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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第四部、六章、聖騎士のお仕事と金色の九尾の帰還
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一話

アルトシャルセン王城、修練場


騎士たるもの走れ!走れぇ!とグレイ達の教育係りとして命令し彼等を走らせているアリシアはメアと共にバトルシアの血のコントロールをする為の練習を行っていた。


「怒れと言っても難しいんだよねぇ、例えばメアが私のプリンを食べちゃった事を私は知ってるんだけど、その程度じゃムズムズするくらいで血は目覚めてくれないの」


バトルシアの血は激しく感情が揺れ動いた時にピコーンと起き上がって来る為、今アリシアが言ったような小さな出来事で暴走をしたりはしない。その為一応アリシアは通常の日常生活なら問題なく過ごす事が出来る。


戦闘時も落ち着いて戦闘を行えば暴走したりなどはしないだろう。しかし少しでも苦戦したりして闘争本能が掻き立てられてしまえばアリシアは暴走するだろう。今のアリシアはそのくらい不安定だと言うわけだ。民を守る事が使命である聖騎士がすぐ暴走してしまうようでは話にならないので早急にバトルシアの血をアリシアは抑えられるようにならないといけないのだ。


「気付いてたんですか・・・」


「早急に反省文を述べよ」


「私がプリン食べちゃった事怒ってて根に持ってるんですね・・・」


「食べ物の恨みを舐めるなー」


「プリン食べちゃってごめんなさい」


「誠意が足りない、誠意が」


「・・・、とにかく戦ってみましょうか」


「ちゃんと謝れー!」


「コラー!」


アリシアはちゃんと謝らないメアに飛びかかる。メアはニヤニヤと笑いながらアリシアを受け止め美少女同士で戯れ合い始まる。


「おいおい、あたし達の教育係り様が遊んでらっしゃるぜ?、おいグレイあたし達はしんどい思いして走ってんのにあいつらは遊んでるのムカつくから止めて来い」


「あの間に男が入って止めるのってただの変態だと思うんだ」


「ほほう、我がライバルはヘタレなようだ、私ならば女性同士が戯れ合っていたとしても止める事が出来ると言うのに」


「なんでいるんだよアンタ・・・そしてアンタと俺はいつの間にライバルになった」


「・・・アリシアを救った日私は君に宣言した筈だが・・・?」


「アレライバル指名だったのかよ、分かりにくいわ、この野郎」


「まぁ今日で私の言葉の意味に気付けたようだし、今日からはライバルだ、よろしくグレイ君」


「全力でお断りする」


「聖騎士として命令する私のライバルとなれグレイ」


「あっこの野郎!!ずりーぞ!」


結婚を約束した大切な彼女にキスまでして来たオデッセルスに対するグレイの対応は手厳しい。対するオデッセルスは聖騎士としての特権一般騎士に対する命令権を乱用し強制的にグレイをライバルに任命した。一般騎士なグレイは聖騎士に命令された時点で逆らう事が出来ない為この瞬間からオデッセルスのライバルにされた。


「さて、ライバルよ、見ておくといい、私が華麗に彼女達の戯れ合いを止める様をな!」


「勝手にしろよ・・・」


オデッセルスはスタスタと楽しそうに戯れ合うアリシアとメアに近付いて行くと。戯れ合いを止める為手を伸ばす。その結果・・・。


「!?」


何故か丁度アリシアの体がオデッセルスの方に行きオデッセルスの右手は黄色い騎士服に包まれたアリシアの胸を鷲掴みにした。


「あーやっちまった怒るぞーアレ、俺は知らね」


「離れとこーぜ」


「下手したら暴走するんじゃない?」


「だよねー」


グレイ達はオデッセルスがアリシアの胸を鷲掴みにしたのを見てスススと彼等から大きく距離を取る。ちなみにアリシアの部下の一人にはニアがおり既に記憶は戻してある。


「聖騎士オデッセルス?、これはどういう事かしら?」


オデッセルスに胸を鷲掴みにされたアリシアはニコニコと微笑みながら首を傾げる。メアはその隣でアリシアが暴走するんじゃないかと思ってアワアワしながらアリシアの服を引っ張っている。


