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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第二部、一章、アクアマールの戦い
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二話、ゼウス起動

客室


「アリシア、奴等は転移魔法を使い谷に向かったようだ」


「そう、予想通りね、流石は未来の私って所かしら」


敵が先に谷に向かったと言うのに全く焦らず指にネイルを塗っているアリシア、色はお気に入りの紅い色だ。


「向かわせた手駒はどうせ彼等に手も足も出ない、だからお姉ちゃん、先に向かってくれるかしら?、例の機体の強さを彼等に見せてあげなさい?」


「良いのか?、あれはお前の機体だろう?」


「良いの、前に見せて貰ったけどお姉ちゃんのファントムパイロットとしての腕は明確に私以上、ならお姉ちゃん用の新型が完成するまでは私のあの子を任せるわ」


アリシアは先代皇帝から引き継ぎ技術部に次世代機の開発を急ぎ行わせている、完成するのは早ければ一ヶ月後だ、同時にエース用の新型も作らせており、それがエリシアやキース、ニアの機体となる予定である。


「感謝します、皇帝陛下」


エリシアはアリシアの前で臣下の礼をしてから背を向け、皇帝用の飛空艇にへと向かって行った。



皇帝用の飛空艇ドック


飛空艇のドックに入ったエリシアは、純白の姿から漆黒の姿に塗り替えられレギルスの面影はあるが悪魔のようなデザインへと装甲が作り変えられた機体の前に立っている。


「さぁ力を貸して貰うぞ、ゼウスよ」


この機体の名はゼウス、YFNL-010レギルスをアリシア好みに改造した機体であり、武装は二本のビームバスターに、二本のビームブレイド、腰部にはレールガン、背部には悪魔の翼のようなデザインのフライトユニットが装備されている、形式番号はYFNL-010-Z。


徹底的なチューンがなされていて 、その性能は元の機体の十倍ほどにまで向上しており、今後完成する新型でも全く追いつかない性能となっている。そして本来のパイロットであるアリシアが搭乗した時にだけ起動する事が出来る特殊システムが搭載されている。


「ゼウス、起動・・・」


ゼウスの起動はギグルスの網膜認証式から、信頼性を求めたアリシアの注文により、帝国の起動キー式に変えられている(キーはUSBメモリのような形)、エリシアがキーを鍵穴に差し込み捻るとエンジンが始動しブォンと言う音と鳴らしてツインアイが光り、ゼウスは起動した。


「フライトユニット起動・・・、出る!」


悪魔の翼が広がるとシュイン!と言う音と共に帆が張られる、皇帝用の飛空艇の外に機体を出したエリシアは機体を飛翔させ、谷に急行する。




ルーヂの谷


「・・・、不穏な空気を感じますね」


アリシアの悪意が目前にまで迫っている事を知らない、水のスタイル使いウォーリーはそれでも不穏な空気を感じており不安気に空を見上げる。


「ウォーリー様!」


そこに使者がやって来た。首相がアリシアに伝えた時間よりかなり早くに彼は到着したが、それは首相の計算であり、伝えていた時間よりもかなり早くウォーリーに到着させる事で、最強の国の皇帝に良い 好?印象を持って貰おうとしていた。


その計算はアリシアの魔眼より下僕とされマットにされている時点で無駄に終わったし、今のアリシアはそんな考えなどすぐに読んでしまうのだが、その考えを読まれた後どうなるかは誰でも想像出来るだろう。


「どうしたのです?」


「て、帝国の新皇帝がやって来て、ウォーリー様を呼び出されました!」


「噂の少女皇帝ですか・・・、行かなければこの国は・・・、分かりました至急向かいましょう、まずはルーヂの谷の外に、くっ!」


その時だ、銃撃の音がし、ウォーリーは慌てて避ける、ウォーリーはなんとか避ける事が出来たが、使者はその体を蜂の巣にされ死に絶える。


「この攻撃は軍の魔法銃・・・、まさか・・・」


嫌な予感を感じるウォーリーの元に十人のアクアマール軍の兵士が現れた。


「やはり・・・、これは首相の側近達・・・、彼等が手駒とされていると言う事は・・・、くっ!、益々早く首都に戻らなくてはいけなくなりましたね!」


ウォーリーは周りの水を操ると目の前の兵士達に向けて差し向ける、すると彼等は水の中に包まれ息が出来なくなり気絶した。


「良し、それでは取り敢えず、谷の外に・・・」


ウォーリーが谷の外に出ようとすると、数人の少年少女が現れた、ウォーリーは身構えるが彼等と共にいる聖女の姿を見て若干警戒を解く、それでも兵士達が皇帝に操られていたと言う前例がある為、完全には警戒を解かない。


「アイリーン様、操られてはいませんよね?」


「安心なさい、私はあの子に操られたりする程ヤワではありませんわ」


「・・・、私の好きな食べ物は?」


「トロピカルハンバーガーの激盛り」


「安心しました、正気のようです」


「「・・・」」


その正気の確認の仕方はなんだ・・・とメア達が呆れる中、ウォーリーは歩き始め状況を聞いて来た。


「それで?、首相は?」


「とても言いにくいのですが、既に皇帝の手駒です・・・」


「そうですか・・・、あなた方は?私の救援に?」


「そうよ、私達の仕事はあなたをこの谷から脱出させる事、先に言っておくけど、この後首都に向かうだなんて言わないでね?、恐らくもう首都はこうしている間にあの子の物となっているわ」


首相を手駒にした時点でアリシアが次に取る行動は、手駒とした首相に会見を開かせ、帝国の属国となると発表させる事であろう。つまり首都は既に敵の陣地、戻るのは得策ではない。


「危険なのは分かっています、それでもこの国は私の国だ、帝国になど渡すわけにはいかない!、私はこの後、首都に戻ります!」


「死にに行くようなもんだぜ?」


「それでもです」


「・・・、分かった私達があなたに手を貸す、首相を正気に戻せば解決出来る話だからね、ただし首相を正気に戻せる方法があるのなら、だよ?」


「それは安心して下さい、私の水の力には浄化の力がある、この力を使えば皇帝の洗脳を解く事が出来るはずです」


そう言って手の上に水を出現させるウォーリー、とても澄んだ水の力を見てメア達は頼りになりそうだと思った。


「それではまずは谷の外へ!」


「そうだね〜」


ウォーリー達が谷の外に向かおうとした時、航空機のジェット音のような音が空に鳴り響く、ウォーリー達が空を見るとそこには・・・。


「黒いファントム・・・」


漆黒の機体、ゼウスが居た。

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