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セブンススタイル  作者: ブレイブ
プロローグ
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二話

アリシアの部屋


アリシアはキッチンに立ち自分とメアの分の朝食を作っている、メニューはバターを塗って焼いた食パンにコーヒーだ、ちなみに先程メアがアリシアの部屋で眠っていたのは、ボスに部屋が準備出来ていないので、アリシアの部屋で一先ず寝てくれと言われたかららしい。


「出来たわよ、それで?、あなたってこれからどうするつもり?、この私のお陰で目的の一つは終わったのよね?」


「ありがとうございます、これからについてですが、取り敢えずエンジェルズのエージェントになりました、ここにいて何もしないわけにはいきませんからね、それとアリシアさん以外のスタイルの能力者を探すつもりです」


つまりアリシアと同じく新米エージェントと言うかわけだ。


「そっ、なら同僚としてもこれからよろしくね」


「はい!、あっもう一つボスに言われたんですけど、アリシアさんとコンビを組めって言われました、良いですよね?」


「勿論オッケーよ」


「やった!」


メアはアリシアとコンビが組めて嬉しかったのかガッツポーズをした、アリシアは彼女の仕草を見て微笑む。


「さてと、それじゃ仕事に行きましょうか」


「はい!、初仕事です!」


初仕事にワクワクドキドキしているメアはアリシアと共に部屋を出た。



エンジェルズ一階ロビー


「あら、今日はちゃんといるのね」


「俺がいつも寝てるみたいな言い方をしないでくれますかね?」


「事実じゃない」


「・・・仕事やらんぞ、このクソガキめ」


「べー」


見事なあっかんべーをしているアリシアを睨みつつ、ビラスはこの日の朝配布された三枚の新人向けの依頼書を二人に見せて来た。


「町の正門の警備に、荷物運び、それと国道近くに出た十匹のゴブリンの退治ですか」


「ゴブリンの退治をやりましょっか、メアの実力を見ておきたいし」


「コンビを組むに当たって互いの実力を知るのは重要ですからね、分かりました、ビラスさん、この依頼を受けます」


メアはゴブリン退治の依頼を指差し受けると言った。


「了解だ、ここに触れてくれ」


エンジェルズの個人登録は指紋認証で行われている、その為、ビラスが差し出したプレートに触れるだけで依頼を受ける者を登録する事が出来るのだ。


「確認した、それじゃ頑張って来い」


依頼を受けたアリシアとメアはエンジェルズから出て町に出る。



オルビアの町


オルビアの町、この町には大抵の施設が揃っている、アリシアが幼い頃から通っていた品揃えの良いノメッツの雑貨屋や、武器屋に防具屋、そして薬屋に車屋もある、そして・・・。


「ファントムが町中を普通に歩いてるんですね」


ファントムと言う、十八メートル級の人型ロボットを売っている店もある、ファントムは低級の機体でも一機五百万ゴールドと高く、アリシアのような新米エージェントではどうやっても手が出ない、買えるとしても上級エージェントになってからだ。


「そうなのよ、お金持ってるからって見せびらかしてさぁ、私だって欲しいのに」


アリシアには夢がある、それは自分のファントムを手に入れる事だ。


「そうなのですか、なら頑張ってお金を貯めましょう!、協力しますから!」


「メア・・・、あなた良い子ね!」


ファントムを購入する為の資金集めに協力してくれると言うメアの言葉に感動したアリシアは、メアに抱き着き抱きしめる。


「苦しいです・・・」


「私の感謝の気持ちを素直に受け取りなさいな」


「ムー」


女二人で戯れていると、アリシアが十五歳になるまで暮らしていた孤児院が見えて来た。


「懐かしいな、私、一ヶ月前まではここで暮らしてたの」


「へぇ、アリシアさんの実家と言う訳ですか」


「うん、親の記憶なんて無い私にとってここが実家で、保母さん達が親だったわ、ここまで私を育ててくれた事、本当に感謝してるんだ」


アリシアは感謝の気持ちを示す為、ファントムを買うと言う夢があるが、エンジェルズに入ってから稼いだ報酬の一部を孤児院に渡している、それが親のいない自分を育ててくれた孤児院へのお礼なのだ。


