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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第四部、最終章
302/344

限界を超えても!!

今部のラスボス、GATEとの戦いの始まりです。

GATEはラスボスですので今回から暫くは主人公から外れ完全な敵キャラクター扱いになります。

次部からは元通りGATEが主人公として復帰します。

スイールガーデン王都、王城


メア達は王城の中に入った、そこには避難して来た市民達が身を縮こませて怯えている。


「あなた方にとって最大の敵である者がこの王城の最上階にいると言うのに、何故市民の皆さんがここに?」


メアは近くの兵士に近付くとGATEが最上階の王室にいるのに何故市民達がここに避難しているのかを聞く。


「この王城には空から降り注ぐ炎の雨の影響はなく、巨人達も攻撃を仕掛けてこないのです」


(・・・確かに、この王城は燃えた様子がない、ギルス達も攻撃をして来ない・・・、自分が暫く滞在するこの王城に攻撃が及ぶのを嫌ったのでしょうね、そのお陰で何人かの市民は助かっている、でも・・・私達が負ければその瞬間にこの王城を王都ごと消すつもりでしょう)


ギルスが蹂躙しているとは言え王都にはまだ数万の住民が暮らしている。メア達は彼等を守る為にもGATEを倒さなくてはならない。


「教えてくれてありがとう、この惨劇を起こしている元凶は私達が倒します、皆さんは隙を見て王都の外に脱出を」


「・・・今その為の兵の準備をしているところです、元凶の討伐、お願いいたします」


「はい」


(討伐はしないのですがね・・・)


メアは仲間達の元に戻ると階段を登り王室に向かう。




王室


メア達は扉を開けてGATEが待つ王室に入った。部屋の中を見るとGATEが足を組んで王座に座り紅茶を飲みクッキーを食べながら街の惨劇を楽しげにマイと話しながら眺めていた。


「アリシア!!」


メアは彼女の楽しげなその様子を見て思わず怒声をあげた。それを聞いてもGATEはメア達を無視しマイと話し続ける。


「くっ!」


メアは肩を怒らせGATEに近付くと机を蹴り飛ばす。紅茶を淹れたティーカップが床に落ちて割れクッキーが派手に地面にばら撒かれた。


「何をそんなに怒っているのかしら?」


GATEはようやくメアの方を見てメアが怒る理由を聞く。


「怒るに決まっているでしょう!?、あなたはこの数時間で数え切れないほどの人々を殺した!、それなのに・・・、それなのに!、あなたは紅茶を飲んでお菓子を飲みながら街を眺めて笑っている!、それは絶対に・・・、絶対に許されない事です!」


怒りを見せるメアは言葉と共に大きく腕を振るう。


「ふふっ、言ったでしょう?、人間なんて幾らでも増やせると、だからさぁ、私にとってこの王都に住む人間なんて幾ら死のうと関係ない、寧ろこの王都が燃える様子が私にとっては最高の娯楽ね」


