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セブンススタイル  作者: ブレイブ
最終部、一章、サードロットと帝国
314/344

八話

GATEとの夫婦喧嘩は命がけです。

メアの側付きの部屋


「・・・」


夜、部屋に一人でいるメアは聖騎士会議に現れたGATEに想いを馳せていた。


(・・・幼い頃にアリシアはDIVAに選ばれGATEにされた、そして・・・アリシアはGATEとなった事を自分から受け入れている、しかも喜んで・・・、アレはそう言う顔です)


GATEはいつもどこか誇らし気な態度を見せている。それはメアが思った通りDIVAなら選ばれGATEとなり彼の娘であり片割れでもある自分を誇りに思っているからだ。


(私は・・・、それが悲しいのです、本来なら今も人間として生きている筈だったアリシアの運命が歪められGATEとして生きるしか無くなっている事が・・・)


(そして・・・やはりアリシアの変えられてしまった運命を悲しく思う時点で私は・・・)


メアは小さく自身の脳内での言葉の続きを声に出して言い微笑んだ。その言葉とは・・・?。



「メア?、入っても良いかな?」


しばらくしてアリシアと共に何度も夜景を眺めたテラスから街を眺めていると愛理の声が部屋の外から聞こえて来た。


「はい、どうぞ」


メアは窓の方からドアの方に振り返り愛理に入っても良いと言う。その声を聞いた愛理はゆっくりとドアを開けて部屋の中に入って来た。部屋の中に入って来た愛理はメアの顔を見ておっ?と言った顔をしてから優しく微笑む。


「どうかしましたか?、師匠」


師の笑みの意味に気付いたメアは恥ずかしそうに目を逸らしてから何用か聞く。


「ちょっとね、うちのスパイ君から連絡が来ていたのさ」


愛理はそう言うと胸元から紙のお札を取り出す。メアはお札を挟みしかも保持しておける愛理の胸に対してさっきを飛ばした。メアの殺気を感じた愛理は尻尾の毛をビビビと立てる。


「・・・はぁ、スパイって何の?」


「DIVAに対してのだよ、あんまりやると怪しまれるから一枚しかお札を渡せなかったけどね」




時は少し前に巻き戻る。


『愛理さん俺、シアと一緒に行くよ、そしてメアやあんたが強くなれる方法についてヒントを得てみる』


グレイはGATEがメアと話している間に愛理に近付き彼女と共にDIVAの世界に行くと言った。


『危険だよ?、分かってる?』


愛理は耳をペタンとさせグレイを心配しながらGATEと一緒に行くのは危険だと言う。


『分かってるさ』


グレイは愛理の目を見ながら頷く。


『ならこれを、他の世界にあったとしても声を吹き込めば私の側にあるお札に声が聞こえるから、何か情報を得たらこれに声を録音して』


その目を見てグレイなら大丈夫だと思った愛理はまたも胸元からお札を取り出して渡す。


『ありがとう』


『良いよ、ふふっ、それにあなたの目的はそれだけじゃないって事も分かってるしぃ?』


『なっ!?、俺は情報を得ようと・・・』


『はいはい、次会った時子供が出来たかどうか聞かせてねー』


『・・・』




現在


「それでもグレイは私達にとって耳寄りな情報をくれたよ!、聞いて!」


愛理はお札に魔力を送る。するとお札がグレイの声を発し始めた。


『愛理さん、強くなれそうな方法をシアから聞けた、セカンドマナだ、簡単に言うとファーストマナをもう一つ増やすって事だ、増やす方法はファーストマナを増やしたいって強くイメージする事、増える時かなり痛いみたいだけど・・・試してみてくれ、それじゃあなシアが風呂から戻って来ちまう』


グレイの声は停止した。


「グレイ・・・」


メアはグレイの声を聞きGATEを殺すと言ってしまった日、彼の事もどうせGATEとイチャイチャしたいだけだろうと思ってしまった自分を恥ずかしく想う。何故なら彼は敵陣の中で自分達の為に危険を犯してまで自分達が強くなる方法を得てくれたのだから。


