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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第四部、四章、プリンセスアレシア編
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七話、降臨皇帝アリシア

レイティスの名を持つアリシアがリィターニアの名を持つアリシアの中に戻ってからはレイティスの名を持つアリシアを皇帝アリシアと常に表記します。

???


(ここから出せ!、アレシアに会わせて!!)


「嫌よ、あなたの精神を取り込み闇と雷のスタイルを完璧にしないといけないのだもの」


そう言ってプラスは暴れるアリシアを押さえ込みにかかる。しかしアリシアは火事場の馬鹿力で拘束から脱出して見せた。


「はぁぁ!?、流石に何よそれ!?」


「自分の子供の為ならね!親はどこまでも強くなれんのよ!」


アリシアはガンブレードを想像するすると右手にガンブレードが現れた。


「チッ!やろうっての?、良いわよ、あんたを倒してその精神も私の物にしてやる!」


「フン、産まれたばかりの小娘が、私に勝てると思うなよ?」


「言ったなぁ!」


アリシアの挑発に乗ったプラスが斬りかかって来る。アリシアは怪しく微笑みつつその斬撃を受け止める。


「やるじゃない」


「あんたは雑魚ね、ほら早く私を取り込んで見せなよ」


「言われなくてもぉぉ!」


プラスはアリシアに抱き着くとその唇にキスをした。そして無理矢理にアリシアを取り込んで行く。


「あはは!、挑発した割に簡単に取り込まれてるじゃない!、この雑魚が!!」


プラスはあっさりと自分に取り込まれたアリシアを笑う。


「はぁぁ・・・、凄い!凄いわ!、これが完全な闇と雷のスタイルの力!!、あはっ!こんな凄い力すぐに試してみなきゃ!」


プラスは謹慎を言い渡されていると言うのに再び命令を無視し転移して行った、行き先はアリシア達の元だ。



プレミリカ王都


「こんにちは、リィターニア」


「プラス!?」


アリシア達の目の前にプラスが現れた。アリシアとメアは急に現れた彼女を見て身構える。アレシアはプラスがもう一人の母を取り込んでいると二人から聞いていた為、母を取り戻すため後先を考えずプラスに斬りかかった。


「ちょっ!こら!アレシア!」


「あの猪っぷりあなたにそっくりです」


「・・・」


「ママを返せぇぇ!!!」


アレシアはプラスと刃を合わせた。プラスはそんな彼女の顔を見てニヤリと微笑む。


「それは無理よ、何故なら私はもうレイティスを完全に取り込んだもの」


「そんな!?」


プラスにレイティスが完全に取り込まれたと聞きメアが絶望した表情を見せる。また救いたかった友を救えなかったと思ったのだ。


「それじゃあ、あんた達でこの力を試したいからさ戦ってよね!」


そう言ってプラスはアレシアを振り払い俯いているメアを殺すつもりで斬りかかろうとするが・・・?。


「なっ!?」


プラスの腕が勝手に動き脚を剣で刺し貫いた。


「ありがとうプラス、一回取り込んでくれて、そのおかげで寧ろあんたの体を奪いやすくなったわ」


「くっ!うっ!、レイティス!?、完全に取り込んだ筈なのに!?」


「そうね、私はあんたに一回取り込まれたわ、でもね?私は取り込まれる瞬間に私の精神の内側にシールドを張ってから取り込ませたそうする事であなたに私を完全に取り込んだと誤認させたの、そしてあなたに隙が出来たところでシールドを解き逆乗っ取り成功ってワケ、ふふっ焦って私を取り込むからこうなるの、あなたのお父様が時間はいくらでもあると言った意味もう少し考えるべきだったわね!、あれは時間をかけて私を弱らせてから取り込めと言う意味だったのよ!」


(や、やられた!)


プラスはレイティスを舐めてかかっていた自分のミスを痛感する。


「さてどうする?プラス、そこにいる私の体に移動しても良いってあなたが言うのならばその完全に解放されている闇と雷のスタイルをあなたにあげるわ、その代わりDIVAに私を諦めるように言いなさい、まっ私のスタイルの力は後で返してもらうけどね」


(・・・体を乗っ取れているのに出て行くって?、罠としか考えられないわ)


「フン、闇と雷のスタイルを持っていたとしてもお馬鹿なあんたなんて簡単に倒せるのよ」


(くぅぅ!、さっきから好き勝手に言いやがって!、良いわよ!あんたなんて私の体から出て行っちゃえ!)


「交渉成立ね、ほら?もう一人の私?、こっちに来なさいな」


「え、ええ」


プラスの一人芝居にしか見えないレイティスとプラスの会話を見守っていたアリシアはプラスに近付く。するとプラスはアリシアの手を掴む。


「おおぅ!?」


その瞬間プラスの中から何かが飛び込んで来た。


(よっ!リィターニア!、これから同居人になるアリシア・レイティスよ、よろしく!)


