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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第四部、六章、聖騎士のお仕事と金色の九尾の帰還
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七話

アルトシャルセン王城、廊下


王室からアリシアが出て来た、王に制作していた報告書を渡した所である。するとコツコツと靴の音を立てて一人の白い鎧を身に付けた女性が近付いて来た。


「あら」


女性はアリシアを見ると近付いて来る。アリシアは立ち止まると騎士の礼をした。


「初めまして聖騎士、リリー・クベェラ、私は聖騎士アリシアです」


「初めまして」


三人目の聖騎士リリーは挨拶をしてきたアリシアを見て優しく微笑みながら挨拶を返す。


「可愛い子が入ってくれて嬉しいわ、聖騎士団って男だらけで女の子は今までリーリナしかいなかったから」


「私も女性がもう一人いて嬉しいです、これからよろしくお願いします」


「ええ、それじゃまた、私これからシュルツと話があるから」


「はい」


アリシアは手を振りながら王室に向かって行くリリーに手を振り返し。自分の部屋に向けて廊下を進むするとオーグルがいたので駆け寄る。


「おはよっ!父さん!」


「おお、おはよう、アリシア」


他の隊長クラスの騎士達と会話をしていたオーグルは声を掛けてきたアリシアの方を見ると近付いて頭を撫でる。


「おお、これが噂のオーグルの娘か」


「アイリスに良く似ているな」


隊長達の中にはアイリスを知っている者もいるようだ。


「母さんを知ってるの?」


「そりゃあ勿論、君の母さんはそこのオーグルの相棒として沢山の功績を上げた英雄だからね、君を育てる為に引退したのが今でも残念だよ」


「まっ彼女は娘を育てると言う女性としての幸せを選んだんだ、私達は残念に思ってもとやかく言うつもりはないがね」


アリシアは隊長達にも高評価な母の評価を聞き。やはり一度は母が本気で戦う姿を見てみたいと思う。屋敷で彼女から剣を教わっていた時も彼女は本気で戦ってくれなかった為尚更である。


「何を隠そうアリシアにも彼氏がいる」


オーグルは娘に手を出す男を出来るだけ少なくする為最近はアリシアの話が男同士の会話で出る度に彼氏がいると言っている。父として娘が幸せになって欲しいと言う思いからの行動である。それでも手を出そうとしているオデッセルスはオーグルでもお手上げである。


「知っている、グレイと言う新人だろう?」


「実に羨ましい」


「ああ・・・」


隊長達は既に彼氏がいる為手を出すわけにはいかないアリシアをまじまじと見る。顔は言うまでもなく。胸は大きく手足はスラリと長くお尻はちょっと大きめ。正に絶世の美少女である。男達の邪な視線を感じたアリシアはスススと父の後ろに隠れる。


