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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第四部、七章、友の記憶を戻す旅
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三十話

メア達が泊まるホテル


GATEが泊まるホテルから自分達が泊まるホテルに戻ったメアとグレイとアリシアの両親はGATEの説得に失敗した事を伝えた。しかしそれを聞いても仲間達は落ち込んだりはしない。成功するまで何度でも説得と決めているからだ。


「今あたし達に出来るのは次の目的地決めだよな、愛理さん、次はどこに行くんだ?」


シールスが愛理に次の目的地を聞く。


「残りは七人、私の夫レベンさんがこの国の王都にいる、だから私個人のお願いとして記憶を戻しに行かせて欲しいんだ」


愛理は頬を染め照れた様子で夫の元に行きたいと言う。尻尾は照れている為忙しなく振られている。


「勿論、良いですよ愛理さん、大好きな人に会いに行きたいって気持ちはよく分かりますから」


そう言ってメアはチラリと大学から同行して来ていたウォーリーを見る。メアの視線を受けたウォーリーは首をかしげるだけだった。それを見てメアはグヌヌとなりそっぽを向く。


「どうしたのですか?メアさん」


メアにそっぽを向かれたウォーリーは彼女にどうしたのか聞く。


「なんでもないです」


「そういう風には見えませんでしたが・・・」


「気にしないで下さい」


「は、はぁ・・・」


(成り行きとは言え自分から告白したアリシアの方が度胸あるな、応援する立場としては苦戦しそうだぜ)


(好きだからこそウォーリーさんにツンツンしちゃってるのよねメアは、まずはそこをどうにかさせないと・・・)


シールスとニアは密かに身を寄せ合うと小声で話す。二人とも友としてメアの恋を応援しているのでなんとしてでも二人を付き合わせようとしているのだ。アイリーンとシメラはそんな二人を不思議そうに見ている。


「さて、次の目的地が決まったと言う事は皆さんはこの街から離れると言う事、私はこれで帰るとしますこれから大学で講義をしなくてはいけませんし、素材について何か分かれば通信魔法で連絡しますね」


椅子から立ち上がったウォーリーはドアの前に立つと仲間達にペコリと頭を下げ去って行った。


「ああああ・・・、折角のチャンスを私はなんで・・・」


ウォーリーが出て行ったドアを見つめるメアはガックリと肩を下げて何も進展出来なかった事を落ち込む。


「まだまだチャンスはあるさ、なっ?メア」


シールスはメアに近付くと優しく肩を叩く。


「はい・・・」


シールスのまだまだチャンスはあると言う言葉を聞いたメアは少しだけ元気になり彼女に向けて頷いた。


「それでは、私達も行きましょう」


「あら?ウォーリーさんの所?」


「ちーがーいーまーす!、次の目的地にです!、もう!揶揄わないで下さい!」


「ごめんごめん、ついね」


ニアに揶揄われプンスカ怒るメアは腰に剣を付けると先に部屋から出て行く。ニア達はそんなメアに苦笑しながら後を追ってホテルから出る。



GATEとマイナスが泊まるホテル


メア達が街から離れてから五時間後、海から戻ったGATEとマイナスは風呂に入っていた。


「痒いところはないですかー?」


GATEに桜色のショートヘアな髪を洗って貰ったマイナスは。ご機嫌な様子でGATEの綺麗な髪を洗っていた。


「ないわ」


GATEは目の前の鏡越しにマイナスと目を合わせるとお礼を言う。


「いえいえです!」


またまたご機嫌な声でGATEにマイナスは返事を返す。


「一度流しますねー」


「ええ」


流すと聞いたGATEは目を閉じ。マイナスはそれを鏡越しに確認してからお湯で泡を洗い流す。次にリンスを手に取るとGATEの髪に付け再び洗い流した。最後にタオルで長い髪の毛を纏めると完了だ。


