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セブンススタイル  作者: ブレイブ
最終部、終章、Hello Dream World
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四話、再誕!聖騎士アリシア!

ウォーレフィールド


アリシアの治療が続いている。


「それにしても我が娘ながらエロッエロなドレス着てるわねぇ」


「!!」


アイリスが娘に近付くとそのドレス姿を見ながらニヤニヤと揶揄う。アリシアはバッと大胆に露出している胸を隠す。顔は真っ赤だ。


「しかもお母さん、こいつ俺の事を体で何回も誘惑して来たんですよ」


グレイも乗る。アリシアの顔は茹で蛸状態だ。


「し、仕方ないでしょ!、操られてたんだから!」


「嘘付け、お前俺がドレス選びしなくても自分から派手なドレス選んでたじゃねーか」


「だ、だってレイ君はそのほうが嬉しいでしょ?、見たくない?私の胸?」


チラチラとグレイの顔を見つつアリシアは自分の胸を見たくないのかグレイに聞く。


「見たい、がそう大胆に露出されると飽きるからそう言うエロエロな服はたまにで良い」


「エロエロって・・・ツー!」


アリシアはDIVAに操られて大胆な服を着ていた事を自分で後悔する。これからはいつも通り町娘のような服か騎士服か鎧しか着ないと心に誓った。


「それで?アリシア、戦いに行く前に娘さんに会いに行って来たらどうです?」


「会いたいのは山々だけど、DIVAを止めなきゃ・・・」


「大丈夫だよアリシア、私達が先に行って相手をする、その間に会っておきなさい、もしかしたらこれが最後かもしれないんだから」


「・・・うん」


この戦いで命を失う可能性は十分に考えられる。アリシアは愛理の言葉に頷くと治療も終わった為立ち上がった。


「おうおう、そのエロい服も脱いできなー!」


「次言ったら消し炭にしてやる」


「ヒッ!」


いつも通りなシールスを見て額を抑えながらもこれが自分の仲間達だと嬉しそうにアリシアは微笑む。そして二度と傷付けたりなどしないと心に誓う。


「さて、ちょっと着替えるのとアリスに会ってくる、レイ君?行こう」


「おう」


グレイは差し出された本当の心を取り戻した妻の手を取る。


「みんなは扉を通ってアルトシャルセンへ行って」


アリシアは手をかざし扉を作ると開けた。DIVAの影響から解放されてもGATEとしての機能を保有しているようだ。


「はい、行って来ます、すぐに来て下さいね?、待ってますから」


「おう、暫くは頼んだよ!親友!」


「任せて下さい!、親友!!」


アリシアとメアは頷き合うと背を向けて別れた。メア達は扉を通りアルトシャルセンへ。アリシアとグレイは扉を通りDIVAの世界へ。それぞれ向かった。



DIVAの世界


「お姉様・・・」


アリスを抱いているマイがDIVAの世界にやって来たアリシアを不安気に見つめている。DIVAの仲間として殺されるのではないかと思っているのだ。アリシアはそんな妹の表情を見て優しく微笑むと近寄る。マイは身構える。


「大丈夫よ、マイ、私は私、アリシアに戻ってもあなたを可愛い妹だと思ってる、だから怖がらなくて良いよ」


そう言ってアリシアはマイの髪を優しく撫でた。マイはホッと安心した様子で姉に微笑みかけた。


「あなたにはさっきも言った通りここでアリスを守ってほしい、頼めるかしら?」


「お任せを、私の全てにかけてアリスを私の可愛い姪を守ります!」


「ふふ、頼んだわね」


アリシアは撫でているマイの髪から手を離すと操られていた時より更に愛おしく感じる娘を受け取りその顔を見る。


「あー!」


するとアリスは元気良く声を出し母に向けて手を向ける、GATE出会った頃はこのような声を出す事はなかったのに。


「ふふ、元気が良いわね、ねっレイ君」


「そうだな、お前によーく似てるよ」


「あら?、ほらここの薄っすらと生えてる髪が渦になってるところを見て?あなたと同じよ?」


「・・・、お前俺の頭頂部がどうなってるかまで知ってるの・・・?」


「愛してますから、あなたの事はなーんでも知ってます」


「愛が重いよ・・・」


「ここまで重くなるまで私を惚れさせたのはあなたです、責任取りなさい」


「はいはい、取りますよ」


責任を取ると良い後頭部を触るグレイを見てアリシアはクスクスと笑うとアリスをグレイに渡し。倉庫に向かう。そこにはエリシャメイルと騎士服が保管されていた。


「久し振りだね、また私に力を貸してね」


ドレスを脱ぎ下着を身に付け騎士服に袖を通したアリシアは鎧を身に付けていく。


『やっぱりその姿こそあなたね』


「うん、この姿こそ私、これが聖騎士としての私よ!」


茶色い髪に茶色い瞳。そして黄色い騎士服に金色の鎧、この姿こそ本当のアリシア、聖騎士アリシアである。


ここに聖騎士アリシアは再誕を果たしたのである。


「ごめんね?私、あなたにも私・・・」


『良いのよ、魔力吸われてただけですもの、そんな事より早く王都に行きましょう、見なさい』


皇帝アリシアがデータベースを開く。すると聖騎士達とDIVAが戦闘を行なっている様子が映し出された。


「みんな戦ってる、私も行かなきゃね、それじゃっ、行こうか!、私!」


『ええ!、絶対に勝つわよ!私!』


「うん!、アリスの為に!!」


『アレシアの為に!!』


二人のアリシアはそれぞれの子が生きる世界を守る為に戦場に向かう。確実に勝ってみせると心に誓って。


このいくつもの誓いが。DIVAに立ち向かう白と黒のアリシアの勇気となる。




「おっ、やっぱりお前はそれだな」


「私もそう思う、落ち着くもん」


「だな、それじゃマイ、イチちゃん、アリスを頼む」


グレイは抱いていたアリスをマイに渡す。マイは力強く頷くとアリスを大切に抱いた。


「良し!、行くよ!レイ君!」


「おう!、シア!」


アリシアとグレイは手を繋ぎ扉を通り戦場に赴こうとする。


「マー!」


二人が扉をくぐりかけたその時。アリスが大声を出した。二人はその声を聞いて振り返ると優しく微笑みながら手を振り。もう一度前を見ると扉の先の世界に向かって行った。


「あー!、あー!」


アリスは大きな声を上げて泣き始める。マイは姪の頬を優しく撫でながら語りかける。


「大丈夫ですよアリス、あなたのお父さんとお母さんを信じなさい、そうすれば必ず帰って来てくれますから」


「・・・」


マイの言葉を理解出来たわけではないのだろう。それでもアリスは泣き止んだ。


「良い子ですね」


マイは泣き止んだ姪に優しく微笑みかけた。

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