六話、決着
王都上空
王都の上空に浮かぶドラグーンは愛理達に向けて口から砲撃を放った。
「斬り開く!!」
「ですね!!」
愛理とラフォリアがそのビームを斬り開き口内のビーム射出口を破壊した。ウォーリー、ファーリー、ケイネス。そして愛理の仲間達が協力して攻撃を放ち。羽を斬り飛ばした。
「羽を破壊しろ!!」
復活したオデッセルスが部下に羽の破壊を命じ。落ちて来た羽を見事に破壊してみせる。
「グォォァ!!」
羽を破壊され地面に落ちても攻撃の手を緩めないドラグーン。愛理達は放たれる砲撃を確実に弾きながら街への被害を最小限に留め。攻撃をしドラグーンに確実にダメージを与えて行く。
「弱点は多分あのコアだよ!、お母さん!!」
灯理が禍々しく輝く胸に光るコアを指差す。それを見た四人の勇者、愛理とラフォリアと明日奈とメリアは頷き合いブラスターを放つ。
「グウウウ!!」
それでも機体の破壊には至らない。
「なら!、レーヴァローズ!、最大出力よ!!」
「ハナ!、私も!!」
『『はい!!』』
明日奈と愛理、かつての二人の英雄達はコアに接近する。そして・・・。
「レーヴァインフィニティ!!」
「ゼロストライク!!」
同時に突撃技を放ちコアを破壊すると内部に突っ込むと駆け抜けた。
「レベンさん!、空に転移させて!!」
「任せろ!!」
レベンはシメラと協力しながらドラグーンを上空に転移させた。そして二人はドラグーンを球体のシールドで覆う。その中でドラグーンは爆発し消滅した。
「勝ったな・・・」
「はい・・・、でももう魔力がない、あの二人が勝つ事を信じるしかないな」
愛理達は空を見上げる。DIVAと戦うテレシアとメアを。
DIVAはスピードライフルを展開すると弾を放つ。それを避けたテレシアとメアはスピードライフルを斬り裂き撃てないようにする。二人は更にビームライフルと胴体部の砲塔、最後に頭部ビーム砲を破壊し彼に砲撃が出来ないようにした。
「はぁはぁ、魔力大丈夫?、メア」
「まだまだ行けます」
「ははっ!、頼りになるね!!」
振り下ろされるビームサーベル。二人は同時に受け止めて弾く。しかしメアが力負けし剣が吹き飛ばされた。
「これを使って!!」
それを見たテレシアは影から自分の剣を取り出すと渡し。迫っていたDIVAの拳を腕で受け止める。
「はい!!」
皇帝アリシアの剣を受け取ったメアはDIVAのビームサーベルを持つ手首を斬り裂いた。
「ここまで俺を追い詰めたか、単純に評価しよう、流石だ、しかし俺はまだ手を残している!!」
DIVAはそう言うとドラグーンに次ぐ追加兵装である巨大ビームランチャーを取り出した。右手でそれに触れると一瞬でフルチャージにまでビームを溜めて砲撃を放った。
「あははっ、凄ーい砲撃、でもさメア、私達なら」
「はい!、私達なら!」
「「打ち破れる!!、アルトシャーニア流剣術!!、最終奥義!!、ゴッドフェニックス!!」」
二人は手を握り合い魔力を高め合うと迫るビームに向けて突進した。金色の不死鳥の姿となった二人はビームを斬り開いて行く。
「俺の勝ちだぁぁぁ!!」
「いいえ!、私達の!!」
「勝ちです!!」
二人はゴッドフェニックスを解き左右に別れた。そして金色の光を放ちながらDIVAに接近すると両腕を斬り飛ばす。
「フン、まさか最終奥義と言う派手な技を囮にするとはな、やられたよ」
腕を斬られ攻撃手段を失ったDIVAは顔をテレシアの方に向けて喋る。
「・・・あなたのミスは私を改造した時から始まっていた、私がここまで強くならなければあなたが望む世界は生まれていたわ」
「・・・フッ、そうかもしれないな、さぁ?、この戦いを終わらせると良い」