「うふふ、グレイに感謝だね?、メア」


「はい、彼が帰って来たら何か美味しい物でも奢ろうと思います」


「それが良いさ、それで?、早速やってみるかい?弟子よ」


「はい」


メアは早速ファーストマナをもう一つ増やしたいと強く思ってみた。すると・・・?。


「あがぁぁぁぁぁ!?」


身体の中で魔力が暴れ回り女性が上げたとは思えない声で地面に倒れ込んだメアは叫んだ。メアが感じたこれまでの戦いでも感じた事のない痛みであった。


「だ、大丈夫?」


「凄く痛いですがなんとか・・・」


痛む体を動かし立ち上がったメアは痩せ我慢をし微笑む。


「無理しない・・・、それにしてもセカンドマナかぁ、これがアリシアがあんなに強くなった理由の一つなんだろうね、そしてセカンドマナをいつ得たかと言うと、DIVAに攫われた幼い頃だ」


「幼い頃にあんな痛みを・・・」


メアは幼いアリシアががあんな痛みを受けたと思うとそれを受けさせたDIVAに対して怒りが高まるのを感じた。


「あなたでもあれだけ叫ぶんだし私でもああなるだろうなぁ、うん・・・、今は無理だ、勇気出ない・・・」


「ええー?、私だけに体験させて自分が体験しないってのはないですよ〜師匠、ほら早くやってみて下さい」


今回はもうセカンドマナを作るつもりはないメアは。自分があのような痛みを感じてそれを促した愛理が痛みを感じないのはムカつく為。やってみろと言う。


「や、やだよ!」


メアの言葉を聞いた愛理は尻尾の毛を逆立てて全力で拒否する。


「ヤレ」


「なんでいきなり命令口調!?」


「ヤレ」


「絶対やだぁ!」


この後メアが諦めるまで弟子と師の攻防は続いた。



DIVAの世界


「あの札は何・・・?、しかもあれを見た途端、セカンドマナを得ようと・・・」


メア達の監視を行なっていたGATEはグレイの方を見る、セカンドマナの事をメア達に伝えと考えられる事が出来るのはこの場では彼しかいないのだ。


「レイ君?、正直に言ったら、許してあげるわ」


GATEはいつものグレイへの甘えた声ではなく凍え切った冷たい声で正直に言えと言う。


「あぁそうさ、俺がこの札を使って話した」


グレイは諦めた様子でポケットから札を取り出す、札を見たGATEはグレイに詰め寄ると奪い取り魔力で消し炭にした。


「あなたは私と一緒にいてくれるだけで私の敵そうだったわね・・・、それなのにセカンドマナの事について話してしまった私のミスだわ・・・、はぁ・・・私を出し抜くなんて流石はレイ君だね」


「へっ、もっと褒めろ」


自分のミスに落ち込むGATEを見たグレイは誇らしげに胸を張る。


「・・・私そこそこ怒ってるんですけど?」


それを見たGATEはグレイの顔を覗き込むと睨む。


「許せ」


「はーい!、んなわけあるか!、お仕置きよ!レイ君!」


GATEは人差し指をグレイに向けると彼を転移させた。彼を転移させたGATEはデータベースを開く。そこには下界の高高度から地上に向けて落ちて行っているグレイの姿があった。転移魔法はすぐに発動出来ず、空を飛ぶ方法もない彼は全力で泣きながら落ちて行っている。GATEは暫く様子を見て彼が地面に接触する寸前に転移させこの世界に彼を戻した。


「はぁはぁ・・・、殺す気かぁ!?」


「安心なさい、君だけは絶対殺さないから私」


「今のを体験して安心出来るかぁ!」


「なら安心出来るようになるまで往復する?」


「あー!安心出来るなぁー!あー!」


「よろしい」


ウンウンと大きな胸を腕で抱えて頷いている妻を見て。グレイは先程の体験のような事をまた体験しない為に彼女を本当に怒らせないようにしようと思うのだった。


「ねっレイ君スリルを体験したらお腹すいたでしょ?、お昼にしましょ?」


「おう、今日の飯はなんだ?」


「私が食べたいから牛丼よ」


「・・・今思い付いただろ」


「何か問題でも?」


「ないけどさ・・・」


牛丼を食べると決まれば早速作ろうそう思ったGATEは髪をポニーテールにしキッチンに近付いて行く。それを見たイチちゃんがGATEに駆け寄る。


「おねーちゃん!、手伝う!」


「あらあら、ならお願いしようかしら」


「やった!」


GATEはお手伝いをすると言うイチちゃんと共に牛丼を作り始めた。出来上がった牛丼はそこら辺の店で出て来る物よりも明らかに美味しくグレイは何度もおかわりする。自分の料理を美味しく食べてくれる夫を見てGATEは嬉しそうに微笑むのだった。

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