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セブンススタイル  作者: ブレイブ
最終部、一章、サードロットと帝国
324/344

十四話

この辺りからはGATEは主人公ではあるのですがどちらかと言うとヒロインとしての役割が強くなって行きます。

同時にグレイも主人公の一人になります。

DIVAの世界


(攻撃を跳ね返す剣・・・、・・・アレを使ってシアの中でシアの精神に影響しているDIVAを跳ね返して追い出し繋がりを断つ事が出来れば・・・)


戦闘の様子を見て膝の上でキャッキャッと騒ぐイチちゃんのデータベースを覗き見ているグレイは。反射の剣の能力に注目していた。


「少年よ、ククッ、何か考えている顔だな?」


考え事をしている様子のグレイを見たDIVAはそれにデータベースを見て彼の考えを読もうとするが。表示されている戦闘が多すぎて彼がどの戦闘を見ていたのか分からず彼が何を考えたのかは絞り込めなかった。


「お前がシアの精神に及ぼしている影響を解放する方法さ」


「ほほう?、興味深いな、しかし俺はお前が我が娘の恋人であり夫である事は許すが、俺から我が娘を奪う事は許さぬぞ、何故なら我が娘は俺の一部なのだからな」


DIVAからGATEを奪う事はDIVAの体の一部を奪う事と同じだ。だからこそ絶対にGATEを自身から奪わせるつもりはない。


「だからこそお前が俺から我が娘を奪うと言うのならば我が娘にお前を殺させる」


「くっ!、シアがそんな事を望むと思うのか!?」


「あぁ?、思わないだろうな?、俺にも伝わって来ているさ、我が娘がお前を本気で好いている気持ちがな、だが俺は新たな世界を作る為に完全な存在でなくてはならん、その為にも我が完全な存在である為に必要なGATEをお前に奪わせたりなどせん、少年よ、GATEと添い遂げたいのならば大人しくしておけ、それが出来ないのならばお前は最愛の者に殺される事になるぞ」


DIVAが操作をすればGATEは彼女が自分を好いている気持ちを失い、殺させるように仕向ける事が出来ると聞き悔しそうにDIVAを見上げた。


「これでも俺はGATEが選んだ男であり子を成した相手でもあるお前を評価している、そして俺も娘の幸せを願っているのだよ、その幸せがお前の動き次第で崩れるのだぞ?、それで良いのか?少年」


