第二部第二章最終話、ゾフィディアとアリシア
アリシアの夢
「ここは?」
何もない真っ白な空間にアリシアはいた、キョロキョロと周囲を見渡していると、自分と同じ茶色い髪をして目だけが緑色と言う違いがある、自分と瓜二つな黒いドレスを着た女性が立っていた。
「ここはあなたの夢の世界よ、我が子孫よ」
ここはアリシアの夢の世界だと伝えた女性はゆっくりと近付く。
「子孫?」
「分からない?、私はゾフィディア、ゾフィディア・レイティス、あなたの祖先にしてあなたの国の初代皇帝よ」
「!、驚いた、まさか会えるなんて・・・」
アリシアは祖先であるゾフィディアに会えた事に素直に驚く。
「ふふ、仕込んでおいたのよ、あなたも引き継いでいる私の血にね、私の子孫がもう一度皇帝となるのならば、私の精神体と会えるようにと魔法をね」
「とんでもない高位の魔法よ?それ・・・」
血に自身の精神体を組み込むと言う超高位魔法をサラッと言ってのけたゾフィディアに、アリシアは己との力の差を感じずにはいられなかった。
「この程度、大したことはないわ、それに私の血を引くあなたもそのうちこの程度出来るようになる、だってあなたは私の子孫ですもの」
自身有り気に微笑むゾフィディアはアリシアの頬に触れる。
「そう?、私に出来ると思う?、この世界の全てを手に入れ、他の多重世界も全て手に入れる事が・・・?」
「出来るわ、自信を持ちなさい、あなたは私の闇のスタイルの力も引き継いでいる、そして私が作った闇の遺跡の真の役目にも気付いた、必ずあなたは慣れるわ、全てを支配する帝王に」
「あの遺跡、やっぱりご先祖様が作ったんだ」
「ええ、全ては我が血を引き継ぐ者が全てを支配する為に」
祖先が用意してくれた道筋をアリシアは心強く思う。
「さて、それでは剣を取りなさいアリシア、この私、ゾフィディアが直々にあなたが夜に眠るたびにこの夢の世界であなたを鍛えてあげる、そして私の知識も全て伝えましょう、あなたにはなって貰わなきゃね、私を超える最強の皇帝に」
「お願いします、ご先祖様、我が帝国が全てを支配する為に」
「ええ、我が帝国が全てを支配する為に」
この日以降、アリシアは夢の世界で祖先、ゾフィディアの指導を受ける事となる、その結果、アリシアは皇帝として更に強くなって行く、そう全てはアリシアの野望、全ての世界を帝国が支配する為に。




