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セブンススタイル  作者: ブレイブ
プロローグ
6/344

五話

オルビアの町


ここはエンジェルズの前でアリシアとメアはメッシュを待っている。


「おう、待たせたな」


「おっそーい!、九時にここに来てって言ったでしょう!?」


「すまんすまん、寝坊した」


「次からは目覚まし時計をセットして下さいね?」


「分かってーよ、ほら行くぞ」


メッシュは手振りでアリシアとメアについて来るように示す、アリシアとメアは目を合わせて目だけで会話する。


(もしかしていつもこんな感じですか?)


(うん)


「にしてもお前ら本当に似てるなぁ、双子の姉妹なんじゃねーか?」


アリシアとメアが同時に目と目での会話を終えたのと同時に、メッシュは二人は姉妹なんじゃないかとついて聞いて来た。


「違います、昔、戸籍を調べてみた事があるけど、私には兄弟も姉妹もいませんでした」


「私も一人っ子です」


「本当かぁ?、そんなに似てんのに」


「本当です」


「なんだつまんねぇ」(アリシアの方は兄弟も姉妹もいないのは知ってるが、メアの方もか、・・・)


メッシュのこの質問はボスに聞いても教えてくれなかった、メアの正体について探るためである、しかしまだ情報が足りない為、メアの正体は分からない。


「さて、着いたわよ、この路地裏であいつらに出会ったの」


そうしている間に三人は前日アリシアがキースと戦った場所に着いた。


「ふむ、沢山お店がありますね、店員さんに話を聞けば、その内キースと言う男の車が停まっていた場所に辿り着けそうです」


「話を聞くのは俺に任せな、おう!サラ!、赤毛のツンツン頭で男二人を担いだ奴がここを通らなかったか?」


「そいつなら覚えてるよ!、あんなに目立ってたからね!、そこから右に行ったよ!」


「ありがとな!」


キースはとりあえずこの場所から右に向かったようだ、アリシア達は店員達に話を聞きながら、彼の足取りを辿って行く。




「ここか・・・」


アリシア達は店員達の話を聞きながらキースの車が停まっていた場所に辿り着いた、そこは何の変哲も無い駐車場、店員達の話によるとキースの車はここに停まっており、ここから隣町、ルータの町の方に走って行ったと言う。


「ナンバーを見た人がいないのは痛手だったわね、とりあえず、セダンタイプの黒い車だとは分かったけど」


「ナンバーさえ分かっていれば探すのが大分容易になるのですがねぇ」


「まぁ仕方ねぇよ、ボスに報告して、暫く町を離れる事への許可を貰うぞ、それが終わればルータの町に行く」


「了解」


アリシア達は、ボスに町を暫く離れる事への許可を貰いに、エンジェルズに戻って行った。



国道十二号線


アリシアとメアはメッシュが運転するSUV車に乗り、国道十二号線を経由しルータの町にへと移動中だ。


「それでよ?、本当にそのキースって奴の炎をその箱に当てれば良いだけなのか?」


アリシアはメアがボスに預け管理してもらっていた箱を、ボスから受け取り持って来ている、メッシュは本当に箱にキースの炎を当てるだけで良いのか聞いた。


「多分ね、私の時は私の雷を吸うだけで雷のマークの所が光ったから」


「それでダメだったらどうすんだ?」


「捕まえて、無理矢理に炎のマークが光るまで炎を出させ続ける」


「彼等を捕まえるのは確定ですしね、彼等に聞きたい事が沢山ありますし」


「最近のお嬢さん方は怖いねぇ」


アリシアとメアのセリフを聞き、メッシュはヒューと口笛を吹いた。


「さて着いたぜ、ルータの町だ」


話している間にルータの町が近付いて来ていた、ビルが立ち並び発達した町と言った感じのオルビアの町と違い、ルータの町はビルなどは立っておらず、小さな商店や家が立ち並ぶ田舎町と言った感じの町である。


「またいると良いのだけれどね」


「どうかな、いない可能性の方が高いぜ」


「・・・あのー、いました」


「「!?」」


メアが指をさす先そこにはガソリンスタンドがある、そこに黒い車が止まっており、赤毛の男が何やら店員と話している。


「まさかだぜ、車を近付けるぞ!」


「ええ!」


「はい!」


メッシュは車でガソリンスタンドに乗り込んだ。




ルータの町、ガソリンスタンド


「久し振りね!」


「ん?、あぁお前か、なんか用か?」


アリシアは車から降りると早速キースに声をかけた、店員と話していたキースは振り返りアリシアに何か用か聞いてくる。


「用はあるわよ!、このアリシア様ともう一度勝負しなさい!、イテッ!」


キースを指差しいきなり喧嘩を売るアリシアの頭をメッシュがポカッと叩いた。


「全く喧嘩早い奴だ、誰に似たのかねぇ」


(メッシュさんだと思います)


