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セブンススタイル  作者: ブレイブ
最終部、一章、サードロットと帝国
306/344

一話

アニマプルス王国、マイオル平原


アニマプルスは獣人の国であり様々な種類の獣人が暮らしている、GATEは強い魔物も多く生息しているこの王国をイチちゃんのテスト場所として選んだ。


「おねーちゃん、私はどれと戦ったらいーの?」


早く戦いたいイチちゃんはGATEのドレスをクイクイっと引くと平原を跋扈するどの魔物と戦えば良いのか姉に聞く。


「そうねぇ・・・」


自身のドレスを引くイチちゃんが愛おしくなったGATEはイチちゃんを抱き上げてから平原を見渡す。


「分かる?、あのゾウの魔物、あれを倒してごらんなさい」


「はーい!、武器ないから貸して!」


「はいはい」


GATEは武器を持っていないイチちゃんにフォトンガンブレードを渡す。するとイチちゃんは戦闘に向かう前にデータベースで剣を調べ能力の把握を行う。


「大体分かった!」


見た目は幼いのに驚異的な理解速度を見せたイチちゃんはガンブレードをガンモードにするとゾウ型の目先に弾を着弾させた。


「!!、パォォォォ!」


目の前に弾が着弾したのを見て驚き怒りを見せたゾウ型はイチちゃんに向けて突進して来た。イチちゃんはガンブレードをソードモードに変形させると剣が届く位置にゾウ型が入った瞬間剣を振るった。その姿からは想像出来ないほどに速いスピードで振るわれた斬撃はゾウ型を一刀両断、一撃で仕留めていた。


「やるじゃない、イチちゃん」


GATEは一撃でゾウ型を倒した妹の髪を撫でる。姉に髪を撫でてもらったイチちゃんは嬉しそうに微笑んでから姉に抱っこをせがむ。GATEは優しく微笑むと妹を抱き上げた。


「ねっ!ねっ!おねーちゃん!、次は!?」


イチちゃんは次の相手をどれにすれば良いか姉に聞く。


「うーん、ん?」


GATEが次のテスト相手を選び始めた所で何者かが転移して来た気配がした。全員でそちらを見ると十人ほどの同じ制服を着た獣人達が立っていた。


「貴様ら!、不法侵入だけでなく!、魔物を殺したな!?、ここは自然保護区、我々管理部はこの自然保護区で動植物を殺したり密漁しようとした者の処刑を許されている!、今すぐ死んで貰うぞ!!」


いきなり現れた獣人達は武器を抜くと斬りかかって来た。GATEはそれを見て丁度いいテスト相手達が自分からやって来てくれたとほくそ笑む。


「イチちゃん、砲撃テストをしましょう、狙いはあの人間達、一撃で全員殺してみせなさい」


「はーい!」


姉の言葉を聞いたイチちゃんは右手を迫り来る獣人達に向けると。姉に言われた通り砲撃を放った。マイナスの物よりは威力は低いが愛理と同等かそれ以上の威力の砲撃は一撃で獣人達を消し飛ばし。その先にいた魔物達も巻き込んだ。


「良くやったわ、流石は私の妹ね」


「うん!、ねっ!マイおねーちゃん!、一緒に遊ぼ!」


姉に褒められたイチちゃんは嬉しそうに微笑む。そしてマイの方に向くと一緒に遊ぼうと言う。


「良いですよ」


マイはビームサーベルを持つと妹を手招きする。イチちゃんはGATEの腕の中から飛び出し地面に降り立つとマイと共に狩りを始めた。


「それでさぁレイ君、さっきの話なんだけど、私、君との赤ちゃんが欲しい、だからさ?、ねっ?」


イチちゃんとマイが狩りを始め暇になったGATEは夫に子が欲しいと言う。


「子供を作るのは良いけどさ、お前もう人間じゃないんだろ?、言っちゃ悪いんだが人間の俺との子供なんて作れるのか?」


グレイもGATEとの子供は欲しい、しかしGATEがもう人間ではない事を知っている為子供を作れるのか?との基本的な疑問を持っていた。その為女性にこの様な事を聞くのは憚れるがGATEに自分との間の子を作れるのか聞いた。


「問題ないわ、私・・・ファーストロットもセカンドロットもサードロットも潜入先で怪しまれないよう、人間と同じ身体構造をしているの、だから私は十八になるまで一度も疑われなかったでしょ?」


GATEが騎士学園に通っていた頃、健康診断の際、魔法で体内の健康状態を調べられた事が度々あった。しかし魔法は何も問題ないと結果を出しGATEは医師達に一度も人間ではないのではないか?と疑われた事はない。つまりDIVAの設計と改造は魔法でも分からない程に完璧であると言う事だ。


