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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第一部、四章、対デッドスカル抗争編
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七話

回収所


ギグルス国全域のデッドスカルの中規模から小規模の施設を潰し終えた組織間連合はこの戦いに結局を付けるべく、デッドスカル本部に侵攻を開始しようとしていた、その前段階として本部への侵攻に邪魔な、オルビナの町の手前にあるデッドスカルの大規模施設を破壊作戦を決行しようとしていた。


「メッシュさん、動いて大丈夫?」


今回の作戦にファントムを持つアリシアとグレイが呼ばれていた。アリシアは隣に立っている同じくファントム乗りのメッシュが、まだまだ病み上がりの体であることを心配し声をかける。


「ファントム戦なら問題ねぇよ」


「でも・・・」


「安心しろ、落とされそうにならない限りはコクピットの外に出ねぇ、それなら怪我はしねぇだろ?」


「うん」


メッシュはまだ心配そうに自分を見つめるアリシアの頭を撫でる、するとアリシアは頬を赤く染め俯き大人しくなった、メアとシメラはその様子を見て良し良しと頷いている。


「それでは説明を始める」


ブラックウルフェンのリーダー、オラシズが現れた。今回の作戦は彼が説明をするのだ。


「説明と言っても簡単だ、ファントム部隊で一気に攻め込み、まずは施設外のファントム部隊を討つ、次に歩兵を投入し内部の敵の歩兵を一掃する、簡単であろう?、それでは移動を始めよ」


簡潔なオラシズの説明が終わり、ファントムパイロットと各ギルドの実力者達は、ファントムや車で大規模基地に向かって行く、アリシアとグレイもそれに従い自分の機体の元に向かう、そこにメアとシメラがやって来た。


「今回の作戦はボスにお前達二人は残れと言われたので行けません・・・だから絶対に死なないで、ここに戻って来て下さい。親友であるこの私との約束です」


「うん、必ず戻って来るわ、親友」


「おう、だから心配すんな」


アリシアとメアは抱き合った、そしてアリシアから離れるとギルスに乗り込み、回収所からグレイのミウラと共に離れて行く、メアは離れて行くギルスを不安げな視線を見送り、シメラがその肩に優しく触れるのであった。



デッドスカル大規模基地


大規模基地を前にし展開する組織間連合側のファントム部隊、対するはメイルス国のファントムが多いデッドスカルのファントム部隊だ。


「戦闘開始!」


オラシズが部隊に侵攻命令を出した、その命令を受けズンズンと地響きを鳴らしながら、組織間連合のファントム部隊が動き始めた、デッドスカルのファントム部隊は動かずに砲撃をして来る、とにかく基地に近付けさせないつもりのようだ。


「ふふふ!、私の機体の出番ね!」


迫る弾丸を見たアミラーゼが五体のミウラを引き連れ前に出る、そして五体で協力し合い組織間連合のファントム部隊全体を覆う程のフォトンシールドを張り巡らせた。


「噂通りの防御力ね・・・、キャットベルのアミラーゼのミウラは、こんな大規模なシールドを張り巡らせる事が出来るのですもの、相当な時間とお金をかけて改造したのでしょうね」


「なんでも通常のミウラの五倍程までエンジンの出力を上げる改造をしてるそうだぜ、そのかわりエンジンが重くなって機体重量も増し、移動速度は遅くなっちまってるそうだ、しかもあの五機はそれだけじゃねぇらしいぜ?」


「それだけじゃねぇって、他にどんな秘密があるんだ?」


「後で見れるさ」


「んだよ」


五体のミウラはシールドを張りながら動き始め、ゆっくりと施設に近付いて行く、そして十分に距離が詰まった所でフィールドを解いた、その瞬間、後ろに続いていた組織間連合のファントムの砲撃が始まる。


「よっしゃ!アリシアとグレイ!、俺らは前に出んぞ!、味方に後ろから撃たれねぇようにな!」


「ええ!」


「ああ!」


メッシュはギルスとグレイのミウラを率いて前に出る、そのメッシュの機体、ミウラメッシュ仕様は、銀色のカラーに塗装されており、武器は大剣のみだ、特徴は内臓武器すら廃する事で軽量化し、近接戦での立ち回りが通常のミウラよりかなり有利になっている事である。


