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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第一部、四章、対デッドスカル抗争編
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十話、アリシアVSドォーズ

オルビナの町


青い雷を放つアリシアはドォーズに迫る、ドォーズは懐に入り込んだアリシアに右拳を振り下ろすが、アリシアは左腕でパンチを放ち、ドォーズの右拳を一撃で砕いた。


「グァァ!?」


たかが小娘に拳をしかも一撃で潰されるとは思っていなかったドォーズは拳を抑え悲鳴を上げる、スタイルバーストを発動させているためか、興奮状態となっているアリシアは、今の攻撃だけで終わりにせず、真上に飛び上がるとドォーズの顔を蹴り飛ばす、アリシアに蹴り飛ばされたドォーズは地面を転がる。


「・・・、お前、その目・・・」


転がる体をなんとか止めたドォーズは顔を上げた当初は怒りの形相だったが、アリシアの目を見てその顔に笑みを見せた。


「ククク、クハハハハハ!、そうか!、お前があのお方が言っていた、夜の王か!」


「はぁ?、私が夜の王?、何を言ってるのよ?、それにあのお方って誰よ?」


「なぁにいずれ分かる、お前の正体も、あのお方の事もな、既にあのお方の使いの者はこの国に潜んでいるからなぁ!」


そう言って激しい咆哮を上げるドォーズ、その身から赤いオーラが発せられた。


「アォォォン!、どうだ?、これが俺のとっておきだ」


ドォーズが発動させたのは歳を重ね修練を積んだ狼人間ならば使える秘術狼月拳だ、全身から赤いオーラを放ち、身体能力を何倍にも増幅させる技である。


「凄い力・・・、でも勝ってみせる!」


剣を構えドォーズに斬りかかるアリシア、狼月拳を発動させているドォーズはその鋭い斬撃を余裕で避け、アリシアの腹に膝を喰い込ませた。


「くぅぅ!、ッアア!」


腹に生じた痛みに気合いで耐えたアリシアは、地面に落ちつつも剣を下から振り上げ、ドォーズの右腕を斬り飛ばす。


「ウガァ!」


腕を斬り飛ばされても怯まないドォーズは地面に着地したばかりのアリシアに全力の蹴りを放つ、それに反応したアリシアは左腕で蹴りをガードしたが、ドォーズの蹴りが強すぎてガードしきれず腕が折れる。


「ううう!、まだぁ!」


全身に走る痛みに耐えつつアリシアはその場で突きを放つがドォーズのリーチの方が長い、顔に彼の全力のパンチを喰らい、地面に倒れた。


「クハハ!、そんなもんか!小娘!、スタイルバーストを発動させている癖によぉ!」


ドォーズは地面に倒れたアリシアに近付き、何度も踏み付ける、その度にアリシアの服が破れていき、血が流れて行く。


(痛い、凄く痛い・・・、でも私には、まだ力が残ってる!)


その場で転がり天を仰ぐ形になったアリシアは振り下ろされて来るドォーズの足を剣で受け止めた。


「ほぅ?、受け止めたか、ならばこのまま踏み潰してやろう!」


ドォーズは足を剣で受け止めたアリシアを嘲笑いながらどんどんと力を込め押し潰そうとする。


「ライジングブレイド!」


対するアリシアは押し返す為に技を発動させ、無理矢理にドォーズを押し切った。


「グォォ!?」


アリシアに押し切られたドォーズはダメージはないが真上に打ち上げられた、そして自由落下を始める、その間に立ち上がっていたアリシアは、腰を低くししっかりと両足で踏ん張ると剣を構える。


「あなたがとっておきなら私もとっておきを見せて上げる、行くわよ!、ライジングストライカー!」


激しく雷を放ちながら真上に飛び上がったアリシアは背後に雷を放つ事で推進力にし、更に己を加速させると、ドォーズに強力な突き攻撃を当てた、ライジングストライカーを喰らったドォーズは更に天にへと高く吹き飛ばされ、地面に叩き付けられ気絶した。


「嘘だろ・・・、ボスが・・・」


「負けた・・・」


ドォーズが負けた様子を見ていたデッドスカルの構成員達は戦意を喪失し、組織間連合に降参を示す為、次々と武器を地面に落として行く。


組織間連合とデッドスカルの戦いは、アリシアの勝利と同時に終焉を迎えた。




組織間連合の勝利から一時間後、降参したデッドスカルの構成員達を運ぶ為に軍が車を走らせ次々とオルビナの町にやって来ては離れて行っている、彼等はこれより刑務所に送られ数年間服役される事になるだろう。


「んっ・・・」


「おはよ、メア」


「おはようございます、・・・、終わったのですね、ならドォーズに勝ったのですか?」


「うん、何とかね」


目覚めたメアにアリシアは笑いかける、するとメアも微笑み返す。


「その腕、また無茶をしたんですね」


「この程度大したことはないわ、治療魔法をかけて貰えばすぐに治るもの」


「そう言うことじゃありません、無茶をしすぎて死んでしまったらどうする、って意味です」


「大丈夫よ、メア、この私、アリシア様は守りたい人がいる限り死んだりなんてしない、絶対にね」


そう言ってはにかむアリシア、メアはそんなアリシアを見て呆れた表情を見せ、その頬を抓る。


「あなたが大馬鹿だと言う事も分かりました、そしてそんなあなたの隣で一緒に戦いたいそう思う私も大馬鹿です、私をこんな風にしたのはあなた何ですから絶対に責任を取ってくださいね?」


「取るよ、取るに決まってるじゃん、だって私はあなたの親友だもん!」


「ふふふ、聞きましたからね?、やっぱなしとか言わないで下さいよ?」


「そんな事、言わないわよ」


「本当ですかぁ?」


同じ顔の少女はお互いの顔を見ながら楽しく笑い合う。


(!、・・・?、気のせいでしょうか?)


アリシアと笑い合うメアはアリシアの目が紅く染まったような気がした、しかし次の瞬間には元に戻っており気のせいかと思いつつもアリシアの目をジロジロと見る、何故目をジロジロと見られるのか分からないアリシアは首を傾げた。


「おう!、そこの二人、動けるなら手伝え!、俺らが起こした戦闘で町がこんなにボロボロになっちまったからよ!、俺らで直すことになった!、手伝え!」


「はーい!、さぁメアもう一仕事よ」


「・・・、はい!、頑張りましょう!」


この後、組織間連合としての最後の仕事、オルビナの町の修復が始まり、ファントムや魔法、そして大量の人員を用いて、組織間連合は町を僅か一ヶ月で復興させてみせるのだった。


第一部、四章、対デッドスカル抗争編、完

次回からは第一部、五章、三人目のスタイル使い編となります。

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