸元に拳を当てる騎士の礼をするマイルズ、アリシアはそんな彼を満足気に見つめる。


「それでは暫しお時間を、連れて行く兵の厳選を致しますので」


「ええ、私は私の飛空艇であなた達を待っているわ」


「はっ!」


マイルズはもう一度騎士の礼をすると部屋から出て行った。


「真面目だなぁ、相変わらず」


「それが彼の良いところよ」


「ふふ、そうね、それではさっきも言った通り、先に飛空艇に向かい、彼らを待ちましょう」


アリシアはまた政務を任せる為、暫し離れるアルムスと時間をかけてキスをしてから、三人の側近を連れて皇帝の部屋から出る、そして飛空艇に乗り込み、騎士団の到着を待つ。




皇帝の飛空艇


騎士団が到着し、エリシアが他の整備士と協力し完璧に整備されたゼウスを搭載した皇帝の飛空艇は、空を行き教国に向かっている、今回は騎士団の者がいる為、キースは機の操縦しておらず操縦技能を持つ騎士が飛空艇を操縦している。


「そう言えば知っておりますか?、陛下、新素材フォトンリウムの噂を」


「なにそれ?、知らないわ」


素材の事はアルムスの教育に無かった為疎いアリシアは、マイルズの言葉を聞き首を傾げる。


「それではお教えします、フォトンリウムはフォトンエネルギーと呼ばれる魔力が集まり液体となった物質を固体化させた物です、なんでも金の聖杯と呼ばれている魔王が使っている剣、エクスカリバーと同等の強度を持つとか」


愛理と何度か斬り結んでおり、その手でエクスカリバーの強固さ(以前の愛理との戦闘後確認してみると、帝国製の最高性能の刀身を使っているのにガンブレードの刃は欠けていた)を体感しているアリシアは、興味深げにマイルズの顔を見る。


「へぇ・・・?、そんな凄い素材、何処が発見したの?」


「これから向かう教国です」


「ほぅ・・・、つまり我々が上手く事を運べば、新素材、フォトンリウムを独占出来ると言う訳か」


「そうなります」


マイルズの話を聞き、アリシアはまた一つ教国を己の物とする価値が出来たと思う、愛理のエクスカリバーと同等の強度を持つ素材で武器には圧倒的な切断力や強度、ファントムには圧倒的な防御力を与える、そうすればもはや帝国の敵などこの世界には居ない、そう考えるアリシアは自然に邪悪に微笑んでいた。


「また悪い顔をしているぞ?、アリシア」


「あら?お姉ちゃん?、いつも言ってるでしょう?、私は悪い女よ?」


「へっ、違いねぇ」


自らを悪い女だと言うアリシアの言葉を聞きキースが頷いた時、突然艦内にアラームが鳴り響いた。


「どうしたの?」


「ドラゴンです!、どうやら鉢合わせてしまったようです!」


「そう」


管制官からの状況を聞いても大して焦っていないアリシアは影から杖を取り出し手に持つ。


「モニターに映し出しなさい、私の行く手を阻む愚か者には天罰を与えなきゃね?」


「は、はい!」


管制官は皇帝に言われた通り慌てた様子でパネルを操作しモニターを出現させ、哀れにもアリシアが乗る飛空艇と鉢合わせてしまったドラゴンの様子を映し出す。


「早速、ご先祖様に教わった魔法を試してみましょうか、ダークノアブラスター」


モニターに映し出されているドラゴンの真上に五重の魔法陣が現れると、魔法陣から強力な闇の魔力が無数に発射された、ドラゴンは次々と降り注ぐ闇の光線にその身を撃ち抜かれて行き、僅か数秒で跡形もなく消滅する。


「ふふ、大した事なかったわね?」


その身から放出していた闇の魔力を抑え、杖を影の中に戻した、初代皇帝との夢の世界での修行の成果を臣下達に見せたアリシアは余裕たっぷりな様子で、この場にいる者達に話しかける。


(これが陛下のお力・・・、間近で見るのはこれが初めてだが、これ程とは・・・、そして後に闇の遺跡を回り更にそのお力を向上させると聞く、実に・・・実に素晴らしい、このお方こそ、この世界を支配するに相応しいお方だ!)


アリシアの強力な魔力をすぐ側で感じたマイルズは、その力の強さに身を震わせる、そしてアリシアに対し強く忠誠を誓うのだった。


「陛下、誠に申し訳ないのですが、この後も同じように飛空艇の防衛をお願いしてもよろしいでしょうか」


「良いわよ、教国に着くまでの間、たっぷりと時間はあるのだし、丁度いい暇潰しだわ」


「狩りは楽しい物だが、魔力を使い過ぎて魔力欠乏症にならないように」


「分かってる」


姉との会話を終えたアリシアは思う存分に力を振るいバトルシア人としての闘争本能を思う増分に満たせる相手である、巨大な魔物が現れるのを楽しげに待つ。



エンジェルズ


帝国の動きを掴めていないメアは仲間達と共に任務を受けながら時間を潰す日々を送っていた、この日も任務を終えレストランで昼食を取っている彼女は、とテレビ画面に映し出された映像に注目する。


「アリシアが教国に!?」


テレビには飛空艇から教国の地にへと降り立ち、彼女を迎え入れる教皇や神官やシスター達と挨拶をするアリシアが映っていた。


「帝国にとって教国は最大の敵の筈です・・・、一体、何の目的でわざわざ敵地に・・・」


「そんなの簡単よ、あの子は教国を自分のものにするつもりなのよ、一年後の戦争で優位に立つ為にね」


「・・・」


グレイは皇帝として着実に戦争の準備を進めている画面に映るアリシアを見て、以前の彼女なら戦争の準備などしなかった筈だと、悲しそうな表情を見せる。


「私達も教国に行こう〜、出来る事がきっとあるよ〜」


「そうだな、何もせずに指を咥えて見ているわけにはいかん」


「はい!、行きましょう!」


メア達はボスに教国に向かうと伝えてから、飛行場に向かい、教国行きの便に乗り教国に向かった。

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