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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第一部、最終章、黒騎士の誕生
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二話、闇と雷のスタイル使いアリシアの力

エリシアの部屋


アリシアは与えられた自分の部屋ではなくエリシアの部屋で眠っている。


「また泣いているのか?アリシア」


「・・・」


朝、エリシアが目を覚ますとアリシアが膝を抱えて泣いていた、それを見た姉は妹を背後から優しく抱きしめる。


「何があっても私だけは側にいる」


「うん・・・」


姉の優しい言葉、それでもアリシアの涙は止まらず、黒騎士となった少女は姉の胸の中で泣き続けた。




皇帝の部屋


眠る時は顔に付けていなかった仮面を顔に付け、魔法で作った服を着たアリシアはヒールの音を鳴らしながら皇帝の部屋に入って来た、皇帝はまだ部屋にいない。


「ふふふ、黒騎士になったあなた、とても綺麗よ」


「ありがとう」


「これから頼りにしているわ、真の黒騎士さん?」


「こちらこそ、アトリーヌ帝国のプリンセスの強さはこの黒騎士の力だけではないのでしょう?、いつか見せてね」


「ええ」


アリシアとニアが会話を終えるとキースがアリシアに近付いてきた。


「よう、お前が仲間になるだなんて思ってなかったし、闇のスタイル使いで黒騎士だったとは思ってもいなかったから素直に驚いてはいるが、これからよろしくな」


「よろしく」


敵に対しては冷酷だが味方に対しては情の熱い男であるキースは、アリシアに手を差し出してくる、アリシアはその手を取り握手をした。


「ふふ、私達には自己紹介などいらんな?、アリシア」


「うん」


「さぁ、陛下がお越しになられたぞ」


皇帝が部屋に入って来た、ニア、キース、エリシアは頭を下げ、彼の騎士であるアリシアは小さく彼に礼をすると、皇帝の椅子に座る彼の隣に立つ。


「さて、我が黒騎士アリシアよ、お前に初の仕事をやる、この帝都で反乱分子の集会が行われる、さて、お前は何をすればよいか分かるな?」


「ふふふ、逆らう者は全員殺すそれがこの帝国のやり方でしょう?、なら私もそのやり方に従い、反乱分子共を全員抹殺してみせますわ、陛下」


「それでこそ我が騎士だ、任せたぞ」


「はい」


アリシアは皇帝に恭しく頭を下げると、背を向けヒールの音を鳴らしながら部屋から出て行った。



エンジェルズ、メアの部屋


部屋の主の片方がいなくなった部屋に愛理がやって来ていた。


「メア、いいえ、メアリ、あなたはどうしたい?」


メアリから何があったのかを全て聞いた愛理は、泣き腫らした目のメアリにどうしたいのか質問する。


「私は確かにアリシアを利用しようとしていました、それは事実です、でも私は本当にアリシアの事を友だと思っています」


「うん」


「だから、帝国にいるアリシアにもう一度会いに行きます、それがアリシアの心を傷付けてしまった私の役目です、逃げるわけにはいきません」


「分かった、帝国に行こう、でも今すぐじゃない、昨日ね?、帝国の帝都に強力な闇の魔力が観測されたの、誰だと思う?」


メアリは愛理のこの言葉で理解する、アリシアは既に帝国の兵器となってしまっているのだと。


「アリシアですよね・・・?」


「うん、雷のスタイル使いの魔力も含まれていたからほぼ確定だ、観測された魔力量を見ても今のアリシアは物凄く強い、今のあなた達では手も足も出ない程にね」


「愛理さんならどうなのですか?、勝てますか?」


「私なら勝てるよ、でもそれじゃ意味はない、あの子にとって私はまだ出会ったばかりの赤の他人だ、まだ私じゃあの子の心は救えないの、だからあなた達が行ってアリシアに勝って話をする必要がある、その為には一人で今のアリシアに勝てとは言わない、せめて三人で互角に戦えるくらいにならなきゃね?」


「なります!、私達を鍛えて下さい!」


「喜んで」


こうしてメアリはアリシアを救う為に愛理の弟子となった、果たしてメアリは既に黒騎士となっているアリシアを取り戻す事は出来るのだろうか?。




集会場


後に反乱軍を作る予定の男達が、集会を開き兵器や人員をどう集めるかの話をしている、黒騎士、アリシアは集会場の建物の窓のそばに立ち、敵の数を確認する。


「敵の数は二十人くらいか、ふふ、腕試しには丁度良いわね」


そう言ってエレキバーストを発動させスピードを上げるアリシア、窓を突き破り集会場に突入すると、驚く内部の男達を上から冷たい瞳で見下ろしながら地面に降り立ち、近くの男に抱き着き瞳に魔力を込めながら目を合わせた。


