リィターニア家の日常
五歳になったばかりのアリシアが主人公です。
全十話ほど掲載予定
リィターニア家
朝の八時、遠征任務に隊で向かっていたオーグルは朝の四時に王都に帰還した後報告書の作成などをし家に帰って来た。玄関にて朗らかな笑顔で迎えてくれたアイリスを抱きしめた彼は彼女が作った豪勢な朝食を食べ寝室に向かうと眠り始める。
するとトテテテテ!と廊下を走る音が聞こえて来てガチャッ!と勢いよくドアが開いた。
「パパー!」
ドアを開けて部屋の中に入って来たのは幼いアリシアだった。アリシアは父が眠るベッドに勢いを殺さないままに接近するとジャンプした。
「ぐほっ!?」
そして父の腹の上に着地した。
「アリシア・・・、いつも言ってるだろう?、パパの上に飛び乗ってはいけませんって」
眠ったばかりなのに娘に起こされたオーグルは起き上がるとアリシアの小さな体を持ち上げて高い高いしながら注意をする。
「はーい」
「・・・分かってないだろ、こいつめー!」
娘をベッドの上に降ろしたオーグルはその顔をグリグリする。グリグリされてこそばゆいアリシアは身を捩りながら笑う。
「ごめんなさいね、ふと気が付いたらもう部屋にいなくて・・・」
アリシアに遅れて部屋に入って来たアイリスは疲れている筈の夫に謝る。
「良いさ、可愛いこいつの顔が見れたんだから、おーアリシア、一緒に寝るか?」
「うん!パパと寝る!」
「よし来た、ほら布団の中に入れ」
「わーい!」
父に会えてハイテンションなアリシアはウキウキと布団の中に入りちょこんと顔を布団から出す。
「それじゃアイリス、お休み、暫くアリシアと布団の中で遊んでから寝るよ」
「ふふ、お休みなさい」
アイリスは夫の頬にお休みのキスをすると手を振りながら去って行った。
「ねっ!ねっ!パパ!、何して遊ぶの!?」
「そうだなぁ、よし数の数え合いをしよう、いくつまで数えれるようになったか言ってみろ」
「うう、まだそんなに出来ないよ?」
「それでも良いさ教えてやる」
オーグルはアリシアが眠るまで彼女と数の数え合いをして遊ぶ。布団の暖かさに包まれているアリシアはあくびをよくするようになりその内にスヤスヤと眠り始めた。オーグルは眠る宝物の顔を愛おしそうに眺めてから自分も眠り始めた。