「きょ、教育係りが部下達を走らせている横で遊んでいるのは駄目だと思ってな・・・、止めようとしたんだ・・・」


オデッセルスは目を泳がせながら言い訳をする。


「両親に習わなかったのかしら?、悪い事をした時は素直に謝りなさいと、それとも長い時を生きすぎてそんな事すっかりと忘れちゃった?」


「えっいやその・・・すま・・・」


「手を出す前に言葉で何か言えー!」


「ぐぁぁぁ!」


オデッセルスはアリシアの言葉を聞き慌てて謝ろうとするがアリシアはその前に彼の顔に見事なアッパーを当てた。バトルシアの血に覚醒し身体能力が上がっているアリシアの強烈なアッパーを喰らったオデッセルスは天井に激突してから地面に落ちピクリとも動かなくなる。


「一応あなたの上司ですけど殴って良いんです?」


「付き合ってもいない女の子のおっぱいを触ったこいつが悪い」


「それはつまりグレイならこの場でも好きに触らせると言う意味ですか?」


「?、当たり前じゃない」


「自然に惚気られるとその心理的なダメージがですね・・・」


ごく当たり前と言った様子のアリシアを見て心理的なダメージを受けたメアはグヌヌと胸を抑える。


「・・・」


話を聞き本当に怒らないのか試してみようと思ったグレイはアリシアの後ろからこっそり近付き胸を揉み始める。


「あなたが触ってくれるのは嬉しいけど、胸じゃなくて髪とか触って欲しい」


「すまん」


すると友の目の前で堂々と胸を揉まれていると言うのにアリシアは嬉しそうに微笑みなおかつ触って欲しい場所を注文までした。


(本当に怒らないんですね・・・、オデッセルスさん、これは流石に勝ち目ないですよ・・・)


メアは今度はグレイとイチャイチャし始めたアリシアを見て心の中でオデッセルスに勝ち目がないと思うのだった。




アレシアの部屋


グレイ達が新人騎士の定番任務、城下町の警備に行かないといけなくなった為彼等を城の入り口で見送り城の中に戻ったアリシアはアレシアの部屋にいた。プレミリカのアレシアの部屋を完璧に再現したこの部屋はかなり可愛らしくアリシアの乙女心も刺激されている。


「ねっママ、オデッセルス様の頬が酷く腫れてるってメイド達が騒いでたのだけれど、どこの誰が殴ったのかしら?」


十分て図書室で本借りてくるねーと部屋から離れ本当に十分で部屋に戻って来たアレシアは道中で面白い噂を聞いたらしい。アリシアの太ももを膝枕にしながらニヤニヤと太ももの持ち主の顔を見上げる。


「この城にそんな酷い人がいるとは思わなかったわ、殴った奴はクビね」


「ふぅーん、ママ今からクビになるんだ」


「何を言ってるのかしら?この子は、クビになんてならないから安心なさい」


「・・・ママがオデッセルス様を殴ったんでしょ?」


「殴ってない」


「なら何で目を逸らすの?」


アレシアはアリシアの顔にズイっと自身の顔を近付ける。


「私の胸を鷲掴みにするのが悪い」


大切な娘の顔をドアップで見て途端に素直になったアリシアは。グヌヌと言った顔を見せながらも自分がオデッセルスを殴ったと取れる言葉を言った。


「あー、それは私でも思いっきりビンタするなぁ、オデッセルス様が悪いわ」


「でしょう?、グレイならともかく」


「グレイさんなら良いんだ・・・」


「?、メアもあなたも何を当たり前の事を言っているのかしら?、彼氏が彼女の体を触るなんて当たり前でしょ?」


「好きなんだねー」


「ええ」


「・・・」


アリシアの惚気は彼氏がいない女性には大ダメージである。その為アレシアもメアと同じくグヌヌとなった。


「ママを長い時間独り占め出来るのも後少しになるのかなぁ」


グレイと結婚すればアリシアは自ずと彼と過ごす時間が今以上に長くなる。アレシアは母を独り占めに出来る時間が少なくなると思うと少し寂しさを感じる。


「まぁねぇ私はあの人の奥さんになるわけだし、そりゃあなたとの時間は少なくなるわ?、でも」


「でも?」


「私があなたを愛しているのは変わらない、だから結婚した後も絶対にあなたに寂しい思いをさせないと約束するわ」


「ありがとう・・・ママ」


アリシアの言葉を聞いたアレシアはアリシアの胸に顔を埋めると顔を上げ微笑む。アレシアの笑顔を見て彼女の事が愛おしくてたまらなくなったアリシアはギューと彼女を抱きしめてあげた。

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