「私の体にはちゃーんと子宮があるから、子供は問題なく作れるの、だから安心してね?レイ君」


良く考えなくても恥ずかしい会話である為GATEは頬を赤くしつつグレイを安心させる言葉を言う。


「ごめんな、こんな恥ずかしい話させてさ」


「良いの良いの、君も私との子供が欲しいから不安に思っちゃったんでしょ?」


「うん」


グレイは気まずそうに頬を掻きながら頷く。


「それよりもどうするの?赤ちゃん作る?」


そんな彼の仕草を見てクスクスと笑ったGATEは可愛らしく首を傾げグレイに子を作るかどうか聞いた。


「作ろうか、俺とお前の子供」


グレイはGATEのお腹に手を触れながら子を作ろうとGATEに言った。


「うん!」


GATEは嬉しそうに頷き。自分との子を作る許可をしてくれた彼に抱き着いた。


「見て見て、おねーちゃん達ラブラブだよ」


「ふふっ、そうですね、お姉様が幸せそうで何よりです」


マイは幸せそうな姉を見てその幸せを祝福する。


「ねぇ?レイ君?、どっちが産まれるかな?、私は女の子が良いんだけど・・・」


「俺は男が良い」


「そーお?、女の子の方が色んな服を着させてあげたりして楽しいと思うんだけどなぁ」


「俺は息子と色んなところに行って遊びたいんだ」


「ふむ・・・」


「つまり私が双子を産めば良いのね!」


一連の会話からこの考えに至ったGATEは目をキラーンとさせ双子を産めば良いと言った。


「まさかお前、データベースとか言うお前の機能使って双子を作るつもりじゃ・・・」


「出来はするわね」


「おいおい・・・」


出来をするとあっけらかんと言うGATEを見てグレイは身を引く。


「でもしないから安心して、確かに女の子が私は欲しいわよ?、でも、産まれて来たのが男の子だったとしても君との子供である事は変わらない、だから私は産まれて来た子を男の子でも女の子でも思いっきり可愛がるつもりよ!」


「・・・安心したよ、つかお前の体すげーなマジで、データベースで弄り放題なのかよ」


「うん、例えばこんな事も出来るわよ?」


GATEはデータベースを呼び出し体の情報の画面を呼び出す。そしてとある部分の数値を弄った、すると・・・?。


「ワーオ」


元から大きかったGATEの胸がスイカ以上のサイズとなった。グレイはそれを見て思わずワーオと言ってしまった。


「どう?、この大きさ?」


「元のサイズがスタイルが綺麗で俺は好きだ」


少し興奮してしまったが大きすぎる胸は下品であり大きな胸を持っていても綺麗だったGATEのスタイルを崩している。その為グレイは元の方が良いと言う。


「あら、嬉しい事言ってくれるじゃない」


ありのままの自分が良いと彼に言われたGATEはデフォルト設定に体を戻す。すると胸が縮んで行き。確かにかなり大きいが綺麗さを保っているサイズに戻った。


「うんうん、お前の胸はこのサイズだ」


グレイはGATEの背後に回ると何度も頷きながらGATEの胸を揉み始めた。GATEは大好きな彼に体を預け彼の好きなように胸を触らせる。




「つーかーれーた・・・」


木の下でグレイとGATEがイチャイチャしているとイチちゃんとマイが戻って来た、戦い慣れている為余裕そうな表情のマイと初陣である為張り切りすぎたのか疲れ切った表情をしているイチちゃんとで対象的である。


「あらら・・・、おいで?」


それを見てGATEはグレイから離れると腕を開く。するとイチちゃんは先程までグレイが散々揉んだ胸に抱き着き甘えすぐに眠り始めた。余程疲れていたのだろう。


「データを見るに十分な戦闘能力ね、師匠と比べても全ての能力で優っている」


「はい」


「ふふっ、これ程の戦力があればこの世界の人間を従わせる事なんて簡単だわ、どこかの国をサードロットの圧倒的な数と戦力で滅ぼして恐怖を植え付けてやれば良いだけですもの」


「ですね、これで私達が理想とする、私達が支配する事で争いの起こり得ない世界が産まれます」


姉妹は自分達が理想とする世界が間近に迫っている事を確信し嬉しそうに頷き合う。


「さっ、お父様の元に戻りましょうか、データを渡さないと、それに・・・ね?、レイ君」


「お、おう」


意味ありげな視線をグレイに送るGATE、グレイは少し緊張した様子で頷いた。マイは緊張している彼に近付くと肩を叩く。


「応援してますよ、頑張って下さい」


「余計に緊張するからやめてくれる?」


「やです、あなたの反応面白いので」


「そう言う人を揶揄うのが好きな所お前達姉妹はよーく似てるよ・・・」


「フフン、当たり前です、なんだって私達は姉妹ですから、ねー?」


「ねー」


姉妹で、ねー、し合う姉妹。グレイはそんな彼女らを見てため息を吐く。そのため息を聞いたGATEがニコニコ顔をこちらに向けた瞬間うっとそっぽを向いた。GATEはそんな彼を見て口元に手を当ててクスクスと笑うと夜の事を思い心を躍らせながらDIVAの世界に戻って行った。




王都アルトシャルセン


「・・・、あの人って本当になんなのかしら」


ニアは窓から既にまだ怪我が完治していないと言うのに元気に走り回りトレーニングを始めている愛理を見て化け物とはああ言うものを言うのだろうなと思った。そして部屋の中で眠る一人の少女に視線を送る。


「メア・・・、あなたに母さんを絶対に殺させたりなんてしないからね」


GATEがDIVAの世界に帰った後すぐに気絶し今まで一度も目覚めないメアの髪を撫でながら。ニアは絶対にメアにGATEをGATEにメアを殺させないと誓う。

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