皇帝アリシアの散歩
アトリーヌ城
コツコツと黒いドレスを着た少女が廊下を歩いている。帝国を動かす立場であるアリシアには平時には大量の執務が舞い込んでくる。この日も五時間ほど机に向かっていたのだが妻の疲れた様子を見たアルムスが気晴らしに散歩でもして来いと部屋から外に出したのだ。と言ってもこの日は一日机に向かうつもりだったアリシアには特にする事はない。なのでのんびりと廊下を行く。
「!、皇帝陛下に敬礼!」
廊下を歩いていると兵の一団が近付いてきた、彼等はアリシアの姿を見ると敬礼をしてくる。アリシアは自身の忠実な兵士達に頷いて見せるとそれ以外の反応はせず通り過ぎた。
「陛下」
更にスタスタと歩いていると皇帝専門のシェフに出会った。毎日アリシアの朝昼夜の食事を作っているシェフでアリシアは彼が作る料理をとても気に入っている。
「何?」
少女皇帝は立ち止まると紅く冷たい瞳をシェフに向ける。
「丁度お会いできましたので、今日の献立が何が良いか聞こうと思いまして、何が食べたいですか?」
シェフは今日の夕食が何が良いか聞きたくて話しかけて来たようだ。普段はこのようにオーダーを聞くことはなくシェフが考えたメニューを皇帝の食事として出している。
「んー・・・、お肉が食べたい、ステーキが良いわね」
「分かりました、陛下のお好み通りよく焼いたステーキをお出し致します」
「お願い」
「それでは」
シェフは優雅な仕草で頭を下げると去って行った。アリシアは相変わらず冷たい瞳で彼を見送ると再び廊下を歩く。
「あらお母様」
街の様子でも眺めようとテラスに出ると露出度の高い黒いドレスを着たアイリーンがいた。アリシアはアイリーンの尻を触りながら手すりに体を預ける。
「・・・お母様はやはりエッチですわ」
「あなたがそんな私を誘惑する服を着ているのが悪いの」
「この服を着るように言ったのはお母様ですわよ?」
「あら?、そうだったかしら?」
アイリーンが着るドレスを使ったのは自分である事も着せているのは自分である事を覚えているが。アリシアは惚ける。
「そうですよ、そしてそろそろお尻触るのやめて下さい」
「あなたは私のもの、自分のものを触って何が悪いのかしら?」
「・・・ズルイですわ」
「ふふっズルくて当たり前私は皇帝よ?」
「・・・」
アリシアの言葉にグヌヌとなり何も言い返せなくなったアイリーンは仕方なしにアリシアが満足するまで尻を触らせるのだった。




