リィターニア家の日常8
秘密基地
騎士学園二年生になり歳は8歳になっているアリシアはあまり来れなくなっていたこの秘密基地の掃除を一人で行っていた。
「よー」
シールスが右手を上げながら秘密基地に入って来る。そして家から持ってきた箒で掃除を始めた。
「珍しいわね、あなたが掃除なんて」
騎士学園に入学した頃から大人ぶるようになり母の話し方を真似し始めたアリシアは数年前の子供らしい話し方から話し方が変わっている。屋敷で毎日娘と接するアイリスはそんな娘を微笑ましく見守っている。
「まーなー、お前一人にやらせると色々壊しそうだし」
「なっ!?、壊さないよ!」
「おーおー、喋り方崩れてんぞー」
「・・・」
母の真似をしている喋り方はまだまだ完璧ではない、なので咄嗟に言葉を出すとすぐに崩れてしまう。よりにもよってシールスに崩れた所を見られたアリシアは顔を真っ赤にしてふんっ!と言いながらそっぽを向くとせっせと掃除をする。
(良い匂いした・・・)
シールスは髪が揺れた時に感じたアリシアの髪の良い匂いを嗅ぎ。お嬢様は違うねぇと思いながら口を尖らせながら箒を振るうアリシアと共に掃除をする。
「あっ」
パリンと川で見付け秘密基地に置いた綺麗な瓶が地面に落ちて割れる。
「・・・、ほらお前一人にやらせるとどうなったか、怪我してないか?」
シールスはアリシアの全身を見て怪我をしていないかを見る。そして怪我をしていないのが確認出来るとホッとした様子で微笑む。アリシアはその笑顔を見てつられて笑ってしまい、二人の少女は瓶が割れてしまった事を楽しそうに笑い合った。
「ふふっ、割れちゃった瓶、片付けなきゃね」
「おう」