「私に血を捧げなさい」


「・・・はい」


吸血鬼真祖が持つ強力な魔眼を見て傀儡のようになった男は、自ら首元を差し出す、アリシアはその首に牙を食い込ませ血を吸い始めた。


「その仮面、黒騎士か・・・、仲間を殺させはせんぞ!」


反乱軍を作る予定の彼らにとって黒騎士であるアリシアは最大の敵だ、目の前に現れた一刻も早く討つべき敵に彼等は武器を抜いて斬りかかる。


「ふふふ、ダークビット」


血を吸いながらアリシアは魔力を解放し指を鳴らす。するとアリシアの体から湧き出る魔力が小さな弾丸にへと変化し、迫って来る男達の心臓を正確に撃ち抜いた。心臓を失った五人の男達は息絶え地面に倒れる。


「一瞬で五人も・・・、流石は黒騎士と言ったところか・・・」


「いいえ?、六人よ?」


そう言ってアリシアは血を吸い尽くし生き絶えた男をゴミのように投げ捨てる、血を吸い尽くされ見るも無残なミイラのような姿になった彼は仲間の足元に降り立ち仲間に悲惨な姿を見せ付けた。


「貴様ぁぁ!」


悲惨な殺され方をした仲間を見て怒り狂った十四人の男達は一斉にアリシアに斬りかかる、それを見て邪悪な笑みを見せたアリシアは、帝国製の超高性能の赤黒い刀身となったガンブレードを引き抜き、まず一人目の首を斬り飛ばした。


「くっ!?、囲め!」


たった一撃で首を軽く斬り飛ばした黒騎士を見て、リーダーらしき男はアリシアを囲むよう命令をする。男達は命令通りアリシアを囲むが・・・?


「あはっ」


今度は漆黒の雷をその身から放つアリシアは周囲に向けて雷を放ち、雷が直撃した者は一撃で消し炭になってしまった。


「一撃で人を消し炭に・・・、に、逃げろ!」


ようやく力の差を理解した彼等は逃げ出そうとするが、今のアリシアは獲物を逃すつもりなど毛頭ない。


「師匠?、技を完成度を上げる為に努力なんてする必要はないわ、だって私、そんな事をしなくてももう強いもの、ダークライジングマグナム」


アリシアは逃げる獲物に向けてダークライジングマグナムを放った。迫る強力な闇の雷撃の攻撃に彼等は必死に逃げ切ろうとしたが逃げ切れず。

一人だけを残して全滅した。


「ひっ、ひぃぃ!」


一人だけ生き残った彼は尻餅を着き後退りをする、アリシアはそれを見てニヤリと笑みを見せると、わざと時間をかけて彼に近付いた。


「ねぇ、あなたも私に血をくれる?」


怯える彼に抱き着き彼の胸部に自分の胸を押し付けたアリシアは、彼の耳元で囁いた。


「い、いやだ!、どうせ吸い尽くすのだろう!?、断る!」


「ふふ、あなたに選択肢なんてないの、だって人間は私に血を捧げるだけの餌ですもの」


もうこの時にはアリシアには人間は餌にしか見えていなかった、紅く目を光らせるアリシアは彼の首元に牙を突き立て血を吸い始め、数分で血を吸い尽くした。


「ご馳走さま、中々美味しかったわ」


二人分の血を吸い尽くし満足の行く食事が出来たアリシアは、任務を終えた事を皇帝に知らせる為、この場を後にし城に戻って行った。




帝都、城


「反乱分子の抹殺を完了致しました、陛下」


「よくやった」


皇帝は、仮面の奥に見えるアリシアの紅い瞳を見て怪しく笑う、既に強力な力を持つこの少女は血を吸えば吸うほどに更に強くなる、そしてアリシアが強くなればなるほど帝国は戦力を増す、そうなれば全ての世界を自分の手中に収めるのは容易になるだろう、だから皇帝は笑うのだ。


「さて、アリシア次の任務を与える、ギグルスの試作機、レギルスを強奪せよ」


「レギルスを?」


「うむ、我が帝国が唯一劣るのはファントムの技術だ。しかしあの機体を手に入れ解析をしその技術力を取り込めば容易に上回れる。解析し得た技術を使い新型機の量産をすれば・・・」


「あはっ、この世界は間違いなく陛下の物になるわ」


皇帝の言葉を聞き頬を赤く染めながら微笑んだアリシアは彼の腕に抱き着く。


「うむ、それではギグルスに向かってくれるな?、我が騎士よ」


皇帝はアリシアの髪を撫でながらギグルスに向かってくれるか聞く。


「はい、手に入れてすぐに戻ってきます」


「頼んだぞ、解析を終えればレギルスはお前の機体として改造させよう」


「レギルスを!ありがとうございます!陛下!お姉ちゃん!付いて来て!」


「ああ!」


レギルスが自分の物になる、そう聞いたアリシアは嬉しそうに微笑み、姉と共にギグルス国に向けて転移して行った。

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