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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第二部、一章、アクアマールの戦い
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第二部、一章、プロローグ、皇帝アリシアの誕生

エンジェルズ、アリシアとメアの部屋


ボスから水のスタイル使いはアクアマール国にいると伝えられた、未来のアリシアとメア達が旅立つ準備をしていた所に、ボスが慌てて部屋に駆け込んできた。


「お前ら!、テレビを見ろ!」


そう言って部屋の中のテレビの電源を入れるボス、すると画面にはアトリーヌ帝国の国旗、漆黒のドラゴンの紋章が映し出されていた、どの画面に変えても同じであり、どうやらアトリーヌ帝国がすべての国の放送をジャックしているようだ。


「早かったわね、もう動いたか・・・」


未来のアリシアが帝国の動きの速さに舌を巻く、頭の中では自分が動かしていた帝国が敵になるとその動きの早さがこれほど厄介なものなのかと考えている。


「始まりました・・・」


何処かの式場が画面に映し出される、未来のアリシアがアトリーヌ城の隣にある巨大ホールよと呟く、そして皇帝が壇上の上に上がった。



アトリーヌ帝国


「誇り高き我がアトリーヌ帝国の臣民よ!、そして愚かな第五十世界の民よ!、私の名はアルムス・アトリーヌ、このアトリーヌ帝国の第五十七代目の皇帝である!」


式場に集まっている臣民や貴族達は皇帝の名乗りを受けて、歓声をあげた。その様子から士気の高さを窺い知ることができる。


「さて、今日、お前達を集め、そして他国の電波を借りさせてもらっているのは、新たな皇帝を紹介する為だ、これより私は皇帝の職務を降り、大臣として新皇帝の補佐をする予定だ、さて、それでは紹介しよう、新皇帝よ!その姿を見せよ!」


バッと式場の入り口にライトが集まり、そこに立つ少女、漆黒のドレスを着た少女がゆっくりと前皇帝の元に近づいて行き、壇上に上がる。


「この者こそ、私の跡を継ぐ者、名はアリシア・レイティス、我が帝国最強の騎士である黒騎士の名を持ち、闇と雷のスタイル使いである!」


アリシアは臣民とビデオカメラに向けて芝居かかった仕草で会釈をする、そしてアルムスの一歩手前に立ち、口を開く。


「臣民達よ、そして他の国に住まう愚かな民達よ、初めまして、私はアリシア・レイティス、第五十八代皇帝となる者よ、私の目的は三つ、一つ目はこの帝国を更に強大な国とする事、二つ目はこの世界を全て帝国の力によって帝国の色に染め上げる事」


「そして三つ目は、多重世界全てを我が物とする事、よ」


アリシアの言葉を聞いた臣民は一瞬、静かになる、しかし次の瞬間に歓声が巻き起こり、臣民達は叫ぶとある言葉を。


「ジークアリシア!」


「ジークアリシア!」


臣民達は新たな皇帝、アリシアの勝利を信じジークアリシアと唱える、それを聞いたアリシアは満足気な表情で腕を広げ、そして再び口を開き喋り始めた。


「ふふふ、待っていなさい?、他の愚かな国々よ、いずれあなた達の国に我が軍勢が襲い掛かるわ、でも安心なさい?、降伏すると言うのなら体制を維持する事は許してあげましょう、ただし一年よ、一年だけ待ってあげるわ、そして一年待って何の返事もしてこない国は・・・」


アリシアはテレビの画面に向けてニヤリと微笑んでから一呼吸溜める、そしてもう一度喋り始めた。


「我が軍勢により蹂躙されることになるでしょうね、お前達の賢明な判断を期待しているわ」


アリシアが最後に嘲笑うかのような表情を見せた後放送は終わった。




所変わって再びアリシアとメアの部屋


テレビは通常放送に戻り、どの局もニュース番組を始め今のアリシアの放送についてのニュースを始めている。


「・・・、笑えるくらい他の国に喧嘩売ってたぞアイツ・・・」


「なんか楽しそうだったね〜」


「・・・確かに」


「こらこら、今の放送はそんな軽い放送じゃないわよ?、つまりもう今の私が次代の皇帝だと発表しても問題ない体制を整えたって事なのだから」


「そうだね、動きが早すぎて、本当に厄介な敵だ・・・」


アリシアと愛理の深刻な表情を見て、メア達は楽しそうなどと言っていたのが恥ずかしくなり俯く。


「急ぎアクアマールに向かいますわ!、帝国が手を打ってくる前に!」


「はい!」


メア達は転移しアクアマールに向かう。



アトリーヌ帝国、皇帝の部屋


式場から皇帝の部屋に入ったアリシアは皇帝の椅子に足を組んで座っている


「良い演説であったぞ、アリシア」


「ありがとう、アルムス」


大臣となったアルムスがアリシアの演説を褒める、皇帝となったアリシアはそれを聞き嬉しさそうな表情を見せた。


「それで?、皇帝陛下?、最初の一手は?」


「メアをゼロの魔力のスタイル使いにする訳にはいかないわ、だからアクアマールに向かう、ふふふ、水のスタイル使いとの会談と言う形でね?」


「フン、会談と言う形ならば、未来のお前とその仲間達は手を出せないと言う事か」


「そう言う事、奴らさえ封じれば帝国の力に怯えきっているアクアマール如きどうとでもなる、でもこれだけじゃ足りないわね、ニア?更に先手を打つわ、あなたは土のスタイル使いの監視をしなさい」


「監視任務は私の特技、任せて、確実にあなたに有用な情報をもたらしてあげる」


「ふふ、頼むわね」


そう言ってニアは土のスタイル使いの元に向かって行った、アリシアはそれを見送ってからキースとエリシアを見る。


「キースとお姉ちゃんは私について来なさい、アルムスは政務をお願いね?」


「分かった」


「了解だ」


「何かあれば私に相談せよ」


「ええ、ありがとう、それでは・・・始めましょうか」


「「はい、皇帝陛下」」


アリシアを皇帝に据え新体制となったアトリーヌ帝国が動き始める、まずはこの世界、いずれは全ての多重世界をその手中とする為に。

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