「ふふ、いつか私に保母さん達を紹介して下さいね?」


「勿論」




国道十二号線


ゴブリンが出た場所はオルビアの町から三十分ほど歩いた場所だ、アリシアとメアは舗装された道路をのんびりと歩いている。


「気持ちの良い天候ですねぇ」


「そうねぇ」


道路の左右は一面の草原、そこに気持ちの良い風が吹いておりとても心地よい天候だ、町の近くには魔物は近寄ってこない為、草の上に寝転がり日光浴をしている者もいる。


「ほらメア、さっき買ったサンドイッチ、ゴブリンがいる場所はまだまだ先だし、戦闘に入る前にお腹を膨らませておきましょう」


「ありがとう」


アリシアからサンドイッチを受け取ったメアは一口食べる、アリシアも一口食べた。


「このサンドイッチ!、とても美味しいです!」


「でしょお?このアリシア様のお気に入りのお昼ご飯なんだから当たり前なんだけどね」


メアがサンドイッチを美味しいと言ったのを聞き、アリシアは誇らし気に胸を張る。


「この味で200ゴールドでお得ですし、毎日食べたくなりますね」


「確かにね、でもね?あの町ってまだまだ美味しいものを出す店が沢山あるの。これからたっぷりと案内してあげるから、楽しみにしておきなさい!」


「ほほぅ・・・、心しておきます」





昼食を食べ終わった頃に丁度、十匹のゴブリンが出た場所に着いた。アリシアとメアは二人で岩陰からゴブリンの様子を覗く。


「いるわね、五匹」


「はい」


アリシアはメリーを抜く。メアは背中に装備していた大きな武器を構える。


「エナジーライフルか、良いの持ってるね」


「アリシアさんのガンブレードこそ高級品じゃないですか」


「これを買う為のお金を稼ぐ為に孤児院でどれだけのお手伝いをしたか、いつか聞かせてあげるわ」


「あっ、別にいいです」


「なによぉー」


アリシアがメアに向けてブーブー言っていると、ゴブリン達が動き始めた、それを見てアリシアは黙る。


「誰もこちらを向いていない今がチャンス!メア!ここからあいつらに向けて撃って!私が突っ込む!」


「了解です!」


アリシアが駆け出し、メアがエナジーライフルを放つ。エナジーライフルは魔力をエネルギーに変えビームを放つ仕組みであり、込める魔力を上げれば上げるほど威力と射程が高まる仕組みだ。今回は背後から確実に仕留める為に高威力に設定し放っている。


メアが放ったビームはゴブリンの背中を捉え、一撃で貫通した。続けて三発のビームも命中し同じく仕留めた。


「やるわね!」


アリシアはメアのビームの威力の高さに感心しつつ、雷撃をゴブリン達に放つ、アリシアが放った雷撃に痺れたゴブリン達は動きを止めた。


「喰らえ!」


アリシアはガンブレードをガンモードにし、二発弾を放つ。正確な射撃はゴブリンの胸を捉え二体のゴブリンは絶命する。更にアリシアは二体のゴブリンを斬り伏せたが、その間にアリシアの雷撃の効果が切れたようで、ゴブリンが飛びかかってきた。


「当てます!」


メアがビームを放ち飛びかかって来た内の一体を撃ち抜く。アリシアはメアの援護に感謝しつつ、体を回転させ、ゴブリンの攻撃をかわすと、そのままの動きで回転斬りを放ち、最後の一体を仕留めた。


「やったわよ!メア!」


「はい!初仕事、成功です!」


メアは初仕事の、アリシアはメアとコンビを組んでから初めての仕事の成功を喜び、二人はハイタッチする。


「さっ、帰りましょう」


「はい」


仕事を成功させた二人は報酬7000ゴールドを迎えに、オルビアの町に帰って行った。

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