七話、海で遊ぼう
五年後、スイールガーデン
DIVAとの戦いから五年の月日が流れたある日、アリシアは皇帝アリシアと集まり五年の月日でかなり復興したスイールガーデンにいた。
「アレシア!、こっちだよ!」
「待ってよぉ〜!」
アリスが妹のように接しているアレシアを率いて楽しそうにビーチを走っている。二人のアリシアはそんな娘達の様子を愛おしげに見つめていた。
「大きくなったものだな、私の子も」
大統領アリシアの隣に座るアルムスは優しげな顔で娘を眺めている。ちなみにこの五年の間に帝国は帝国ではなくアトリーヌ国に国名を変えており。皇帝アリシアは初代大統領として各国の復興やその復興の為の資金援助に尽力していた。
アリシアも聖騎士として各国を周り沢山の困り事を解決したりして。一度失った信用を取り戻していた。
「そうね、・・・師匠は相変わらずね」
砂浜の方を見ると愛理がポヨンポヨンとどこがとは言わないが揺らしながらビーチバレーをしており周りの男達を魅了していた、レバンは近付いてくる男達を追い払っている。
「レベンさん、大変だなぁ、まぁ俺も?、そこら中でモテまくる嫁さんが心配で仕方ないけどな?」
「なっ!?、私一回もレイ君以外になびいた事ないでしょ!」
「ええー?、オデッセルス団長にデートに誘われてちょこちょこと着いて行ってたのはどこの誰でしたっけぇ?」
「そうそう、お姉ちゃんったら凄〜く喜んで行ってたわよね?」
そこにウォーリーと共にパラソルの下に入って来たメアと。ファーリーと腕を組み近付いて来たマイがやって来る。ちなみにエリシアはキースと結婚しており現在絶賛新婚旅行中だ。シメラはケイネスと結婚し一人の子を授かっている。リーリナもオデッセルスと結婚し子供がいる。
「リーリナへのプレゼントを選んでくれって頼まれたんだもん、仕方ないでしょ!」
「またまたー」
「ホントだもん!」
「嘘だー」
「キー!」
「はいはい、煩いから虐めるな」
「「ヘッヘッヘ」」
悪戯っぽく笑うメアとマイをアリシアが睨んでいると。アリスとアレシアがそれぞれアリシアと大統領アリシアに近付いてきて膝の上に座る。
「あら?どうかした?」
「疲れたのかしら?」
「だって・・・、ママと一緒に遊びたいんだもん」
「早く来て?」
どうやら二人の少女は母親を遊びに誘いに来たらしい。二人のアリシアは顔を見合わせ微笑むと立ち上がる。
「メア!来なさい!遊ぶわよ!」
「ええ・・・、エマがいるんですけど・・・」
「ははは・・・、僕が抱いておきます、最近エマの世話ばかりで遊べてないし、今日は思いっきり遊んで来て下さい」
「ありがとうございます、ウォー君」
メアは夫に感謝し頬にキスをすると先に走って行っている二人のアリシアとグレイと娘達を追って行く。
「ウォーリーよ、私に抱かせよ」
いつのまにかウォーリーの後ろに立っていた子供好きなシュルツ王はエマを抱きたくなったらしい貸せと言う。
「良いですよ」
「うむ」
ウォーリーからエマを受け取ったシュルツ王はニマニマとその顔を眺める。ちなみにアリシアがアリスを連れて行った時も、大統領アリシアがアレシアを連れて行った時も同じ顔をしていた。
「アルムスよ、我らの役目はこの子らが幸せに笑える世界を作る事だ、そうは思わんかね?」
「同意しよう、その為に全てを尽くす、それが今の私達の役目さ」
同じ志を持つ二人は頷き合い、ビーチで楽しげに遊ぶいつのまにか加わったいた三人のアリシアとメアを眺めるのであった。




