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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第四部、六章、聖騎士のお仕事と金色の九尾の帰還
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二話

アリシアの部屋


『・・・?』


朝、アリシアの精神が覚醒する。どうやら皇帝アリシアが先に起きて体を使っているようだ。


「ほら?子猫ちゃん?、私の椅子になりなさいな」


ドS皇帝様はドSな微笑みを見せつつシールスに椅子になれと言っている。


「な、なんであたしがあんたの椅子にならないといけないんだよ!?」


「だってあなた私の子猫ちゃん二号じゃない」


一号は記憶が戻ったニアである。


「誰が二号だ!、あたしはあんたの物じゃない!」


「ふふあなたの気持ちは関係ないの私はあなたの事を気に入ったのだからあなたは私の物になるべきなのよ」


そう言ってスッとシールスに近付いたアリシアは彼女を抱きしめた。


「なっ!?ちょっ!?」


「慌てちゃって可愛い、キスしてあげる」


「やめろー!」


(私の体で・・・)


「なにしてんだー!」


もう少しでシールスとキスをする所であったアリシアは慌てて皇帝アリシアから体の主導権を奪い取りシールスとのキスを直前で防いだ。


(邪魔するとは無粋よ?私、そこにいる私が気に入った子猫ちゃんを私の物にしようとしてただけなんだがら邪魔しないでくれない?)


「私は女の子とキスする趣味なんてないの!、あなたみたいな変態じゃないの!!」


(あーグレイとのキスが良いもんねぇ)


「ッー!」


皇帝アリシアを大人しくさせようと叱っていたのに揶揄われ一瞬で形勢逆転されてしまったアリシアは顔を真っ赤にする。


(まっ機会なんていくらでもあるし今回は諦めてあげる、子猫ちゃんにおやすみって言っておいて?)


「誰が言うか!」


(フフっ)


ドS皇帝は最後に怪しく笑うと眠りについた。


「側から見たら何もない所に叫んでる変な子だったぞお前・・・、あたしは皇帝の方のお前に怒ってるの分かってるからなんとも思わないけどさ、外ではやめとけ?」


「もう一人の私が大人しくすると思う?」


「あー、しないなすまん」


シールスはアリシアの言葉を聞き皇帝アリシアが外で大人しくするわけがないと同意してしまった為謝る。アリシアはそれを聞いていいのいいのと手を振っている。


「それで?あなたなんでこの部屋にいるの?」


アリシアはシールスがこの部屋にいる理由を聞いた。


「もう一人のあんたのせいで忘れる所だった、王様が朝から悪いが自分の所に来てくれだってよ、お前に任せたい任務があるんだってさ」


「了解、伝令役をしてくれてありがと、シールス」


「良いさ、ダチだろ?あたしら」


「勿論」


アリシアとシールスは目を合わせてニヤリと微笑み合う。


「それじゃあたしは鍛錬場で訓練でもして待ってるよ」


「あっ、素振り百回ね」


「こ、この鬼教官め・・・」


「教育係りですもの私、どうせやるならあなた達をとことん強くしたいしあなた達が強くなれるとも期待してる」


昨日はメアが戯れ合いに乗って来た為遊んでしまったが。アリシアは本気でグレイ達に強くなって欲しい為例え鬼教官などと呼ばれようとも彼等を本気で鍛えるつもりだ。その為彼らに厳しいトレーニングを課す。


「ダチに期待されたら答えるしかねーよ、やってやんよ、その代わり試合とかもやってくれよ?、バトルシアの血に目覚めて更に強くなったお前と一回戦ってみたいんだ」


「良いわよ、理性が途切れてあなたをボッコボコにしてしまう可能性があるけど」


「・・・ただの試合くらいで途切れる程度の理性の持ち主なのかお前は」


「あははっ!、冗談です、多分大丈夫」


「多分なのかよ・・・」


「だって覚醒してから試合なんて一回もしてないもーん」


もーんと言い何故か胸を張るアリシア。シールスはそんな彼女の仕草を見てバトルシアの血に覚醒してもアリシアはアリシアのままだと思い安心する。


「なぁに?」


「なんでもないさ、また後でな?」


「?、うん」


シールスは手をヒラヒラと振りながら部屋から出て行く。アリシアは彼女の後ろ姿を首を傾げながら見送り。彼女が部屋から出るのと同時に服を寝間着から鎧に着替え王室に向かう。




