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セブンススタイル  作者: ブレイブ
最終部、一章、サードロットと帝国
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十八話、もう二度と後悔なんてしない為に

王都アルトシャルセン、メアの側付きの部屋


「はぁはぁ・・・」


セカンドマナを得るための修行を行なっているメアが血を吐きながら地面に倒れた。


「メア・・・、そろそろ休憩しよう?」


何度も何度も血を吐き地面に倒れアイリーンに治療されるメアを見ていられなくなったニアは彼女を気遣い休憩しようと言う。


「駄目です・・・、今の弱いままの私では何も成せない、このままアリシアを止める事だって出来ません・・・、だから何度だってやってみせます!」


メアはセカンドマナを得る為に再びイメージをする。


「かはっ!、くっ!、まだ!、まだです!」


「あはは、頑張ってるわね?」


メアが血を再び吐いたその時だGATEがメアの部屋に現れ血を吐く彼女を冷笑する。いつまで経ってもセカンドマナを得られず尻込みをしているメアはGATEにとってつまらないおもちゃだ。そのつまらないおもちゃを面白いおもちゃとする為GATEは彼女を馬鹿にする事で奮い立たせセカンドマナを得させようとしている。


「ふふ、あなたには無理よ?メア、諦めなさいな」


「無理なんかじゃありません!」


メアは激痛に耐えながらセカンドマナを得るのは無理だと言って来る彼女に無理なんかじゃないと反論する。


「はぁ?何度も何度も繰り返してセカンドマナを得ようとしても何の結果も出ていないあなたが何を言ってるのよ?、あなたは自分の状況が理解出来ないほどに馬鹿なのかしらね?」


「そうですよ!私は馬鹿です!、守りたかったもう一人のあなたの体を守り切れず!しかも体は死なせてしまった!、そしてあなたも・・・私は守れなかった・・・、私がもっとしっかりしていればあなたの正体に気付けてあなたはGATEとして目覚めなかったかもしれないのに・・・」


メアは後悔しきった目を見せ悲しそうにGATEの顔を見る。メアに顔を見られたGATEは彼女を鼻で笑った。


「だから・・・、だから!私は大切な物を守り切れるくらいの力を手に入れるんです!、あなたやみんなを失わない為に!!、もう二度と後悔なんてしない為に!!」


もう二度と後悔をしない為に力を得る。その想いを口にしたメアの体が金色に光り始める。何度も何度も失敗した果てにメアはセカンドマナを手に入れたのだ。


(ふふ、やれば出来るじゃないメア、それでこそ私のおもちゃよ、これでもっと楽しませてくれそうね)


メアが成したと判断したGATEはメアがつまらないおもちゃから再び面白いおもちゃになったと心の中で思う。


「はぁぁ・・・、凄い・・・、力が膨れ上がって行く・・・」


セカンドマナを得た事により力を増したメアはパワーアップした自身の力が信じられないと言った目で両手を見る。


「あはっ、それがセカンドマナの力よメア、ねぇ?少し遊びましょう?」


そんなメアを見て楽しげな笑みを見せるGATEは剣を構えると地面を蹴りメアと剣を交えた。メアは以前よりも早い反応速度でGATEの剣に反応すると彼女の剣を受け止めた。


「あなたの剣をこんな簡単に・・・」


「ふふっ、スタイルの力を使ってない私に追い付けたと言う所かしら?、ここからどこまで強くなれるのか、楽しみにさせて貰うわね」


メアの実力アップを一回剣を交えるだけで確かに感じたGATEは剣を引き彼女に背を向け部屋から出て行った。


「スタイルの力を使ってないお母様の力と今のメア様は同等・・・、その言葉が本当ならば本当に強いですわね・・・、お母様は」


「DIVAにとってこの世界を守る為の最大の武器がアリシアです、その最大の武器が弱ければ意味はない、だからこそ今のアリシアはDIVAによってあそこまでの力を与えられているのでしょう」


「・・・母さんを取り戻す為には今の母さんと最低でも同等の力を手に入れないといけない・・・、セカンドマナを手に入れてもまだまだ道のりは長いわね・・・」


「そうですね、でも大切な友達の為です!、その長い道のりだってすぐに越えてみせます!」


セカンドマナを得れた事により自信を得たメアの言葉には説得力があった、ニアとアイリーンはメアならアリシアを取り戻せるそう確信した。


「はぁぁ・・・、でも疲れました・・・、少し眠り・・・」


ベッドにふらふらと向かって行ったメアはベッドに倒れ込む。


「頑張ったね、メア」


「はい、とても凄いと思いますわ」


ニアは疲れて眠るメアの髪を撫で。アイリーンは回復魔法でその疲れを癒す。



王室


王都にやって来たついでとしてGATEは王室にやって来た。各国の王達の準備が出来たかどうか聞きに来たのだ。


「準備は?」


「各国ともに準備は完了したよ、いつでも行ける」


シュルツ王はいつでも行けるとGATEに伝えた。


「そっ、なら明日早速始めましょうか、ふふっあなた達にとって憎き敵である帝国が明日には滅びるの、楽しみね」


「・・・」


一国が滅びる事を楽しみと言うGATE、その考えに同意出来なかった王は言葉を発さず俯く。


「なんて甘い王様なのかしら」


GATEはクスクスと笑いながら王を甘い王様と称し嘲笑う。


「・・・、それで?、明日の戦闘開始時間は?」


少女に嘲笑われた王は目を閉じて心の中に感じた少女の対しての怒りを流すと。明日の戦闘開始時間を聞いた。


「朝の四時よ」


早朝、まだ人々は寝静まっている時間、奇襲を仕掛けるのならば効果的な時間だ。だからこそGATEはこの時間を選んだ。


「了解した、各国にも伝えておく」


「お願いするわ、それじゃまたね」


軽い挨拶をして王から離れた少女はDIVAの世界に帰って行った。王はそれを見送ってから部下達に命じ明日の準備を始めさせる。



ナイリアーノ帝国、帝都


「これが魔導重機士、ナイリアロスタですか」


メアは帝国の切り札となるナイリアロスタを見上げる。


「うむ、近い内に始まる決算にて我々はこれを使い、あの女とアルトシャーニアを含む国々に勝利する、確実にだ」


自身の国が総力を挙げて作り上げた兵器を見上げる王の顔は自身に満ち溢れていた。


「陛下?、私は何をすれば?」


「お前は久城愛理とか言う女を止めろ、あれも厄介だ」


「分かりました」


(懐かしい響きの声を聞かせてくれるあなたを私は殺す、帝国を守る為に)


愛理を殺すと心の中で誓った竜騎士ラフォリアはその目に殺意を滾らせる。その時だった。



帝都を囲むように無数の扉が現れた。

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