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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第一部、最終章、黒騎士の誕生
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七話、アリシアVSメア

今回はメアも主人公となります。

アリシアも主人公ですが言うならば今章のラスボスです。

アリシアとメアの部屋


メッシュは帝国に向かう前にメアに会いに彼女部屋にやって来ていた。


『よぉ、メア、明日、アリシアに会いに行くんだってな、でもよ、先に俺が向かわせて貰うぜ』


『どう言う意味ですか?』


『責任を取りに行くのさ』


『その責任とはアリシアに殺されると言う事ですか?』


『そうだ』


『駄目です!、そんな事をすればアリシアは更に闇に堕ちてしまいます!』


『そうだな、俺を殺せばあいつは更に闇に堕ちるだろう、だかな俺への憎しみに執着している状態で話なんか聞いてくれると思うか?』


『それは・・・、思いません・・・』


『だろ?、だから俺は責任を取りに行く、安心しな、ここに帰って来るつもりはちゃんとあるからよ、お前から聞いてるからな、仮面を壊せば、アリシアの体は元に戻せるかもしれねぇってな』


『必ず、必ず帰って来て下さい!』


『おう!、でもなもし俺が殺された時は』


メッシュはメアに近付くと肩を叩く。


『アリシアを頼んだぜ』


『はい・・・』


メッシュはメアの肩に触れている手を離し、メアに背を向けると転移魔法で帝国に向かって行った。



アトリーヌ城


巨大な帝国の城をメアはグレイとシメラとアイリーンと共に見上げている、そしてメッシュとの会話を思い出していた。


「・・・メッシュさん、約束通り私が必ずアリシアを救ってみせます、さぁみんな!、行きましょう!」


「おう!」


メアは仲間と共に城の中に入った、そして扉を通った先の巨大な広場に一人の少女が立っているのを見つけた。


「アリシア・・・」


メアは仮面の奥の冷酷な紅い瞳を光らせながらこちらを見据えている、漆黒の衣服に身を包んだ少女の名を呼ぶ。


「ええ、私はアリシアよ?、それがどうかした?」


気楽に話しかけて来るアリシア、しかしその口元はメア達を嘲るかのように笑っている。


「メッシュさんをなんで殺したんだ?、小さい頃から面倒を見てくれた恩人だろ?」


「恩人?、ふっあははは!、アイツのせいでお父さんとお母さんが死んだのに、あのクズが恩人ですって?、ありえないわ!」


かつては恋い焦がれていた相手であるメッシュをクズと言い放つアリシア、それを聞いたメア達は目の前の少女の変わり様を感じ眉を潜める。


「アリシア・・・、メッシュさんはあなたの事を最後まで想っていました、それは自分のせいであなたを独りぼっちにしてしまった罪の意識からだと思います、彼は絶対にあなたの事を愛していてくれました」