「・・・はい」
メアは時戻しの剣を取り出すとDIVAに突き刺した。するとDIVAの時が戻って行き。最終的には小さなチップとなる。
「これがあなたの最初の姿なのね・・・、お父様・・・」
小さなチップとなったDIVAを手に取ったアリシアは胸に抱く。そして仲間達の元に戻った。
「これを使えば世界を元に戻せる、でもこれを使うのは一度だけ、良いわね?、使ったらすぐに壊すわ」
アリシアは愛理の方を見ながら話す、この中で最もDIVAと関わりが深いからだ。
「うん、それはこの世界にはない方が良いものだ」
愛理はアリシアの言葉に頷き仲間達も頷く。そして彼等はアリスとマイが待つDIVAの世界に向かった。
DIVAの世界
GATEとは違いこの世界とは繋がりを作ってはいなかったのだろう、DIVAの世界は変わらずその姿を残していた。マイは姉が戻ってきたのを見て笑顔で駆け寄ると抱き着き眠るアリスを指差す。アリシアは娘に近付き笑いかけてから。この世界の中央部巨大コンソールに小さなチップとなったDIVAを刺した。
『DIVAシステム起動、ご用件は?』
起動したDIVAは要件を聞いてくる。アリシアの答えはもう決まっている。
「ここのデータベースの記録を元に!!世界を修復させなさい!!」
『承知いたしました』
アリシアの名を受けたDIVAはすぐ様、世界の修復を行う。その瞬間世界は光に包まれた。
「ん・・・、んん!?」
光が収まる。アリシアは閉じていた目を開け隣にもう一人自分がいるのを見て目を見開いた。
「私はレイティスの方のアリシアよ、どうやら世界の修復と同時に分離させられたみたいね」
「へ、へぇ、私がもう一人いるって変な気分・・・」
アリシアは皇帝アリシアのお腹が膨らんでいるのにも気付く。
「あれ?あなた妊娠もしてない?」
「!!、まさか!」
皇帝アリシアはデータベースを開く。開けると言うことはこちらのアリシアもファーストロットのようである。そして皇帝アリシアが確かめた事とは?。
「アレシアが消えてるわ・・・」
アレシアの事だった。
「・・・、あなたのお腹の中に戻ったんだね・・・」
更に調べてみるとDIVAが作った世界の過去で亡くなっている未来のアリシアやアルムスなども蘇り、ギグルス国もデータを元に完全に修復されていた。
「ははっ!、大変だな!アリシア」
「ん?」
「何かしら?」
「レイティスの方だ・・・」
「何よ?」
「これからは母親をやりながら皇帝もやるんだろ?、それが大変だなってさ」
「そうね・・・、同時に罪とも向き合わなきゃ・・・」
「私も同じ・・・、でも私達二人なら大丈夫、でしょう?、私」
「ええ・・・そうね」
二人のアリシアは今もこちらを見て来ている仲間達を見渡し笑いかける。
「みんなと一緒ならどんな罪にだって向き合えるわ!!」
「うん!!」
皇帝アリシアと聖騎士アリシアは頷き合うとそれぞれの世界にへと帰還する。メアは暫く迷った後聖騎士アリシアと共に行くと決め。エリシアとアイリーンとファーリーとケイネスは皇帝アリシアと。グレイとウォーリーとシメラとニアとシールスは聖騎士アリシアと共にアルトシャーニアに帰る事となった。
「最後に・・・、またさようならだね、DIVA」
最後に愛理がDIVAを破壊した。これで二度とDIVAは生まれない、世界の命運は完全に人々の手に委ねられたのである。
「それじゃ、また会いましょう、私」
「ええ、また」
二人のアリシアは握手をする。アリシアは元の世界に帰る前にアイリーンの手を握ると光のスタイルを彼女に返し。夫と共に自分の世界に帰って行った。