ジトーとメッシュを見つめるメア、その視線を感じるメッシュは何だ?と思いつつもう一度キースに話しかける。


「お前よう?、その車、どうした?」


「パンクしたんだよ、それで直してたって訳さ」


キースの車はパンクをしてしまっていたらしい、その為、この町で足止めされていたようだ。


「そりゃ大変だったな、さて・・・一つ提案だが、このまま俺達と来てくんねーかな?、俺らお前らに聞きたい事があんだよ」


「やだね、何でお前らと一緒に行ってやんねーといけねぇんだ、そこにいるそいつもどうせもう、箱は持ってねぇんだろ?、それならお前にゃもう用はねぇ、それじゃーな」


キース達の目的はメアが持っていた箱でメア自体には用はないらしい、もう敵に狙われてないと知ったメアは、ホッと安心する。


「あら?、持ってるかもしれないし持ってないかもしれないわよ?」


「だなぁ、このまま行っても良いのかねぇ」


「チッ」


キースは見事にそっくりそのままな挑発した顔をしているアリシアやメッシュを見て、舌打ちをする。


「ほらほら、やって見なさいよ、炎を撃ってみなさいな?、今度はこのアリシア様の雷であんたを泣かせてあげるわ」


「おうおう、このアリシアがお前の炎なんて消しちまうからヨォ、へっぽこ炎を早く撃ってみやがれ」


「言ったな?、後悔すんなよ!」


(来た!)


アリシアとメッシュは闇雲に側から見ればチンピラな挑発をしていたわけではないし(挑発行為に一切参加していないメアは、二人に呆れた視線を送っている)、挑発し怒らせたキースに炎を撃たせて箱に当てる為である。


「んっ!」


懐から箱を取り出したアリシアは箱でキースの炎を受け止める。


(どうだ!?)


(光ったわ! )


(やっぱ当てるだけで良いのか!)


箱で炎を防いだアリシアは、キースの炎が収まるまでの間に、今の行為の目的を敵に知らせない為に小声でメッシュに炎のマークが光った事を知らせる、メッシュはそれを聞いてアリシアの肩を叩く。


「なんてもんを防御に使うんだテメェは、まぁマジで持ってたみたいだし?、回収させて貰うぜ!」


「フン」


キースは炎を放つ、それを見たメッシュが前に出て剣で迫る炎を叩き斬った、そしてアリシアがメッシュの陰から飛び出し斬り掛かり、キースは慌ててアリシアの斬撃を炎で防ぐ。


「良い連携じゃねーか」


「メッシュさんとは小さい頃からの仲ですもの、このくらいの連携お手の物よ!」


「おうおう、お前がちいせぇ頃から面倒を見てやった甲斐があるセリフを言いやがって、嬉しいぞ?この野郎!」


アリシアの剣を炎で防ぐキースに、メッシュが横から大剣を振り下ろす、迫る大剣を見たキースは後ろに飛び下がり、斬撃を避けた、そこにメアのビームが迫り、胴体に命中したが威力が弱く貫通はしなかった。


(チッ、ここまで息の合った連携を崩すのは一人じゃ厳しいぜ、退くか)


キースは周囲に目を走らせる、すると部下の男二人が荷物を両手に持って近付いて来ているのが見えた。


「よし!」


キースは自分の車に向けて走り始めた、それを見たアリシアとメアは弾を放つが、キースは全て炎で防ぐ、車に乗り込んだキースはアクセルを踏み込み車を発進させた。


「乗れ!」


「「へ、へい!」」


いきなりキースに車に乗れと言われた二人は慌てて後部座席に乗る、その間にもアリシアとメアの銃弾、そしてメッシュが大剣を掲げ車を叩き斬ろうと迫っていたが遅く、キースは車を発進させた。


「喰らいな!」


キースは去り際にガソリンスタンドに向けて炎を放つ。


「アリシア!、炎を止めろ!、炎を喰らっちまったらスタンドが爆発する!」


「ええ!」


アリシアは雷撃を放ち跳んだ、そして炎の前に来ると、己の身から雷を放ち広範囲に広げて炎を防いだ。


「・・・、逃げられましたね」


「ええ、でも収穫があっただけマシよ」


「炎のスタイル使いの炎を箱に吸収させる事が出来たんだ、もう奴等を追う理由もないな」


「そうね、負けたままなのは悔しいけど・・・」


キースには逃げられたが、炎のスタイル使いの炎を箱に吸収させると言う十分な収穫はあり目的の半分を完遂させたアリシア達は、エンジェルズの本部に戻る。

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