王室


王室に入るとアリシアの姿を見た王室の警備をしていた騎士達が片膝を着く。アリシアは彼等に胸元に手を当てて挨拶をすると王の元に行き片膝をつきながら挨拶をした。


「おはようございます、シュルツ王、聖騎士アリシア、到着致しました」


「うむ」


シュルツ王はキッチリと正式な動作で騎士の礼をするアリシアを見て深く頷くと手振りで立ち上がるように命令した。それを見たアリシアは立ち上がる。


「今回お前を呼んだのは、西のチェリノ村から救援要請が来ているからだ」


「救援要請ですか?」


「うむ、ゴブリンキングが仲間を引き連れてその村の近くに住処を使ってな、チェリノ村の駐留の騎士達が討伐に向かったのだが、ゴブリンの数が予想よりも多く撤退を余儀なくされてしまったのだ、そこで彼等は王都に救援要請をし、私はお前を向かわせる事にしたと言う訳だ」


「・・・承知致しました、ゴブリンキングとその仲間達の討伐、この聖騎士アリシアが成してみせましょう」


アリシアは血に目覚めてから洗脳状態を除けば初めての戦闘に内心では不安を感じつつもゴブリンを討伐してみせると言った。


「頼んだぞ、あえて警告をするとすればバトルシアの血に呑まれるなよ?」


王もアリシアと同じ事を思っていたようでアリシアに警告をして来た。


「・・・正直呑まれないとは言い切れません、今回が血に目覚めてから初めての戦闘ですから」


「・・・敢えて言うのならば私はお前を信じている、暴走をしないとな」


「!、はい!」


仲裁を誓う王に信じていると言われたアリシアは大きな声で返事をする。同時に王にこうも言われたのならば何としても暴走するわけにはいかなくなった。


「良い返事だ、それでは行って来い」


「はっ!!」


アリシアは王の前で胸元に手を当てるポーズをすると部屋から出て行く。



鍛錬場


王から任務を言い渡されたアリシアは鍛錬場にやって来ていた。今は大量の新人騎士が騎士団に入ってくる時期であり、グレイ達と同時に騎士団に入った者達が教育係りから教えを受けている。


アリシアが鍛錬場に入るなりザワザワと新人騎士達は話し始めた。アリシアは例として彼等に微笑みかけると歓声が上がった。こうして自身のファンがまた大量に増えたのをアリシアは知らない。


「いたいた、みんな注目!」


グレイ達を見つけたアリシアはドドンと腰に手を当てながら仁王立ちすると自分に注目するように言った。


「どうした?」


「フフン、何を隠そう私は今任務を受けました、よって君達新人君にもついて来てもらおうと思います!、相手はゴブリンキング!とその仲間達、良い訓練になるよー!これは!」


グレイの質問を聞きフフンと微笑んだアリシアはまたまたドドンとゴブリンキングとその仲間達の討伐について来るよう言った。


「ええー、ゴブリンキングの周りって大量のゴブリンが大抵はいるから面倒臭いのに・・・」


ニアは相手がゴブリンキングだと聞き明らかに嫌そうな顔を見せた。


「これから大量の敵を相手にする事だってあるかもしれないんだから、良い訓練だと思いなさい見習い騎士ニア」


「まぁあなたについて来いって言われた時点で断れないし行くわよ、ただ危なくなったら即撤退よ?良い?」


「分かってる、他のみんなは何か聞きたい事ある?聞くよ?」


ニアとの会話を終えたアリシアは皆に聞きたい事があるかどうかを聞いた。


「お菓子持って行って良い?」


「シメラちゃん?遠足じゃないからね?」


「お弁当は?」


「だから遠足じゃない・・・」


アリシアとシメラのやり取りを聞きメアがクスクスと笑う。


「水筒は?」


「それは勝手に持って来なさいな・・・」


「分かったー!、中に入れる紅茶使って来るー!」


「ピクニックでもないわよ!?、行っちゃった・・・」


紅茶を作ると言いシメラは部屋から出て行く。アリシアは慌てて制止しようとするがシメラの耳には届いておらず鍛錬場から出て行ってしまった。


「なぁアリシア、俺、水筒の中身はりんごジュースが良い」


「市場に買いに行きましょう、決定」


「こらこら」


この後本当に水筒に紅茶を入れて戻って来たシメラとアリシア達は馬車に乗りチェリノ村に向かう。

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