「ありがと」


短くGATEは髪を洗ってくれたマイナスに礼を言う。そしてスポンジを手に取ると自分で体を洗い始めるマイナスも横に並ぶと体を洗う。


「やっぱり、お姉様のそれ、ペタンコな私にとっては羨ましいです」


チラリとGATEの胸を見たマイナスは大きく形の良いそれを羨ましいと言う。


「あなたのその体って何歳として作られたんだっけ?」


「十二歳だそうです」


「成長もするのよね?その体」


「はい、プラスと私の二体だけ作られたセカンドロットは成長するように作られています」


「ならこれからよ、私だって十二歳の頃はまだまだ小さかったわ」


と言いつつ同年齢の女の子達より大きかったのはマイナスには秘密である。


「そうなのですか・・・、お姉様も私と同じ頃は小さかったのならまだまだ希望はありますね!」


マイナスと同年齢の頃のGATEの胸はマイナスより遥かに大きかったのはマイナスには秘密である。


マイナスが自身の体の将来を夢見てウキウキワクワクしているとGATEがシャワーを手に取りマイナスにお湯をかけ始めた。


「えへへ、ありがとうございます、お姉様」


「次は私の体の泡を洗い流してね」


「はい」


姉妹で仲良くお湯を掛け合い泡を落とし終えると二人は湯船に浸かる。


「さて、お湯で温まっているうちに少しお仕事をしましょうか」


GATEはそう言うとデータベースを呼び出しメア達の様子を探る。


「街道を歩いていますね、次の町に向かっているのでしょう」


「仲間集めの続きね、今度は誰の記憶を戻すつもりなのやら」


「今回はどうしますか?、また邪魔をするのですか?」


「今回はいいわ、それよりも私の能力の強化を行う」


そう言ってGATEは画面にとある地点を映し出させる。


「先日気に入った物が見つかったと言っていた、お姉様の新しい杖がある場所ですね!?」


「そう、ここに私の新しい杖がある、明日早速取りに向かうわ、良いわね?、マイナス」


「勿論です!」


マイナスは元気良く返事をし頷く。GATEはその可愛らしい仕草を見て微笑むと自分も立ち上がり彼女の頭を撫で共に風呂から上がった。


「それにしてもマイナスって何か味気ないわよね」


「そうですか?」


「ええ、あなたはこんなに可愛いのだから可愛いニックネームを付けてあげたいわ」


GATEは体を拭きながらうーんと悩み始める。マイナスはチラチラと姉の方を見ながら体を拭きメイド服を着る。


「マイ、うん、あなたのニックネームはマイよ」


「マイ・・・、私、ニックネームなんて初めて付けて貰いましたからよく分かりませんが、お姉様が付けてくれたのです!、大切にします!」


「ふふ、あなたのそう言う素直な所、本当に可愛い」


素直なマイナス・・・マイの言葉を聞いてGATEは可愛いと言う。姉に可愛いと言われたマイは照れ照れと頬を掻く。


照れるマイを見て楽しげにクスクスと笑ったGATEは妹の手を引き部屋に向かい椅子に座ると自分の膝の上に彼女を座らせ後ろから抱きしめる。


「これから夕食が運ばれてくるけど、メニューは何かしらね?」


「お肉が食べたい気分なのでステーキと予想します」


「あら?、お魚かもしれないわよ?」


「うむむ、お魚も捨てがたいですね・・・」


姉妹は仲良く夕食の予想を始める。結果運ばれて来た料理は?。


「フフン、です」


「やるじゃない」


マイの予想通りステーキをメインとした物であった。それを見たマイは誇らしげに胸を張りGATEは感心した様子で妹の顔を見る。


「さっ食べましょう、美味しそうだわ」


「はい!」


姉妹は会話をしながら夕食を食べ始める。




『GATEよ、覚醒してからそれなりの日が経ったが、体に異常はないか?』


夜、GATEは眠るマイの髪を撫でていた。するとDIVAがデータベースの通信機能を使い連絡して来た。データベースの画面にはDIVAの顔が映し出されている。


「問題ないわ、お父様の調整は完璧よ」


『そうか、なら良い』


DIVAは娘の口から体は問題ないと聞き安心する。


『世界の様子はどうだ?』


「帝国が怪しげな動きをしているわね、戦力の増強を続けているわ」


『戦争を始める気か?』


「恐らくね、彼等の目的はこの世界の覇者となる事ですもの」


GATEは帝国がこの世界の覇者となろうとしているのを気に入らないと言った態度を見せる。この世界は自分の片割れであるDIVAが作った世界、ならば自分達が覇者となるべきとGATEは考えているのだ。


『生意気だ、そう思っているのだろう?』


「ええ、この世界は私達の物、そうでしょう?」


『違いない、生意気で愚かな帝国が動き始めた時、お前にサードロットを貸し出す、潰せ』


「あはは!、お父様ならそう言ってくれると思ってた!、任せなさい、確実に私が帝国を跡形もなく潰すわっ!」


父に帝国を潰す許可を貰ったGATEは声を弾ませ喜ぶ。自分達の世界を勝手に支配しようとしている愚か者達を自分の手で滅ぼせるのが嬉しいのだ。


『任せたぞ、我が娘であり片割れよ』


「ええ、お父様」


『それではな』


DIVAは通信を切る、マイナスは帝国を自分の手で潰すその瞬間を想像し心躍らせる。

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