第四部、六章、聖騎士のお仕事と金色の九尾の帰還、プロローグ
グレイの部屋
ガチャッ!とドアが開き茶髪の美少女が部屋に入って来る。直った金色の鎧を着た聖騎士アリシアがグレイの部屋にやって来たのだ。
「おはよう!新人騎士君!、朝の鍛錬の時間だ!起きたまえ!」
レッツ訓練!と言った様子で元気良く声を張り上げるアリシア。初めて任された新人教育と言う任に張り切っているのだ。
「もっと静かに起こしてくれませんかね・・・」
「昨日までは静かに起こしてあげていたじゃない、でも中々起きないあなたが悪い」
「あれはお前に・・・」
「私になぁに?」
「なんでもねーよ、着替えるから出て行け」
「はいはい、ふふっ」
グレイが何をして欲しいのか察したアリシアは彼の頬にキスをする。彼女に思考を読まれたグレイは硬直し。部屋から出て行くアリシアの後ろ姿を見送る。
「・・・」
朝から可愛い彼女にキスして貰えたグレイは嬉しさで泣きそうになりつつもベットから降り着替え始めた。
「・・・、何か用ですか?聖騎士オデッセルス」
部屋から出るとオデッセルスがいた。彼への憧れの茂った木が呆れの木枯れ木に変わりつつある背はそこまで高くないアリシアはジト目で高身長の彼を見上げる。
「私にもおはようのキスをして欲しい」
「分かりました、ついて来てください」
「!、ああ!」
アリシアはオデッセルスを連れて地下牢に向かう。
「ここに入って下さい」
「?、ああ」
アリシアはオデッセルスに牢の中に入るように言いオデッセルスは疑いもせずに牢の中に入る。
「さーよーうーなーらー」
アリシアはスッと手に取っていた地下牢の鍵で牢屋の扉の鍵を閉めると手をヒラヒラと振りながら去って行く。
「ま、待て!、う、嘘だろう!?流石に閉じ込めて放置は・・・」
この後アリシアはここにオデッセルスを放置した事をすっかりと忘れ、十時間後、一般騎士からオデッセルスの居場所を知らないか?と聞かれて漸く思い出し牢から出してあげた。
「君バトルシアの血の影響でちょっと性格変わってないか?」
「気のせいです」