「娘を困らせるな」


「ははっ!悪い悪い、しかしなお前もアリシア殿が娘じゃなかったとしたら男としてジロジロと見てしまうだろう?」


「・・・気持ちは分かる」


隊長達の言葉に同意するオーグル。アリシアはそれを聞いて父の脇腹を抓る。


「イテテテテ!!、・・・怒るなよ悪かった」


ジーとした視線を送って来て怒るアリシアにオーグルは謝る。アリシアはそれを聞いても機嫌を直さずフーンとそっぽを向く。


「おやおや、名将と呼ばれるオーグル隊長でも娘には形無しのようだ」


「う、うるさい、行くぞアリシア」


このままでは隊長達に揶揄われ続けるだけだと思ったオーグルはアリシアの手を引き足早に隊長達の元から逃走する。


「ふふっ、他の隊長さん達と仲良いんだね、父さん」


「まぁな、自分の隊だけでなく他の隊の者とも良い関係を築いておけば有事の際必ず役に立つ、だから俺はこうして他の隊の者とも話をしたりするのさ」


「参考になります」


自分もグレイ達と言う部下を持った今オーグルの言葉は非常に参考になる。アリシアはオーグルの言葉をしっかりと心に刻み付けると父と共に廊下を行く。


「やぁ、聖騎士アリシア」


もう少しでアリシアの部屋に着くと言う所でオデッセルスと出会った。


「一緒にお茶でもどうだい?」


「ごめんなさい、父さんとお茶をするので」


「私も一緒させてくれ」


「嫌です」


相変わらずの塩対応である。


「・・・どんどん対応が冷たくなってるのは何故だ」


「彼氏がいる女にキスなんてするからじゃないですかね」


「!、どう言う事ですかな?、聖騎士オデッセルス?」


アリシアの口から出た言葉を聞いたオーグルはニコニコと笑いながらオデッセルスに近付く。


「な、なんでもないぞ、オーグル」


オデッセルスは目を泳がせながらなんでもないと言う。


「ええー?、私にキスして来たじゃないですかぁ?、私をグレイから奪うとかなんとか言ってー」


「ほほう?、アリシア?、先に部屋に入っていなさい、俺はこの人に説教をしないといけないから」


「はーい」


オデッセルスは確かに見た父に向けて微笑んだ後顔を晒したアリシアがニヤッとしたのを。


(こ、小悪魔め・・・)


この後オデッセルスはたっぷりとオーグルに説教をされた。




「・・・結局いるんですね」


オーグルに説教されても懲りないオデッセルスはアリシアの部屋の中でお茶を飲んでいる。


「この程度でへこたれる私ではないからね」


ニコッとイケメンスマイルを見せるオデッセルス。


「と言うわけでデートに行こう」


「斬るぞ貴様」


「落ち着いて父さん」


説教を全く聞いていなかった証明のセリフを言うオデッセルスにオーグルは思わず斬ると言ってしまった。それを聞きアリシアは落ち着けと父の肩を叩く。


「斬ると面と向かって言われたの、何年振りだろうか・・・」


「良かったじゃないですか貴重な体験が出来て、と言うわけで出て行って下さい」


「断る、ただし君があーんとかしてくれたら考える」


「・・・仕方ないですねぇ、こっちに来て下さい」


アリシアはそう言うと竜着き場に向かって行く。オデッセルスはウキウキと着いて行き。自身の妻に怒った時の行動が良く似ている娘が何をするつもりなのか大体察しているオーグルはただただ様子を見守る。


「はーい、あーん!」


あーんすると見せかけドゴォとオデッセルスの腹に一発入れるアリシア。まともにその一撃を喰らったオデッセルスは目を見開きながら竜着き場から落ちて行く。


「・・・やると思ったよ」


「フン!」


「殺す気かぁぁぁ!」


アリシアとオーグルの前を竜が通り過ぎ落ちて行くオデッセルスを回収した。竜に乗って舞い戻ったオデッセルスは叫ぶ。


「はい」


アリシアは真顔でオデッセルスの言葉を肯定する


「・・・そこは否定してくれないか?」


「なんでですか?」


「その・・・かなり傷付いた」


「知りませんよ、そんなの」


「・・・」


アリシアの冷たい対応に流石に心が折れたオデッセルスは拗ねた様子で帰って行く。


「これで諦めてくれると良いのだが」


「安心して父さん、次の日には復活してるからあの人」


「安心出来ん・・・」


去って行ったオデッセルスを見送った二人は部屋に戻りお茶を楽しむ。



翌日、中庭


アリシアはグレイ達と共にランニングをしていた。


「やぁ!アリシア!、一緒に走ろうじゃないか!」


前日のアリシアの言葉通り見事に復活しているオデッセルスがどこからともなくやって来てアリシアと並んで走り始める。


「オラァ!」


アリシアは見事なドロップキックをして城の内部を流れる川(急流)に突き落とす。


「あああああ!」


川に落ちたオデッセルスは流れて行く言うならば聖騎士団団長の川流れである。


「なぁアリシア?、流石にやりすぎじゃねぇ?」


「しつこいのが悪い、それにすぐに帰ってくるし」


「ハハハ!、その通り!」


「ほらね」


「ある意味尊敬するよ・・・」


シールスとの会話を終えたアリシアは即戻って来たオデッセルスに近付く。


「さぁデートに行こうか」


「ええ、行きましょうか」


アリシアはびしょ濡れでデートに行こうと言うオデッセルスに近付くとデートに行こうと言う。


「ああ!」


「あなた一人で川流れツアーにね!」


そしてオデッセルスの手を掴むともう一度川に向けて放り投げた。


「あああああ!!」


「またつまらぬ物を投げてしまった・・・」


「殺す気かぁ!」


「早いなオイ!」

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