第二部、三章、教国編プロローグ
皇帝の部屋
コツコツコツとヒールを鳴らし白いワンピースドレスを着たアイリーンがアリシアに近付いて来た。
「この服、似合いますか?、お母様?」
「私があげたドレスの方が似合っているわ」
「そうですよねぇ、こんな教国から与えられたこんな服、着たくないです」
「作戦の為だ、我慢しろ」
白いワンピースドレスを脱ぎたいと言うアイリーンをアルムスが嗜める、これよりアイリーンは一度教国に戻る、そして教皇に申し立てをしアリシアを教国に招待すると言う形で侵入させる予定だ、その為には教国の服である白いワンピースドレスを着て貰わないと、教国に疑われてしまう為、アイリーンには我慢して貰わなければならない。
「分かっていますわ、暫くは我慢します」
「ふふ、良い子ね、アイリーン」
「えへへ」
アリシアに良い子だと褒められたアイリーンは頬を染めて喜んだ。
「それでは最初の一手お願いするわね、アイリーン」
「はい」
クルリとアリシアに背を向けたアイリーンは転移し教国に向かって行った、彼女を見送ったアイリーンがかならず上手くやると確信しているアリシアは椅子に座り直すと、肘掛に頬杖を着き邪悪に微笑んだ。




