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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第一部、四章、対デッドスカル抗争編
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八話

オルビナの町


ここはデッドスカル本部があるオルビナの町、これより組織間連合による、デッドスカル本部侵攻作戦が行われようとしている。


この戦いに決着を付ける戦いに参加するアリシアは、前回はボスに残れと言われたが、今回は組織間連合的にも各組織の全ての戦力を用いたいので、メアはギルスのコクピットに乗っている、同様にシメラはグレイのミウラのコクピットに乗っている。


「それでは進軍を開始しなさい」


アミラーゼの声を聞き、ファントム部隊と歩兵部隊がオルビナの町を進みデッドスカル本部に向かって行く、住民は町で戦いが行われる事を知り既に逃げ出している。


「来た!」


「はい!」


『回避です!』


グレイのミウラとメッシュのミウラと共に町中を進んでいると、敵のジームが現れ、ビームスプレーガンを放って来る、それを見たアリシアは盾で弾を防ぎながら走りジームに迫ると斬り伏せる。


「ふぅ・・・、町での戦闘は遮蔽物が多くてどこから攻撃が来るか分からないから緊張するわね」


「おう、だから油断するなよ」


「うん」


再び町中を進み始めると、ピビッとアラーム、アリシアが音をした方を見ると、一機のアミールが佇んでいた。


『待っていたぞ、新型』


「こっちこそ会いたかったわ、二人とも邪魔しないでね!」


数日前に敗北をしたアミールを見つけたアリシアはギルスをオルジのアミールに向けて走らせる。


「速いがしかし!」


迫るギルスを見て、オルジは別の路地に向けて機体をジャンプさせた。


「何!?」


しかしアリシアは操縦桿を手前に引き、ズズズとアスファルトをめくり上がらせながらギルスを停止させた、そしてまた足が地面に着いておらず隙が出来ているアミールに左手に持つビームライフルからビームを放つ。


「チッ!」


オルジはスラスターを吹かし無理矢理にビームを左に避けた、その結果機体が派手に建物と接触する。


「はぁぁ!」


機体が建物と接触した事により隙が出来たアミールにギルスが迫る、振り下ろされたビームサーベルは慌てて建物から離れ後退しようとしていたアミールの左腕を斬り飛ばす。


「チィィ!」


左腕を失ったオルジは腕を斬り飛ばした勢いそのままに迫って来るギルスに向けてダガーを投げる。そのあまりの速度に防御に使ったギルスの盾が吹き飛ばされる。


「ッ!」


盾が吹き飛ばされても止まらないアリシアはビームサーベルを下から振るわせる、アミールはサーベルをギリギリで避け、機体をしゃがませると左手が持っていたダガーを拾い、ギルスの顔に向けて蹴りを放つ。


「良いぞアリシア」


しかしアミールの蹴りはギルスの左腕に防がれていた、アリシアはグレイからの教えを覚えており、顔を確実に守ったのだ、そして防御した足を払うと、左腕でアミールの顔を殴り付ける、その瞬間、アミールのコクピット内のモニターの画像が乱れ、視界がほぼ失われた。


「くそぉ!」


乱れるモニターには迫るギルスが映っている、オルジは腕から銃弾を放ち近付けさせまいとするが、アリシアは被弾を気にせず、距離を詰めアミールのコクピットにサーベルを突き刺した。


「はぁはぁ・・・」


『敵機、機能停止、やりましたね、オーナー』


「ええ」


一度敗北した相手に勝つ事は勝ったのだが、これは人殺しだ、素直に喜べないアリシアは浮かない表情を見せ、戦闘を見守っていたグレイとメッシュの元に向かおうとする、その時だ。


オルビナの町が光に包まれた。




『オーナー!、オーナー!、起きて下さい!』


「うぅ・・・、ギル?」


ギルの声を聞き気絶していたアリシアは目覚めた、そして機体を起こすと、辺り一面、何もなくなっていた、それを見てアリシアは慌ててメッシュとグレイの機体を探し、瓦礫に少し埋もれているが無事であった二機を見て安心する。