DIVAは問うGATEの幸せがグレイの動き次第で崩れても良いのかと。


「それは・・・」


お前に歪められた幸せだ。グレイはそう言おうとしたが口籠る。今言ってGATEの精神を操作される訳には行かないと判断したのだ。


「んっ?」


「なんでもねぇよ」


「そうか、そう言えば聞いていなかったが、子が産まれたら名はどうするのだ?」


「男ならアルム、女ならアリスにするって決めたよ、と言うかお前シアと繋がってんだろ?、なんで俺達が子供にどんな名前を付けるか決めたのが分からないんだよ?」


「・・・、そのデータがパパへの秘密とか名付けられたふざけた名前のファイルに入っていて観覧出来なかったのだ・・・」


「あぁ・・・、今聞けて良かったね・・・」


グレイは敵に同情すると言う変な状況を可笑しく思いながら。イチちゃんをソファに降ろす。


「おや?、どこに行く?少年よ」


「必要な物を取りに行くのさ、俺がシアを本当に取り戻す為に必要な物を手に入れるだけなら問題ないだろ?、取り敢えずは子供が生まれるまでは使わないって約束するからさ」


「ククッ、勝手にせよ、こちらはお前が少しでも動きを見せた時点でGATEの精神を操作するだけだ、武器を手に入れるだけなら、フン構わんさ」


「へっ、一応感謝してやるよ、お義父さん」


グレイは皮肉を込めてDIVAをお義父さんと呼ぶと下界に転移して行った。




王都アルトシャルセン


「・・・レイ君とお父様、何の話を・・・」


隣に座るアレシアの髪を右手で弄っているGATEは今のDIVAとグレイの話をDIVAに聞かないように設定されていた為。二人が何の話をしていたのか疑問に思う。


「・・・来た」


そしてグレイが城下町に現れたのを見て。テラスの手すりの上に立つと城下町に向けて飛び降りた。


「グレイ!?」


一方のニア達はアワハを相手にするニアはグレイが急に現れたのを見て驚いた顔をした。


「よう、ニア、そいつの相手俺も加わらせて貰う」


「え、ええ、良いけども、突然現れるから驚いたわ」


「ヘヘッ、心強い味方の登場を喜びな」


「ふふっ!、ええ!」


グレイとニアは肩を並べアワハに斬りかかろうとするが。その前にGATEがグレイの前に上空から降り立った。


「シア・・・」


「レイ君、あなた何をしようとしてるの?」


降り立ったGATEはアワハに手を向けダークチェーンで拘束し彼に会話の邪魔を出来なくすると、グレイとDIVAの会話が何を話したのか分からなかった事もあり少し険しい目をしてグレイの目的を聞く。


「あいつが持ってる剣を手に入れようと思ってさ、駄目か?、攻撃を反射出来る剣ってつえーだろ?」


「・・・、本当にそれだけ?」


「俺はお前には嘘を付けないからな言うよ、お前をDIVAから取り戻す為にあれが必要だ」


「・・・本気なんだね」


「決まってる」


右手で左腕を持ち夫から目を逸らすGATE、グレイはそんな彼女を見て肩を叩く。


「退いてくれないか?、お前がそこにいたら戦えない」


「・・・」


DIVAを殺したり時を戻したりすれば自分にも影響が及ぶと言ったのに。DIVAから自分を取り戻す事を諦めないグレイ。GATEはもう一度その事を口にしようとしたが。メア達がいるのを思い出し彼女達に自分にとって不利な情報が渡る事を嫌い俯いて彼に道を開ける。


「これだけは言うわレイ君、怪我だけはしないで・・・、お願い」


グレイはDIVAや自分にとって不利益な事をしようとしていると理解しているGATEは今回の彼の戦いを手伝うつもりはない。しかしそれでも愛する夫が怪我をする姿は見たくない為。怪我をしないでと不安気な目を見せつつ伝えた。


「分かってるさ、俺を信じろ」


「信じてるよ私、あなたの事いつだって信じてる、それでも心配なの・・・」


「言ったろ?俺はお前のためなら何倍だって強くなれるってさ?、今回もそうさ!、もう一度言う!、俺を信じろ!シア!!」


「うん!、信じる!」


グレイの言葉を聞いたGATEは不安気な目を隠しグレイと目を合わせると頷き、アワハの拘束を解いた。


「かっこいいじゃないさ、幼馴染君?」


「カッコつけすぎたかも」


「良いと思うよ好きな子の前では思いっきりカッコつける奴、私好き!」


「お、おう」


ニアとグレイは腕をトンっと当て合うと駆け出した。拘束された事に怒り狂うアワハも駆け出しグレイとニアの剣を余裕で防ぎ。二人の攻撃分の威力分の反射攻撃を刀身から放つ。


「おおっと!」


データベースで見ていた事もあり反射攻撃を避けたグレイはアワハの腹に蹴りを叩き込む。その攻撃でよろめいたアワハにニアのダークボムが命中し彼は吹き飛び住居に激突した。


