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セブンススタイル  作者: ブレイブ
最終部、一章、サードロットと帝国
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十五話

DIVAの世界


「GATEよ、サードロットは全機稼働可能となったぞ、好きに使え、命令権はお前に送っておく」


サードロット達の作成と調整を終えたDIVAはGATEにサードロット達の命令権を送る。


「ありがと」


GATEはじきに自分達の力を人間達に見せ付けることが出来ると思いニヤリと笑みを見せながらサードロット達の命令画面をデータベースで開く。とある目的があるのだ。


「一号機の命令権を捨てるのか」


「ふふっ、私の可愛い妹ですもの、兵器でしかない他のサードロット達とは違ってイチちゃんは特別なの」


イチちゃんは他のサードロットとは違いDIVAに自我を与えられている。しかし他のサードロットはGATEが持つ命令権に従うだけのただの人形だ。そして心を持たないからこそ愛理と同等かそれ以上の力を躊躇なく敵に振るえるのである。グレイはそんな兵器が人間界を襲うと思っただけで体に震えが走るのを感じた。


「さて、試しに一機動かしてみましょうか」


GATEはデータベースに表示されている二番機のボタンを押した。すると二番機のカプセルが開き一人の少女がGATEとグレイの目の前にやって来た。


「・・・」


意思のない目をしている二番機はGATEとは違う容姿をしておりイチちゃんを大人にしたような姿だ。体には白色で所々に発光部があるボディスーツ身に纏っている。


「おねーちゃん?、この人だあれ?」


二号機を見たイチちゃんがGATEの膝の上に飛び乗り。二号機の正体を聞いて来た。


「二号機よ」


「ふぅん、なんだかボーとしてるね」


「ふふっそうね、ほら?マイと遊んでらっしゃい?」


イチちゃんの言葉を聞き自我のない兵器なのだからボーとしているのは当然だと邪悪な考えをしたGATEは。イチちゃんの顔をマイの方に向けさせ彼女と遊べと言う。せっせとGATEのドレスやグレイの服など様々な服の洗濯をしている正にメイドなマイを見たイチちゃんは満面の笑みを見せ姉の元にへと無邪気に走って行った。


「二号機、なんでも良いわ、私に攻撃をしてみなさい」


「ちょっ!?、おいぃ!?」


自分に攻撃しろと二号機に命令するGATE、隣に座るグレイは明らかに焦り始める。二号機は無表情に右腕を上げるとブラスターを放つ。


「いぃぃぃぃぃ!?」


「煩いわよ、レイ君」


グレイは迫るブラスターを見てGATEの肩にしがみ付く。GATEは夫に抱き着かれて内心大喜びしながら。指先だけで愛理のブラスターよりも高出力なブラスターを弾いて見せた。そして弾いた指先を見つめる。


「軽微とは言え私の手にダメージを与えた、うふふ、素晴らしい性能だわ、お父様」


「まだまださ、理想はお前と同等の性能を持つ存在の量産化だからな」


「そうね、それが理想、でも私だって量産機に性能で負けたりなんてしないけどね」


「無論だ」


自分とGATEは特別、そう思っているDIVAは量産機が自分達の性能に追い付いて来たら自分とGATEの更なるアップデートを行う予定だ。そうして技術を発展させ新たな世界に対しての圧倒的な支配体制を作るつもりなのである。このサードロットはその為の足掛かりなのだ。


「さて二号機?、あなたの仕事はまだないわ、眠っておきなさい」


GATEは二号機にカプセルへの帰還命令を出した。二号機はクルリとGATEに背を向けるとカプセルに入り目を閉じ待機モードとなる。





「洗濯中なのにイチちゃんを差し向けた馬鹿がここにいると聞いてやって来たのですが」


GATEがイチちゃんをマイに差し向けた結果。寝るまで遊んであげることになったマイは眠るイチちゃんを抱きながらGATEに近付いて来た。GATEは近付いて来たマイを見てんっと両手を開き。マイは抱いているイチちゃんを姉に渡す。眠るイチちゃんを受け取ったGATEは優しく髪を撫で姉に髪を撫でられるイチちゃんは幸せそうな表情で姉の胸の中で眠る。


「んー?、レイ君?、あなたの仕業よね?」


「待て待て、思いっきりイチちゃんにマイの所に行って遊んで貰いなさいって言ってたろ、お前・・・」


「私、嘘付く人嫌い」


「それお前の事ですよね」


「なんのことかしらー」


夫婦の会話を聞いてため息を吐いたマイはジロリと姉を睨む。


「とにかく、掃除中はイチちゃんを差し向けないで下さい、良いですね?お姉様」


「はいはい」


「・・・本当に聞いてます?お姉様」


「キイテルキイテルー」


「はぁ・・・」


マイは姉の態度を見て今度は額に手を当てて呆れデータベースを開く。


「もう良いです、それよりもお姉様、一応友軍である各国の状況を見てますか?」


「見ているわ、一応戦争中ですもの」


「ならよろしい、ほぼ被害無しであの戦闘を切り抜けたアルトシャーニアとプレミリカは流石ですが、他国は酷い物ですね」


「フン、アルトシャーニアが帝国の脅威を何度も何度も説明してあげていたのにね、それなのに対策もせずにいざ戦闘となればボロボロにされる、実に・・・ふふっ、愚かだわ」


GATEは数値化された各国の被害状況の数値を見て。10パーセント以下で被害を抑えているアルトシャーニアやプレミリカ以外の国を嘲笑う。


「大抵の国が50%程度の戦力を減らされている、次の戦闘では使えませんね」


「フン、警告されていたのに手を打てないゴミなど必要ないわ、帝国との決戦はサードロットを率いる私とアルトシャーニア、そしてプレミリカで行うわ」


「ふふっアルトシャーニアもプレミリカも本当はいらないんじゃないですか?、お姉様」


「あはっ、まぁね?、でも人間にも花を持たせてあげなきゃ、前にもお父様に言われたしね?上位種は下位種に施しを受けさせる物だと」


完全に人間を見下した態度を見せるGATE、考えが同じマイもそれを聞き頷いており。DIVAも娘の考えを聞き満足気な様子だ。


「シア、そうやって見下して、足元を掬われないようにな?、これは戦争だ、何が起こるか分からないぜ?」


「ふふっ、心配してくれてありがとレイ君、でも大丈夫、私は確かに人間を見下しているけど油断なんてしたりしないから、寧ろ徹底的に潰すつもりよ?」


「・・・」


心配してくれたグレイに対し嬉しそうに微笑みかけ首を傾げながら話すGATE。その言葉を聞いたグレイは前のアリシアなら絶対に言わない言葉の数々に悲しそうな表情を見せる。


「さて、下界に行くとしましょうか、アルトシャーニアとプレミリカ、後は愚か者達の中で参戦したいと言う者達で帝国に攻め込む為の会議をしなきゃね、マイ、ついて来なさい」


「はい」


グレイにイチちゃんを渡したGATEはマイと共に下界に転移して行った。


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