街を巡る機械の兵士達
第四部最終章は話数は無しの代わりに一話ごとに題名を付けます。
スイールガーデン、王都
メア達は遠方から王都が燃えているのを見て駆け出し。そして間近で王都が炎に包まれ無数の機械の兵士、ギルス達に蹂躙されている街を見て絶望した表情を見せる。
「これをアリシアが・・・、なんて事を・・・」
GATEの魔力をこの王都から感じる事からGATEがここにいると察しているメアは、GATEが起こしたこの惨劇を目の当たりにして俯く。すると目の前に強大な魔力を持つ者が現れる。力を感じたメアが顔を上げると邪悪な笑みを見せるGATEが目の前に立っていた。
「そう、そうよ、その顔が見たかった、あなたの絶望している顔がね!、あはは!」
見たかったメアの絶望している顔を見れたGATEは満足気に笑う。
「アリシア!、今すぐやめろ!、この王都とここに住んでいる市民に何の罪がある!」
オーグルがGATEに詰め寄り今すぐ街にしている事をやめろと言う。
「お断りね、先に言っておいてあげるけど、下等生物の癖に私の力を感じても絶望せず私を怒らせたあなた達が悪いの、ふふっこれからギルス達を倒しながら王城の王室にまで来なさいな?、そこで私と遊びましょう?」
GATEは口元に手を当ててクスクスと笑いながら転移して行った。
「やめるとは言ってねーな・・・」
GATEが王室に来ればこの惨劇を止めると一言も言っていない事に気付いたシールスがその事を言及する。
「前のアリシアならあんな顔もこんな事もしなかった・・・、アリシアが変わってしまったのはDIVAが原因・・・、私は彼を絶対に許しません!」
メアはGATEが元の性格から変わってしまった原因であるDIVAに怒りを見せる。
「あぁ絶対に許さねぇ、でもあいつはここにはいない、今はあいつへの怒りは忘れてシアを止める事に集中しよう」
グレイがDIVAの向けて怒りを見せるメアに今はGATEを止める事に集中しようと言った。
「分かっています」
メアはグレイに向けて頷くと今まさに何人もの人々を殺して行っているギルスに斬りかかり。一刀両断した。
「やるね!メア!、この調子でどんどんギルスを倒していくよ!」
愛理はレベンに会いたい気持ちを抑え仲間達と共に街を襲うギルス達に立ち向かって行く。彼ならこの惨劇を確実に生き残れると信じて。
王室
「お帰りなさい、お姉様」
GATEが王室に戻るとマイが出迎えてくれた。GATEは彼女の髪を撫でてから王座に足を組んで座る。
「ただいま、さぁマイ?、この素晴らしい光景を眺めながら紅茶でも飲みましょう?」
GATEが座る王座の前にはガラス張りの壁がある。そこから普段王は城下町の美しい風景を眺めていたが。現在はGATEが城下町の惨劇を眺める為に使う事となった。
「はい、紅茶淹れますね」
マイは紅茶を淹れるとティーカップをGATEに渡す。GATEは自身の力により蹂躙される人間達を王室から見下し見降ろしながら紅茶を飲みクッキーを食べる。
その表情はただただ楽しげであった。
城下町
GATEが魔法で作ったギルス達は次々と住民達や兵士達をビームで消滅させて行っている。このギルス達はGATEが作ったもの即ちこのギルス達が人々を殺せば殺すほどGATEは罪を明かしているのと同義である。
メア達はこれ以上GATEに罪を犯させない為にも本物のギルス達よりは性能が低い彼等を次々と倒して行く。
「はぁぁ!」
アイリスは白い刀身を持つ愛剣に赤い光を灯すと突進し胴体部を貫いた。この攻撃でギルスは爆発した。しかし攻撃直後のアイリスに一体のギルスが真後ろから斬りかかる。
「アイリス!、後ろを警戒するのを忘れてるぞ!」
オーグルが振り下ろされた腕を斬り落としアイリスを守る。
「・・・ごめんなさい」
まだ戦いの勘が戻り切っていないアイリスは恥かし気に夫に謝る。そんな二人に一体のギルスがビームを放つ。それを見た夫婦は頷き合うと同時に回転切りを放ちビームを弾き返し、弾き返されたビームを身に受けたギルスは爆発した。
「流石ね!、おじさん!おばさん!」
ニアは闇でギルスの足元を固定して動けなくしシメラの方を見る。幼馴染の視線を受けたシメラは頷くと。マジカルショットでギルスの四肢を撃ち抜き、最後にシールスが炎でギルスを溶かし消滅させた。
「どんどん行くよ!、モード!精霊王!」
愛理が精霊王モードに変身し、ホーリーソードを発動させると一気に十体程のギルスを斬り伏せた。
「やりますね!、流石ですよ!愛理さん!」
メアは愛理と並び立つとバスターを分裂させ愛理と同じく一気に十体のギルスを仕留めた。
「一気に来たぞ!」
何体ものギルスを仕留めた事でターゲットにされたのか無数のギルス達がメア達に向けて斬りかかって来た。
「プラチナモード!、プラチナブラスター!」
「インフェルノモード!、インフェルノブラスター!」
金色の光と紅蓮の炎が突然現れ。二つのブラスターでギルス達を一気に仕留めた。
「お二人共!」
「おう!、ここは私と明日奈でどうにかするからみんなはアリシアの所に行きな!」
「早くあの子を止めてこの惨劇を止めなさい!」
「明日奈さん、メリアさん・・・、分かりました!」
メアは二人なら大丈夫だと判断し王城の方に向かおうとするが。走り出す前に一人の男が転移してくる。大学の教職員としての服を着たウォーリーだ。
「ウォーリーさん!、来てくれたんですね!」
「ええ、王都が燃えているとなれば放置出来ません、この炎は僕が止めます!」
「へへっ、任せるぜ、ウォーリー」
炎を止めると言ったウォーリーにグレイは近付くと拳を当てる。
「私も彼に協力させて貰おう」
更に一人の男の声、その声に特に反応したのは愛理で慌てて声がした方向を見る。そこにはウォーリーをこの場に呼んだレベンがいた。愛理はその顔を見ると居ても立ってもいられず抱き着いた。
「レベンさん!」
「君は・・・?、くっ・・・」
レベンは抱き着いてきた愛理が堪らなく愛おしくなり抱きしめる。その瞬間頭痛が走るのと同時に愛理と過ごした様々な時間が舞い戻って来る。
「・・・、久し振りだな愛理、暫く君の事を忘れていた、すまない」
愛理の事と仲間の事を思い出したレベンは忘れていた事を申し訳なさそうに妻に謝る。
「いいの、思い出してくれただけで嬉しいから・・・、街をお願いするね!、レベンさん!」
愛理はレベンに笑いかけると離れメア達と共に王城に向けて走って行った。
「さぁウォーリー君、君の魔術の力と私の魔術の力を合わせこの惨劇を止めるぞ!」
「はい!、レベンさん!」
レベンとウォーリーの燃え盛る炎を止める為の戦いを始めた。