王都が燃える様子が最高の娯楽、そう言ったGATEはメアの顔を見上げ邪悪な笑顔を見せた。その笑顔は更にメアを怒らせる。


「人が死んでいるのにそれが最高の娯楽!?、あなたは・・・なんで、なんでそんな風になってしまったのですか!、誰よりも他の人を守ろうとしていたあなたが何故!」


「その理由は、その頃の私こそ偽りだったからよ、メア」


「偽りなんかじゃありません!、あの頃のあなたこそ本当のあなたです!」


「違う、今の私こそ本当の私」


「絶対に違う!」


「あなたこそ違う」


話は平行線。GATEと話すメアの瞳からは涙が流れ始める。


「意味が分からないわね?、何故泣く?、人間って本当に理解不能だわ」


「メアはお前の為に泣いてるんだ、そしてお前だってその人間だったんだ、アリシア」


涙を流すメアの肩を抱くオーグルがGATEも人間であったと伝える。


「フン、あなた達無駄二人の娘であった事も含めて反吐が出る事実ね、本当にお父様の娘に慣れて良かったと心から思うわ」


人間であったと言われたGATEはその事を反吐が出ると言う。それを聞いてオーグルとアイリスは顔を俯かせた。


「あなたが生まれたのは・・・!」


「黙れ人間、いい加減にしつこいわ、あなたの言葉は聞き飽きた」


メアの言葉を遮って話すGATEは立ち上がると右手にエリシャディアを持つ。


「マイ?、下がっておきなさい、これから少しだけ遊ぶから」


「はい、お姉様」


下がっておけと言われたマイは部屋の隅に向かう。


「さぁ?戦いましょう?、少しは私を楽しませてね!」


GATEは無数のソードビットを召喚しメア達に差し向ける。


「みんな!、今日でアリシアを取り戻します!、全力で行きますよ!」


「おお!」


メア達は飛来するソードビットと相対する。


GATEとメア達、かつては仲間であった者達の戦いが始まった。




「落ちろ!」


「喰らえ!」


飛来するソードビット、シールスが炎の壁でビットの勢いを鈍らせ、グレイが鉄の壁でソードビットを防ぐ。鉄の壁に激突したソードビット達は次々と爆発して行く。


ソードビット達はすぐに炎と鉄の壁を避けて左右に回りメア達の左右に並び立つ。並び立ったソードビット達はバスタービットに変形しビームを放って来る。


「ホーリーシールド!」


アイリーンが光の盾でビームを防ぐ。愛理とメアは頷き合うと左右のバスタービットをブラスターで纏めて消し飛ばした。


「フッ、こんな短時間でビットを潰すなんて、やはりあなた達は私を楽しませてくれるわね」


剣を構えていないGATEは口元に左手を当ててクスクスと笑う。そして左手に当てていた左手を振るうと先程よりも数が増えたビットが現れ。今度は動く事なくその場からビームを放って来た。


「ミラーシールド!」


シメラが仲間達に当たる範囲にだけ攻撃を跳ね返す盾ミラーシールドを張る。ミラーシールドは見事その効力を発揮しバスタービットが放ったビームをGATEに向けて跳ね返す。


GATEは飛来する自身のビームを見て指を鳴らす。すると一瞬にして跳ね返って来たビームが消えた。


「なっ!?」


「・・・!、上だ!」


グレイが上を見るとそこには魔法陣、GATEは無数のビームを纏めて転移させメア達に向けて降り注がせたのだ。


「くっ!」


ニアは慌てて影を展開し仲間達を影の中に取り込もうとするが影が発動しない、前方を見るとGATEが闇の魔力を放ちながら左手を上げていた、どうやらニアの影の発動を止めているようだ。


「喰らえ」


「みんな!避けて!」


こうなればメア達に出来る手段は避ける事だけだ、彼女達は必死にGATEのビームを避ける。


「みんな怪我は!?」


「大丈夫よ!」


「こっちもだ!」


愛理が仲間達に怪我をしていないか聞いた。仲間達はそれを聞いて無事だという幸い誰も被弾しなかったようだ。


「・・・それにしても何という強さだ、俺達はこの数分でここまで右往左往させられたと言うのに、アリシアはあそこから一歩も動いていない・・・」


オーグルはバスタービットを従えこちらに向けて冷たい視線を送ってくるGATEの力を恐ろしいと感じた。


「しかし、勝たないと沢山の人が死にます」


「ええそうよ?、あなた達が私に負けたらこの王都を跡形もなく消しとばしてあげるわ?」


メアの言葉にGATEが口を挟む。先程のメアの予想通りメア達が負ければこの王都を滅ぼすつもりのようだ。


「俺達も殺すのか?」


「いいえ?、あなた達にはもっともっと私のおもちゃになって貰うつもりだからここでは殺さない、この王都が滅びる様子を私と一緒に空から見させてあげるわ?、楽しみにしていてね?」


