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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第四部、七章、友の記憶を戻す旅
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十七話、VSクラーケン

旅客船


クラーケンは船に向けて触手を振り上げると振り下ろす。


「フュージョンモード!にシールドビット!」


大勢の客が乗る旅客船を守らなくてはならない今手を抜いてなどいられない。アリシアはフュージョンモードに変身すると。大量のシールドビットで振り下ろされて来た触手を防ぐ。


「やるね!流石だよ!、ゼロファーム!、ゼロ!ブラスター!」


愛理も手を抜かない。テレシアを褒めるとゼロブラスターをクラーケンに向けてお見舞いした。クラーケンなどの巨大な魔物はその巨大な体に豊富な魔力を保有している。愛理のブラスターを防げるくらいの量の魔力を。彼もそうであったようでシールドで愛理のブラスターを防いだ。


「うっそだろ・・・、愛理さんのブラスターだぞ・・・」


「それが巨大な魔物の厄介な所ね、まずは攻撃を仕掛けまくって保有してる魔力を減らさせなきゃ」


ニアはそう言うと腕を開き剣から大量の魔法弾を召喚した。そして剣を突き出しクラーケンに向けて連続で放つ。


「冒険者達や船員達も攻撃を!、シールドが張れなくなるくらいに魔力を減らすの!」


テレシアは剣を天に掲げソードビットやバスタービットを呼び出しながら。冒険者達や船員達に攻撃命令を出す。その攻撃命令を聞いた彼等は頷くと魔法や矢を放ちクラーケンのシールドに殺到する。


「!!」


人間が連続して攻撃を仕掛けてくる事に我慢ならないクラーケンはシールドを張るのをやめると口を大きく開く。


「何を・・・?」


連続して攻撃を放っていたメアは警戒し身構える。するとクラーケンは口から高出力のブラスターを放って来た。その威力は船を消し飛ばせる程の威力だった。


「マズイ!」


それを見た愛理はテレシアとメアに近付き自身の体に手を触れさせた。それだけで何をすれば良いか理解した二人は愛理に魔力を送る。


「ハナ!、シールド!最大出力!!」


『了解ですご主人!』


アリシアとメアの魔力を受けた愛理とハナは最大出力で船を覆えるほどのシーラドを張った。そこにクラーケンのブラスターが直撃し船が大きく揺れ戦えない乗客達が悲鳴を上げる。


「今なら!」


愛理と協力した二人のお陰で船は守られた。シメラはグレイの肩を叩くとクラーケンが次の行動に移る前に攻撃を仕掛ける。


「喰らえ!」


グレイは海中から巨大な鉄の棘を出現させクラーケンの体を真下から貫く。天才魔法少女シメラはクラーケンの真上に巨大な岩を出現させると叩き付けた。


二人の攻撃によりクラーケンは大ダメージを負う。しかしまだまだ自身の行く手を阻んだ人間達を許すつもりはないようで。その体に保有している無数の触手を纏めて振り下ろして来た。高火力が通じないのなら数の暴力、彼はそう判断したのだ。


「・・・全く、クラーケンに襲われるなんて、世話の焼けるオリジナルとその仲間達ですね」


「マイナス!」


巨客船のマストの上からマイナスの声がした。クラーケンが放って来た数の暴力に対応しきれないだろうと思い、テレシアだけを守る為に姿を現したのだ。メアは顔は似ていないが自分をベースに作ったと言う彼女を見て彼女の名を呼ぶ。


マイナスは自身のオリジナルの声を無視すると。両手に魔力を貯め大量の魔法弾を放ち迫り来る触手を全て落とした。


「これで奴の魔力は十分に減った筈です、終わらせてしまいなさい」


「言われなくても決めるさ!、ゼロブレイカー!」


愛理は空に飛び立つと天に向けて剣を掲げゼロブレイカーを発動させる。そして長く伸びた刀身を振り下ろし。クラーケンを真っ二つに斬り裂き仕留めた。


「さっすが!愛理さん!」


「そうね!」


シールス達は愛理がクラーケンを倒したのを見て喜ぶ。フュージョンモードを解きテレシアから戻ったアリシアとメアは手を貸してくれたマイナスに近付く。


「なんで私達を守るの?、あなたのお父様のDIVA的には私達には死んでくれた方が良いんじゃない?」


「そうですね、私やお父様的にはオリジナルやその他は死んでくれた方が良いです」


アリシアの言葉を聞きメア達は死んでくれた方が良いと言ったマイナスは不気味に微笑むとアリシアに抱き着き言葉を伝える為に口を開く。


「でもお姉様?、あなたに死んで貰うと私達も困るのです、あなたはお父様に必要な存在ですので」


「!、どう言う意味!?」


「ふふっ、そのうち分かりますよ、それではまた会いましょう?お姉様」


マイナスはDIVAの元に帰って行った。アリシアはマイナスの言葉の意味を考え俯く。


(またアリシアが闇に呑まれようとしている、そんな気がします・・・、一度目は私が不甲斐なかったからアリシアは呑まれた・・・、二度目は絶対に許しません!)


メアは俯くアリシアを安心させる為後ろから抱き着くと心の中で何が起ころうとアリシアを闇に呑まれさせないそう誓うのだった。




???


「言葉が過ぎるぞ?、マイナス」


DIVAは呼び戻したマイナスを叱っていた。


「良いじゃないですか、あれくらい、だってお姉様は」


マイナスはニヤリと微笑むと一呼吸置いてから口を開く。


「GATE、お父様の為に扉を開く存在であり、我々の側の存在なのですから」


「アリシアを扉とする為にあの世界で経験を積ませ成長させているのだ、だかこそ余計な事を言い停滞させる訳にはいかん、だから奴に余計な事を言うなと俺は言っている」


「ふふっ、申し訳ございません、お父様」


父の言葉を聞いたマイナスは怪しく笑うとペコリと父に頭を下げる。


「それでは引き続きアリシアを監視せよ」


「はい、お父様、お姉様は私にお任せ下さい」


顔を上げたマイナスは転移しアリシアの監視任務に戻る。


「プラスよお前も行け、マイナスの手助けをせよ」


「!、分かった!」


長い間、この空間に閉じ込められ不満が溜まっていたプラスは父に外に出ても良いと言われ嬉しそうに微笑みながらマイナスを追って転移して行った。


「GATE、俺がこの世界を創った時に失われた能力、アリシアがGATEとして目覚める事で俺はまた世界を創る事が出来るようになる、それこそが俺の役目・・・、ククッその時が来れば俺が完全に管理する完全なる世界を創ってやろう!」


もうすぐ己の役目を再び果たせるようになる。そう考えるDIVAは己の空間で不気味に高笑いをした。

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