「やりま・・すね、流石は・・幼馴染コンビ・・です息ピッ・・タリ」


「・・・喋るな、レイ君の為にも早く怪我を治しなさい」


GATEはメアに早く回復して貰いグレイのアワハとの戦いに協力させる為。喋らず早く怪我を治せと言った。


「はいはい」


メアは乙女な様子を見せるGATEの顔を見上げクスクスと笑うと目を閉じ治療を大人しく受け始めた。


「調子に乗るなよ!ガキどもがぁ!」


アワハは周囲の物を何度も何度も斬りつけ始める。


「・・・、そうやって反射攻撃を溜める事が出来るのか?」


「そう言う事よぉ!、そおら、喰らいなぁ!」


反射攻撃を刀身が震えるまで溜め込ませたアワハは剣を振るう。グオンと言う音と共にグレイとニアに反射攻撃が迫るが。グレイは全身を鉄に変えるとそれを防いだ。


「アンタ相変わらずかったいわね」


「当たり前よ!、アーマー状態になったレイ君は、私の皮膚よりも防御力だけはあるわ!、その代わり動きも遅いけどね!!」


グレイの事を話すだけでも嬉しいGATEは満面の笑みで今のグレイの硬さを説明した。


「・・・お嫁さんがなんか言ってるわよ、レイ君?」


「だけはってなぁ、あいつめ・・・」


その言葉の中に傷付く言葉が入っていた為。心理的に少しダメージを受けたグレイはアワハが何度も飛ばしてくる反射攻撃を己の身で防ぎながらアワハに迫る。ニアは少し心配そうな目をしながら彼の後ろについて行く。


「ニア!、拘束だ!」


「えっ?、う、うん!」


ニアはグレイに言われた通りシャドーチェーン、影で作られた鎖でアワハを拘束する。


「ちっ!またかよぉ!」


アワハはシャドーチェーンを振り解こうとするが。ニアは顔を赤くしながらも魔力を送りアワハの動きを防ぐ。その間にグレイはアワハに取り付いた。


「その剣!貰うぜ!」


グレイはアワハの手から反射の剣を奪う、そして今まで使っていた剣を鞘に入れると。右手で持つ。


「お前の名はリフレクションソード!、俺に従いやがれ!」


グレイはリフレクションソードを従わせる為に魔力を送る。既に主人がいる剣は拒否をするが。グレイは無理矢理にそれを抑え込み。リフレクションソードを支配した。


「よっしゃ、行こうぜ!、相棒!!」


新たな相棒となったリフレクションソードを手に持つグレイはアワハが行なっていたように地面に剣を打ち付け反射攻撃を溜めていく。


「う、嘘だろ?、や、やめろ!」


アワハはシャドーチェーンを解き逃げようとするが。茹で蛸のような顔になっているニアは何とか堪える。そして・・・。


「リフレクション!!ブースト!」


リフレクションブースト、溜めた反射攻撃を己の魔力で更に強化し打ち出す技でアワハを吹き飛ばし。彼を仕留めた。


「あはは、凄いです、グレイ」


丁度怪我が完治し立ち上がったメアはグレイの肩にコツンと拳を当てる。


「おう、それよりも敵がまだまだ来る!、全部追い払って王都を守るぞ!、シア!!お前も来い!」


「はっ?、何で私がこの王都を守らないといけないのよ?」


「お前がここにいる奴の中じゃ一番強いからさ!、つべこべ言わず手伝え!」


「ひゃ、ひゃい」


夫の迫力を見てビクリと肩を震わせたGATEは仕方なさそうに剣を構える、そこにアレシアも走って来て戦線に加わり。GATEが加わった事により大幅に強化されたアルトシャーニア軍は帝国軍に対し快勝した。



DIVAの世界


「今日のレイ君カッコよかったわ、ふふっもっと好きになっちゃった」


戦闘の後、メア達と話すグレイの腕を思いっきり引っ張り自分の元に戻したGATEはそそくさとDIVAの世界に戻り。ソファに彼を座らせるとうっとりと惚れ込んだ顔で彼に抱き着くと。ニコニコと微笑みながら彼の胸に頬を当てる。


グレイは可愛くて可愛くて仕方がない妻を強く抱きしめ髪を撫でてやりながらリフレクションソードを見て新たな相棒に想いを伝える。


(頼りにしてるぜ、相棒、一緒にシアを助けよう)


グレイの想いを感じたリフレクションソードは主人の想いに答えるようにキラリと光った。

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