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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第一部、最終章、黒騎士の誕生
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三話、レギルス強奪

ギグルス国首都、アーシア


ギグルス国の首都、アーシアにやって来た高いビルの上に立つアリシアはこの首都に生きる人々を冷たい瞳で見下ろす。


「・・・」


幸せに生きる者たち、この先も平穏な日々を過ごすのだろう、自分はいずれ戦争が起これば兵器として利用されていたのに。


「ふふ、この国もエンジェルズもメッシュもこの私がみんな壊してあげる、楽しみにしていなさい」


アリシアはそう言い残すと任務を遂行する為、姉が先に向かっている軍基地に向かった。



エンジェルズ


メアリとグレイとシメラは愛理に言われた通りにまずは筋トレをしていた、そこに愛理がやって来た。


「メアリちゃん!、アリシアちゃんがこの基地の首都に現れたよ、どうする?行く?」


「!、行きます!」


「良し!ついて来な!、ただし戦っちゃ駄目だよ!」


「はい!」


メアリ達はアリシアに会う為、愛理と共に首都に向けて転移した。




軍基地


アリシアとはその姿から帝国の黒騎士だと認識され、軍の兵士やファントムからの本気の攻撃を受けていた、しかしダークホールを使い全ての攻撃を闇の空間にへと消し去り悠々と目的地に向けてエリシアと共に歩みを進めている。


「こ、攻撃が一切通じません!、接近戦を仕掛けましょう!」


「駄目だ!、歴代の帝国の黒騎士と呼ばれる者の本質は接近戦だと言われている!、近付けば問答無用で殺されるぞ」


(流石、首都駐留の軍人ってだけはあるわね、そう私に近付けば負け、そして近付かなくても負け、だってレギルスを手に入れればその時点で私の勝ちですもの)


アリシアは接近して来ないのなら攻撃を仕掛けるつもりはない、その理由はまだ帝国とギグルスは戦争をしていないからだ、そしてアリシアには戦力差を考えてこの戦いの後もギグルスは戦争を仕掛けてこないだろうと理解している。


「つまらなさそうだな、アリシア」


「当然じゃない、せっかく手に入れたこの力を思う存分に使いたいのに、奴等は近付いて来てくれないのですもの、こんなのつまらないわ」


「ふふ、戦争をしているのならば思いっきりお前の力を奴等に奮ってやれるのだがな、仕方ないさ」


エリシアが拗ねるアリシアの肩を叩く、アリシアは嬉しそうな顔で姉の手に触れると、姉と共にレギルスが格納されている格納庫に入った。


「・・・、アリシアちゃんね?」


格納庫に入るとアンナがいた、銃をこちらに向けている。


「ええ、私だけど?、それがどうかした?」


アリシアは仮面を外しアンナの己の顔を見せる、アンナはアリシアの目を見て、これが以前会った少女と同じ存在なのか?と疑問に思う、その理由は瞳の色も違うが、その瞳は強い憎しみに染まっており、以前までの温和な瞳ではなくなっていたからだ。


「ここに何をしに来たの?」


「レギルスを頂きに来たの、その機体は帝国にこそ相応しい機体だわ、後、アンナさんも一緒に来て?、帝国は優秀な人材は幾らでも欲しているの」


アリシアは魔眼に魔力を込めてアンナを見る、嫌な予感がしたアンナは慌ててアリシアの目から視線を逸らした。


「あら残念、私のお人形さんにして、帝国の為に働かせてあげようと思ったのに」


「!、人を操ろうだなんて・・・、以前のあなたならそんな事をしようとも思わなかった筈よ!」


「そうね、以前の私ならね、でも今の私は帝国の為になんだってするわ、だってそれが皇帝陛下の騎士、黒騎士ですもの」


そう言ってアリシアは地面を蹴ると一瞬でアンナに迫った、そしてアンナの顔を覗き込み目を合わせようとしたが、真横に現れた気配を感じそちらを見る、そこには愛理達がいた。


(なんて禍々しい力・・・)


アリシアの魔力を感じた愛理は眉を潜める、メアリ達はアリシアに近付いていく。


「アリシア、その姿は?」


「黒騎士と言えば分かるかしら?」


「聞いた事があるよ〜、黒騎士って闇のスタイル使いの事だって、それじゃ今のアリシアちゃんって・・・」


シメラの言葉を聞いたアリシアは怪しく微笑むと、腕を広げ現在の自分の姿を彼等が見やすいようにする、そして話し始めた。


「そうよ、シメラ、私は黒騎士アリシア、闇と雷のスタイル使い、アトリーヌ帝国最強の、兵器、にして皇帝陛下の騎士よ」


アリシアはメアリの顔を見て兵器と言う言葉を強調した。


「アリシア、あなたはこれから何をするつもりなの?」


愛理はアリシアにその目的を尋ねた。


「勿論、憎くて憎くて仕方がないこの国とエンジェルズに復讐をするわ、簡単に言うと皆殺しね、あっ師匠は安心してね、だって特に恨みはないもの、今も尊敬してるよ」


そう言って愛理に以前と変わらぬ温和な表情を見せたアリシア、これは嘘偽りのない本心である、自分で言った通り恨みは特にないどころか鍛えて強くしてくれた存在だ、愛理に対しての悪感情などない。


「それとさ、アンタも邪魔をしないのなら生かしてあげる、嫌いだけど恨みは特にないしね、感謝してよね?、王女様」


「それならあなたは私を殺さなくてはいけませんね、私は何としてでもあなたを止めますし、あなたの闇に堕ちた心も救ってみせますから!」


「あぁ、なんだって俺達はお前の友達だからな」


「そうだよ〜、絶対に元の優しいアリシアに戻してあげるからね〜」


「ハッ、もう優しい私なんてもうどこにもいないのに、無駄な努力ご苦労様」


自分を闇から救うと言うメアリ達の言葉を聞いて嘲笑うかのような表情を見せたアリシアは、メアリ達の隣を通り過ぎレギルスの元に向かおうとする。


「今のあなたに奪われるくらいなら!」


アンナはリモコンを取り出しレギルスを爆破しようとしたが、アリシアはエレキバーストを使い一瞬でアンナからリモコンを奪ってみせた。


「これから私の機体になる子を爆破なんてさせると思う?」


「くっ!」


「それじゃ頂いて行くわね」


雷でリモコンをショートさせてから地面に投げ捨てたアリシアは、レギルスに乗り込んだ、そして起動させる。


「お姉ちゃん、乗って」


アリシアはレギルスを動かしエリシアに近付くと左手を差し出した、エリシアはレギルスの左手に飛び乗る。


「それじゃまたね?みんな、出来れば戦場で会いたいわね、だって心置きなく殺せるもの」


「ええ、また会いましょう、アリシア」


アリシアは転移をしレギルスと共に帝国に帰って行った。


「愛理さん、私に剣を教えて下さい、アリシアと戦う為には必要ですから」


「分かった、一流の剣士にしてあげる」


「ありがとうございます」


メアリはアリシアから剣を教わると決めた、闇に堕ちてしまった少女の心を救う為に。

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