「楽しみに出来るかよ!、そんな事!」


シールスが炎の斬撃を連続してGATEに向けて放つ。しかしその斬撃はシールドビットに防がれた。


「くっ、ビットが厄介です・・・」


「潰しても潰しても新しく召喚される、どうすれば・・・」


このままではGATEを一歩も動かせないまま負けるそう考えたメア達はビットを突破する方法を考える。GATEはあくびをしながら下等生物と見下す人間達が作戦を考えている間に右足から伝わせ魔法陣を足下に敷く。


「下等生物が考えても考えなんて浮かばないわ?、だから教えてあげる、攻撃ってこうするのよ?、爆破魔法陣よ、分裂しながら移動せよ、起爆」


「!?」


GATEの詠唱通り、魔法陣が分裂しながら移動しメア達それぞれの足元に取り付くと爆発した。強烈すぎる爆発に巻き込まれたメア達の意識は飛び。全員五体満足だが力なく地面に倒れる。


「あらあら?、この程度で倒れるのかしら?、私はスタイルの力すら使っていないし杖すら持っていない、その状態で魔法とビットを使って戦う私に負けるのかしら?、なんて情けないのかしらねぇ?」


GATEは自身を一歩も動かせず地面に倒れたメア達を再び口元に手を当てて嘲笑う。


「煩いです、あなたの攻撃なんて痛くない!、この程度で負けませんよ!」


メアはフラフラと立ち上がりゼロの魔力を解放する。それに習って仲間達もとある目的の為、立ち上がり魔力を解放した。


「あなたもこの魔法の事は知っているはず!、奇跡よ!起これ!、ウラノメトリア!」


メアは放たれる仲間達の魔力を集めるとウラノメトリアを放とうとする。しかし、GATEはそれを見てニヤリと微笑むと指を振るった。その瞬間メアが集めたウラノメトリアの魔力が消失する。


「ざぁんねーん、消しちゃいましたー」


「そ、そんな・・・」


ウラノメトリアは技を放つ者に複数人で魔力を注ぎ込む技、敵の防御力を無視して大ダメージを与えれる代わりに膨大な魔力を消費する。その為殆どの魔力を失ったメア達は皆地面に倒れた。


「切り札すら発動せず負けた気持ちはどーお?、悔しいかしら?、うふふ、あはっ、あっはははは!!」


GATEは惨めに地面に倒れるメアを嘲りながら彼女に近付くと顔を踏み付けグリグリと踏み躙る。


「くうう・・・、ま、まだぁ!!」


メアは倒れた状態で手と足で地面を蹴りGATEのヒールの下から抜けて立ち上がると。体に大きな負担が掛かるのを承知で無理矢理に魔力を引き出しスタイルバーストを発動させる。その瞬間メアの鼻から鼻血が流れ出し左目からも血が流れ出したがメアは気にせず魔力を高めて行く。それを見た愛理も立ち上がるとゼロフォームを無理矢理に発動させた。


(死にますよ!?ご主人!)


「構わない!、ここで負けたら沢山の人が死ぬ!、そんなの絶対ダメだ!、はぁぁぁぁ!」


愛理はハナの警告を無視し魔力を高める。体が軋みメアと同じように顔の各部から血が流れ出す。それを気にせずに愛理は己のフル出力を無理矢理に発揮した。


「み、みんな少しでも良い!!、二人に魔力を送るんだ!」


「ああ!」


もう動けないシールス達も無理矢理に魔力を捻り出して二人に魔力を送った。その魔力を受けてメアと愛理の体は更に強く光り輝いた。


「はぁはぁ、行きますよ・・・、アリシア」


「覚悟・・・してよね」


満身創痍の状態で全力を発揮する二人は肩で息をしながらGATEを睨む。


「ええ、かかって来なさい、第二ラウンドの開始と行きましょう?」


GATEは左手にフォトンガンブレードを持つ。その瞬間にメアと愛理は地面を大きく吹き飛ばしながら駆け出し、GATEに斬りかかる。


限界を超えて力を発揮するメアと愛理とその敵GATEによる第二ラウンドが始まった。

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