「アイツに愛される?、吐き気がするわね」


「・・・、駄目だメア、今のこいつに何を言っても通じねぇよ、話をするのは勝ってからだ」


グレイは今のアリシアと話しても無駄だとメアを諭す、メアはグレイの言葉を聞いて俯いた。


「へぇ?、私に勝つつもりなんだ?、黒騎士の名を継ぐ、偉大なアトリーヌ帝国最強の騎士である私を倒すつもりなんだ?、絶対に無理だと思うわよ?」


「私達は勝つよ〜、だってアリシアは私達の友達だもん〜、友達が辛い時、助けるのが友達でしょ〜」


「はっ、友達?、私にはそんな物一人もいないわ、目の前のアンタ達なんてただの排除すべき敵、さぁ?始めましょう?、楽しい楽しい、殺し合いをねぇ!」


「殺し合いではありません!、あなたを救う為の戦いです!」


アリシアとメア達は同時に走り始め、まずはアリシアとメアが剣を交えた。


「ふぅん、銃を使うのはやめたんだ?」


「はい、あなたに勝つにはこれしかないと思いましたから、ホーリーソード!」


メアは光の剣を発動し、アリシアを無理矢理に押し切る。


「鬱陶しい光ね、胸糞悪い」


闇の魔力を扱うアリシアにとって、メアの光の力は胸糞が悪い、そう感じる力である。


「ふふ、もっと輝かしい光を見せてあげましょう!」


次にメアの光の魔法より更に眩い光をアイリーンがアリシアに向けて放った、アリシアは鬱陶しそうに左手を振るい、闇の魔力を放つと、アイリーンの光の魔法を打ち消した。


「確かに更に鬱陶しいわ、その魔力、それに誰よ?アンタ」


「私は聖女アイリーン、あなたと同じスタイル使いで、光の力を使いますわ!」


「ふぅん、闇のスタイルの真の使い手だった私と対を成す存在ってワケ」


「うふふ、光と闇は対極を成す物、あなたの言う通り私はあなたの対となる存在で間違いありませんわ」


「その対を成す存在にお前はこれから殺されるの、あはっ、嬉しいでしょ?」


エレキバーストを発動させたアリシアはアイリーンに迫ると斬りかかる、しかしアイリーンを守る為立ち塞がったグレイが腕を盾に変化させアリシアの斬撃を止める。


「俺を忘れるんじゃねーぞ?、アリシア、お前の攻撃なんてよぉ、俺が全部止めてやる!」


「守ってくれてありがとうございます!、グレイ!」


アイリーンはグレイの横から手に持つ杖を突き出させると、光のビームを放った、アリシアは後方に下がりながらダークホールを発動させ、光のビームを打ち消す。


「ッ!」


次にメアの魔法が発動した、アリシアが上を見ると巨大なメテオが頭上に現れており、アリシアに向けて落ちて来た、それを見たアリシアは・・・?。


「ダークライジングブレイド」


闇と雷の斬撃を発動させ、一撃にしてメテオを斬り裂き破壊してみせた。


「ハァァ!」


「うぉぉ!」


メテオに集中する事により一瞬だけ出来たアリシアの隙を突き、メアとグレイが全力で斬りかかる。


「フッ」


アリシアはニヤリと微笑むと、立ち上る闇のオーラをビットに変化させ、二人に当てる事で二人の動きを止めた。


「くぅぅぅぅ!」


「くっそぉぉ!」


アリシアのビットを喰らい吹き飛ばされる二人、それを見たシメラとアイリーンは頷き合い魔力でネットを作ると二人を受け止める。


「ネットにぶつかった反動を使って!」


「もう一度アリシアに突っ込んで!」


「はい!」


「おう!」


「・・・」


互いに助け合い協力し合って自分と戦う彼ら、完全にその心が闇に染まりきっているアリシアにとって、それは馬鹿馬鹿しい事にしか見えない。


(何が友情だ、何が信頼だ、そんな物!すぐに無くなる下らない物でしょう!?)


「ダークライジングイリュージョン!」


アリシアは迫るメアとグレイに向けてダークライジングイリュージョンを発動させた、その瞬間に無数にワームホールが発動し、アリシアに迫るメアとグレイを囲む。


「さぁ!踊れ!」


ワームホールから雷のビームや闇の鎖が放たれ、メアとグレイに襲い掛かる。


「鎖は私が!」


「なら私はビームを!」


またしてもシメラとアイリーンがそれぞれ鎖とビームを打ち消しアリシアに迫る二人を守る、アリシアはそれを見て舌打ちをしてから、迫る二人に対応する為、構える。


「ホーリー!」


「アイアン!」


「「ソード!」」


「ダークソード!」


信頼の友情の斬撃と深い憎しみと孤独の斬撃が交わり合う、勝ったのは・・・?。


「あああ!?」


メアとグレイだった、二人に打ち負けたアリシアは地面を転がる、同時にダークライジングイリュージョンを放つワームホールが消滅した。


「なんで・・・、私の方がアンタ達を纏めても圧倒的に力で勝るのになんで!」


「今のあなたには分からないでしょうね、こんなに簡単な事も」


「だな、これが」


「誰かを想い仲間を信じる力だよ、アリシア」


メア達はアリシアを救うためにかアリシアを想って戦っている、それは修行の途中、人を想い信じる心は人を強くすると言う愛理がメア達に教えた言葉だ、メア達は愛理の言葉を信じ、実力以上の力を出しアリシアと戦っている。


「・・・私だって信じていたわ、ボスも生まれ育った国も!、でも!ボスもギグルスも私を兵器としてしか見ていないじゃない!、ボスからお前は兵器だって告げられたあの日、私がどれだけ辛かったか、アンタ達には絶対に分からないわ!」


絶対に分からない、そう言ったアリシアは仮面の奥に見える紅い瞳から涙を流す。


「そうですね、私達にはあなたの気持ちは分かりません、だから独りになろうとせず教えて下さい!、あなたの気持ちを!」


「お前達に私の気持ちを伝えてなんになるって言うの!、それにアンタだって私を利用しようとしていた奴の一人じゃない!、みんな・・・みんな嘘つきじゃない!、私が誰かを信じられなくなったのはアンタ達のせいよ!」


涙を流しながら駆け出しメア達に斬りかかって来るアリシア、アリシアが感じている孤独はアリシアの闇の力を更に強める。


「ハァァァ!」


「くっ!」


メアは斬りかかって来たアリシアの斬撃をギリギリで避ける、漆黒の斬撃はメアが避ける前にいた場所を大きく破壊した。


(なんて力・・・、これがアリシアの闇、アリシアが感じている孤独・・・)


メアに斬撃を避けられたアリシアはゆらりと振り返る、そして剣を構える。


「私にはお姉ちゃんがいればいい、アンタ達なんてもういらないの!、だから私の前から消えて!」


「いいえ消えたりなんてしません!、私はずっと・・・、ずっと、あなたの側にいる!、そう決めましたから!、みんな力を貸して下さい!、この一撃で決めます!」


メアは仲間に力を貸してくれと頼む、それを聞いたグレイ達はメアに全魔力を送る、グレイ達から注がれた魔力をメアはアリシアを救いたいと言う想いを込めて巨大な剣にする。


「ホーリー!」


「ダークライジング!」


「「ブレイカー!」」


同じ顔をした二人の少女は同時に技を放った、強力な二つの技はぶつかり合い、辺りは閃光に包まれた。

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