「な、何が起こったのです!?」


アリシアと同時に目覚めたメアがギルに何が起こったのかを聞く。


『アレの攻撃です、私達は建物が守ってくれたお陰で大したダメージを負いませんでしたが、まともに喰らった他のファントムは・・・、オーナーならドラグーンは知っていますよね!』


「知ってるに決まってるじゃない!、あんな邪道な兵器!」


そう言って機体を起き上がらせたアリシアはギルが言うドラグーンの姿を探す、するとすぐに見つけた、デッドスカル本部を守るかのように佇み、かなり数を減らしてしまった組織間連合のファントムや歩兵たちを蹂躙している。


「アレは帝国のドラグーン、アルズね、ドラゴン型のドラグーンで、形式番号はDGC-206、武器は口のビーム砲に各部のミサイル、それに両肩に取り付けられたレールガンよ」


「嫌いなのによく知ってますね・・・」


「ドラグーンはファントムのライバル製品ですもの!、敵の情報を知っておくのは当たり前だわ!」


「敵なんですね・・・」


ちなみにファントム派がドラグーンを嫌う理由は、人型の兵器こそロマンがあるのに、動物型にするとは何事だ、これが基本的な理由である。


「メッシュさん!グレイ!、起きなさい!、あんな邪道な物さっさと壊しに行くわよ!」


「起きてるから叫ぶな・・・、頭キンキンするから、なっ?」


「知らないわよ!そんなよ!、ほら行くわよ!レッツゴー!」


「グレイ、アリシアのドラグーン嫌いは相当だ。こっちに怒り始める前に大人しく付いて行こうぜ・・・」


「今のアリシアちゃんは下手したらこっちにも撃ってくるかもしれないよ〜」


「はいはい、分かりました」


アリシア達はアルズに向かって行く。



「デカイな」


「三十メートル級ですもの!」


「だからよく知ってますねアリシア・・・」


新たに現れたアリシア達を見据えたアルズは口からビームを放って来た。


「私に任せて〜」


コクピットの中にあるためか戦闘時なのに落ち着いているシメラはシールドを張る。


「だ、大丈夫かよ、シメラ・・・」


「あ、あはは・・・、魔力がどんどん減って行くけどなんとか・・・」


シメラはなんとかアルズのビームを防ぎ切った、しかしほぼ全ての魔力を使い切ったようで、フラフラと力なくコクピットの中に座り込む。


『ほほぅ、やるじゃねぇか!、このデッドスカルのボス、ドォーズのアルズの攻撃を防ぎやがるなんてよぉ!』


アルズにはデッドスカルのボスが乗っているようだ。


『だがもう一撃防げるか、見ものだなぁ?』


オルジはもう一撃アリシア達にビームを放つ、放つ前に移動をしていたアリシア達はなんとか避けたが背後のファントム達が多数消滅した。


「また私の可愛い妹達をやってくれたわねぇ!」


今消滅したのはキャットベルの者達であったらしい、五機のミウラを率いて現れたアミラーゼはフォトンバスターを放つ。


『すげぇ威力だな、だがよぉ!』


しかしフォトンバスターはアルズの左右の巨大な羽により防がれてしまった。


「くっ!」


「あの攻撃を防ぐんだ、コクピットを狙わないと倒せないねぇ」


ジーム、スナイパー仕様に乗って現れたオラシズがコクピットを狙おうと提案した。


「そうね・・・、コクピットはどこかしら・・・」


「胸のハッチよ」


「!?」


あっさりとコクピットの場所を言い当てたアリシアにこの場にいた全員が驚く。


『よ、よーく知ってるじゃねぇか!、だが、コクピットの場所を知られていたとしても、近付けさせなけりゃ!、いい話だ!』


ドォーズがそう言って無数のミサイルをアルズが放つ。


「みんな!、アルズのコクピットを狙うためにも斬撃にも使える前足が邪魔よ!、足の関節を狙って破壊して!」


「了解!」


組織間連合と巨大兵器ドラグーンの戦いが始まる。

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