とある森の中で
滅亡した国アルビオン王国、森
ここはアルビオン王国、アトリーヌ帝国の領地となっている王都から遥か離れた場所にある森の中で、メアリは育ての親と暮らしていた。
そしてこの日はメアリの旅立ちの日であった。
「リオナ、今まで育ててくれて、本当に感謝しています」
メアリは育ててくれた元騎士、義理の母リオナに感謝する。
「お礼なんていいの、それよりも死なないでね・・・」
長い月日を共にしメアリに深い愛情を持っているリオナは娘に死なないでと伝える。
「・・・、それは保証出来ません、私はこれよりアトリーヌ帝国に復讐をするのですから」
「・・・、復讐は何も生まないわ、メアリ、やはりここに残って・・・」
「それ以上言わないで下さい、母さん、もう私の心は決まっています」
「メアリ・・・」
心は決まっているそう言った娘を見て悲しそうに俯くリオナ、王国が滅亡した日、足を矢で撃たれ歩く事が出来ないリオナは旅立つ娘に出来る事はないかと考え、車椅子を動かしてメアリに近付くと抱きしめた。
「ありがとう母さん」
母の愛を感じたメアリは母から離れると一度頭を下げてから旅立つ、利用出来ると聞いたスタイル使いがいると言うエンジェルズに向けて。
この時のメアリはまだ知らない、エンジェルズにいた親友となった少女に利用しようとしていた事を知られて決別され、その少女が復讐を誓った帝国の皇帝となり敵となってしまう事を。




