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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第二部、二章、行方不明の土のスタイル使いを探せ
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二話


走りゴーレムに迫るニア、対するゴーレムは迫る敵に向けて巨大な拳を振り下ろした。


「我が闇の魔力よ、闇の盾となりニアを守れ!、ダークシールド!」


アリシアはゴーレムが腕を振り下ろす先に闇のシールドを配置し、振り下ろされたゴーレムの腕は盾に弾かれ、腕を弾かれたゴーレムは派手に仰け反る。


「ありがとっ!、陛下!」


ニアはゴーレムが次の攻撃をする前にゴーレムの体を駆け上り、弱点であるコアに剣を突き刺そうとする。


「くっ!?、硬い!」


しかしニアの剣はコアに弾かれる、ケイネスはゴーレムの最大の弱点である、コアを強化していたようだ、剣を弾かれゆっくりと地面に向けて落ちていくニアにゴーレムの拳が再び迫る。


「ダークショット!」


アリシアはゴーレムの拳の側面に魔法を撃ち込む、それによりゴーレムの腕が逸れ、ゴーレムにの腕はニアが着地した場所の真横に振り下ろされ、地面に小さなクレーターを作る。


「ニア、ゴーレムの気を引いておきなさい、魔法の準備をするわ」


「了解!」


アリシアの言葉を聞いたニアはゴーレムに近付くとチクチクと斬撃を当てて気を引く、その間にアリシアは身の丈ほどある杖の下側の先端で地面を突き立て魔法陣を開いた。


「重なれ魔法陣よ!、そして最大の攻撃を撃ち出せ!」


アリシアに杖を使っての魔法の行使の仕方を教えた教師は言っていた、魔法陣を使っての魔法は魔法陣を重なれば重ねるほど威力が上がると、アリシアは教師の教えの通り魔法陣を重ねて行き、五重の魔法陣を作り上げ攻撃魔法の準備を終えると、杖の下側の先端を地面から離し、杖を前方に突き出しゴーレムの周りに四つの魔法陣を作り出す。


「闇の鎖よ、敵を拘束しなさい、ダークチェイン!」


四つの魔法陣から闇の鎖が飛び出して来てゴーレムに巻き付き、ゴーレムは拘束され動けなくなる、それを見たニアは鎖を駆け上って再びコアに迫り・・・?。


「カイザースピア!」


闇の魔力を纏わせた剣を突き出した、ニアの攻撃によりコアにヒビが入った。


「今よ!」


「ええ、インフェルノレイ」


アリシアの足元の魔法陣が激しく輝き、突き出された杖の上側の先端から闇色の炎が吹き出し、コアに命中する。


「!?!?!?」


コアに想定以上のダメージを受けたゴーレムはどうにか逃げようともがくが、鎖の拘束は硬く逃げられない、その数秒後、ゴーレムのコアが砕け、インフェルノレイはゴーレムの体を貫通する、コアを失ったゴーレムはただの土にへと戻った。


「やったわね!」


「・・・」


勝利を喜ぶニアを余所に背後に視線を感じたアリシアは、ドレスの裾を揺らしながら振り返るとダークショットを茂みに向けて数発放つ。


「・・・、流石は皇帝、僅かな気配にも気付いたか」


するとガサッと言う音と共に男が真上に飛び出し、靴の下を通るダークショットを避けてから地面に着地した。


「お前がケイネスね?」


「如何にも」


「そう」


現れた男がケイネスだと聞いたアリシアは、先に自身の背後に用意していた魔法陣から鎖を飛ばし、ケイネスに巻き付かせる。


「いきなり拘束とは、余程私を殺したいようだ」


「私がお前を殺したいのは当たり前でしょう?、私はお前のせいで失態を犯したのだから、アトリーヌ帝国の皇帝に失態を犯させた時点で死んで罪を償うべきなの、だから今すぐ死ね」


鎖の魔法陣に新たな魔法陣を重ねたアリシアは、鎖に雷を放たせる。


「グァァァ!?、・・・叫びの演技という物はこれで合っているのだろうか?」


鎖から放たれる雷にケイネスはもがき苦しむが、すぐに叫ぶのをやめケロリとした態度を見せると、ケイネスはただの土となった、またもや偽物であったようだ。


「また偽物!?」


「・・・、つまらない真似を」


ニアは今度のケイネスも偽物であった事に驚く、アリシアは瞳を細め低い声で呟く。


「ククク、俺を追っても無駄だぞ?皇帝よ、何故なら俺はこうして分身体を幾らでも作れる」


どこかから声が聞こえると周囲に無数のケイネスが現れ、アリシアとニアを囲む、同じ顔をした集団に囲まれると言う状況に耐え難い不気味さを感じたニアはアリシアにしがみ付く、ニアに抱き着かれたアリシアは彼女を安心させる為、髪を撫でる。


「あらそうなの?、でもご覧なさい?ケイネス、私はお前の分身など、一度の攻撃で全て壊せる」


タン!と杖で地面を叩くアリシア、すると分身達の上に魔法陣が現れ、そこからレーザーが撃ち出され胸を撃ち抜かれた分身達はあっという間に全滅した。


「ふふふ、いくら増えても無駄よ。こうしてお前の分身を見る度に胸を撃ち抜いてあげる。これ以降もたった一度の攻撃でね。あはは、胸を撃ち抜いた分身の中にもしかしたら本体であるあなたがいるかもしれないけど、戦わずに死ぬと言う無様な死に方をさせちゃったらごめんね?」


「怖い怖い、もし俺が君に見つかった時は、堂々と勝負をしてやろうじゃないか、どうせ俺の勝ちで俺は逃げ切ってみせるがな!」


天から聞こえてくる声はそれ以上は聞こえてこなかった、更なる情報を得る事が出来なさそうだと判断した皇帝と闇の剣士は、一つ目の候補地に向けて再び歩き始める。



一つ目の候補地


一つ目の候補地はケイネスが彼が自身で作った別荘のログハウスだ、アリシアとニアはログハウスの中に入り、ケイネスの姿を探すが見当たらない、ここにはいないようだ。


「・・・」


アリシアの魔法によりログハウスが跡形もなく吹き飛んだ、この後ここに戻って来たとしても建物の中に入れないようにしたのだ、そして地面にも、仕込み、をしている。


「さぁて、行きましょうか、ニア」


「はい」


アリシアとニアは二つ目の候補地に向けて歩き始めた。


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