今回はアリシアのギルスも通常仕様である、ビームサーベルを抜いたアリシアのギルスは敵機のジームを容易く斬り裂く、グレイのミウラもビームセイバーで次々と敵機を斬り伏せて行く。


「二人とも!ドラスだ!」


「みたいね!!」


六機のドラスが先行しているアリシア達に向かって来る、先にドラスと戦闘をしており、その動きを知っているアリシアは完璧に動きを予測し、ビームライフルのビームを当ててみせた。


「やるじゃねーか!」


「えへへっ!、まぁね!」


「俺だって負けねぇ!」


グレイのミウラは全身のハッチを開きミサイルを飛ばした、アリシア達に迫っていたドラス達はそれを見て慌てて後退し、間に合わなかった二体が被弾し爆発した。


「へへっ!、後輩達に手柄を取られまくる訳にはいかねぇよなぁ!」


大剣を掲げるメッシュのミウラは重そうな武器を持つ様子からは予想出来ないスピードで走り、後退する二体のドラスに迫ると、一撃で一刀両断してみせた。


「よくもぉぉぉ!」


自分以外の仲間をやられた最後の一機のパイロットが叫び声を上げながら迫って来る、ビームライフルを腰にマウントさせ、ビームサーベルを抜かせたアリシアは突き出されたヒートサーベルを機体を屈ませて避け、コクピットをビームサーベルで貫き仕留める。


「ふぅ・・・」


「そこの三機!、下がりなさい!」


ドラスを全機倒す事が出来アリシアが安心していると、アミラーゼの声がした、アリシアが背後を見ると五機のミウラがエネルギーを溜めており何かを放とうとしている、それを見たメッシュは引くぞと手振りで示し、グレイとアリシアはメッシュの機体に続いて、五機のミウラの背後に下がる。


「味方の反応なし!、行けますよ!お姉様!」


「ええ!、バレル展開!、エネルギー転送完了!、フォトンバスター、発射!」


アミラーゼのミウラが構える巨大な銃から放たれたフォトンバスターは地面を焼き焦がしながら突き進む。強力すぎる砲撃は奥の施設にまで達し、アミラーゼはそのまま横にフォトンバスターを薙ぎ払い、敵機の半数を打ち消してみせた。


「な、なんて火力・・・」


「すげぇだろ?、あれがアミラーゼとその編隊だ、さっき見せたフォトンシールドなんて小手調べ、フォトンバスターこそ奴らの本命なのさ、その代わり一回撃つと十分ほど動けなくなり、しかもフォトンバスターを撃つ為にフォトンエネルギーをまたチャージしないといけねぇ欠点があるけどな」


「へぇ・・・」


目をキラキラさせながらメッシュの話を聞くアリシアと、アミラーゼ達が敵じゃなくて良かったと安心するグレイは、圧倒的な威力をみせたフォトンバスターを見ても向かって来る敵機に攻撃を仕掛ける。



デッドスカル本部


大規模施設の破壊作戦が行われる中、デッドスカルのボスの部屋に秘書が入って来た。


「施設のファントムが半滅、じきに落とされるでしょう」


「フン、勝手にさせておけ、それよりも防衛戦の準備は整ったか?」


「はい、例の物の準備も完了致しました」


「へっ、なら良い、ここに攻めて来た奴らを後悔させてやる」


確実に勝ちを確信しているデッドスカルのボスは怪しく笑う。




大規模施設


所変わって大規模施設、外の敵ファントムの排除が完了し、歩兵部隊が施設の中に侵入した、後数分もすれば作戦は終了するだろう。


「あの時のあいつ居なかったな・・・」


「例のアミール乗りか、恐らく本部を守ってるんだろうさ、心配しなくても近いうちに会える」


「あーあ、早く戦って勝って、この前の負けの清算をしたかったのになぁ」


残念そうにするアリシアは基地から歩兵部隊が出て来るのを見つけた、内部の歩兵を仕留め切ったのだろう、それを確認した他のファントム達が施設の攻撃をし、完全に破壊をした事で今回の作戦は終了した。



回収所


「お帰りなさい!」


「ただいま」


回収所に戻るとメアが抱き着いてきた、アリシアは同じ顔の少女を抱きしめ返しその温もりを感じ、自身が生きている事を喜ぶ。


「・・・」


その様子を陰でエリシアが見守っていた。

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