「か、勝手な・・・、まぁいいけどさ、よろしくね?、レイティス」


(ええ!、さてプラスを怒らせちゃったからね・・・、怒って攻撃を仕掛けて来るわ、ここは私に変わりなさい、どうにかしてあげる)


「信じるよ?」


(任せなさい)


「うん!」


アリシアはレイティスに体を明け渡す。その瞬間アリシアの体が光に包まれ邪悪な笑みを浮かべた黒いドレスを身に纏った赤い瞳の少女が現れる。皇帝アリシア、アトリーヌ帝国の皇帝にして黒魔導師の名を名乗る存在が復活した瞬間である。


「久し振りね、私の勇者さん?」


「ううう!、アリシアぁぁぁ!」


皇帝アリシアはドレスの裾を揺らしながらメアの方を向く。するとメアはポロポロと涙を流しながら皇帝アリシアに抱き着く。


「泣かないの、後でたっぷりと話す事と謝る事があるのだから、泣いてたらあいつにやられちゃうわよ?」


「分かってますけどぉぉ、うわぁぁぁん!」


皇帝アリシアはメアを宥めるがメアは泣き止まない。


「ママ?」


今度はアレシアが皇帝アリシアに話しかける。


「ええ、初めまして、あなたのママです」


「ママぁぁ!」


こちらも号泣しながら皇帝アリシアに抱き着いて来た。皇帝アリシアは優しく娘を抱きしめる。


「こりゃ二人とも駄目だわ」


(ふふっ、二人ともあなたを待ってたのよ、そして待たせた責任をあなたは取らなきゃいけない、そうでしょ?)


「そうね」


皇帝アリシアはメアとアレシアを待たせた責任を取る為一人でプラスと戦うと決め、剣を引き抜く。


「さぁ狩りの時間だ、覚悟しろよプラス、私に拷問をした事これからたっぷりと後悔させてやる!」


「アンタこそ後悔するなよ!、私の中にいた方が良かったってなぁ!」


怒り狂うプラスは闇の力を撒き散らしながら皇帝アリシアに迫って来る。


「フッ、直線的な攻撃ね」


皇帝アリシアは迫り来るプラスの直線的な動きを鼻で笑い小さな動きで避ける。そして剣を振り下ろし前屈みになっているプラスの腹にキツい蹴りを食い込ませた。


「カッハァ!?」


腹に重い一撃を喰らったプラスは地面に倒れ込む。皇帝アリシアはそれを見てニヤリと微笑むとプラスを蹴り飛ばした。


(うっわぁ、エゲツない・・・)


「ハッ、敵相手に攻撃の手を抜く必要などないわ、だからこれくらいやるのが普通なのよ」


(えー)


ゴロゴロと転がるプラスはどうにか転がる体を止めるとその場でブラスターを放って来た。


「解放、エリシャディア、そして秘奥義!ウェンポンビット!、この私アリシア様が創造するのは大きな鏡よ!!」


皇帝アリシアは巨大な鏡を創造しプラスのブラスターを吸収させ跳ね返した。先のアレシアとの立ち合いの時アリシアがやったビーム返しの発展版である。


「くぅぅ!?」


自身のブラスターに襲いかかられたプラスは驚愕した顔でなんとかブラスターを避ける。すると避けた先には大量の剣。プラスは止まり切れず体に剣が突き刺さってしまった。


「グッうう・・・」


圧倒的な力の差があるのにプラスは皇帝アリシアに完敗した。ダラダラと体から血を流しながら地面に倒れ込んだプラスの頭を皇帝アリシアはヒールで踏み躙る。


「さてと、闇と雷のスタイルも返してもらおうか」


「誰が返すかぁ!」


プラスは口から血を流しながら叫び転移して逃げて行った。


「チッ、まぁ良いわ、あんな雑魚いつでも倒せる、そうよね?リィターニア」


(まぁあなたがいれば負ける気はもうしないわ、でもあなた良いの?、アレシアに全力で引かれてるわよ?)


「紅い目のママ怖い・・・、茶色い目のママの方がいい・・・」


明らかにやりすぎな皇帝アリシアのやり口に完全に怯えたアレシアはメアに抱きしめられてプルプルと震えている。


「あ、アレシア?、大丈夫、ママが怖いのは敵にだけだから!、あなたには怒ったりもしないから!、ねっ?」


そう言って皇帝アリシアは優しく微笑もうとするが。明らかに無理矢理な笑顔である為引きつった顔になっている。正直怖い。


「嘘、紅い目のママは顔にすぐ怒る人って書いてあるわ」


「そんな事ないわよ、私は無駄に怒ったりなんてしません」


「・・・」


無駄に怒ったりしないと皇帝アリシアは言う。メアはその言葉を聞いて何言ってんだこいつ?と言った表情を皇帝アリシアに向ける。


「何よ」


「いやぁ、戦争の時あれだけ怒りまくってた人がよくもまぁそんな事言えたなと」


「やっぱり怒るんだ、ママって」


「あーあー!怒らないからねー!、メア!黙ってなさい!」


「今怒ってるじゃん」


「グヌヌ」


皇帝アリシアは今怒っていると娘に指摘されグヌヌとなり俯く。そんな母を見てクスクスと笑うアレシアは母に抱き着いた。


「冗談冗談、寧ろ本当に悪い事をした時は怒ってくれないと困るの、だから私がダメな事をした時は私を叱ってほしいの、頼めるかな?」


「良いの?、そんな事言うと私、怒る時は本気で怒るわよ?」


「望むところです」


「ふふっ、その度胸流石は私の娘だわ」


皇帝アリシアはニカッと笑う娘を愛おしげに抱きしめる。母に抱きしめられたアレシアはえへへと嬉しそうに微笑んだ。


(私の娘でもあるけどねー!)


「そうね」


そこでアリシアが自分の娘でもあると主張する。皇帝アリシアは頷きアリシアの言葉を肯定した。





「さてと、あくまでもこの体はあなたの物だし代わるわね、基本的には眠ってるから必要な時には起こしなさい」


娘を思う存分可愛がった皇帝アリシアはアリシアに体を返すと言った。


(了解、お休み)


「ええ、お休み」


アリシアは了承し皇帝アリシアにお休みと告げる。皇帝アリシアはその言葉に返事を返し体の主導権をアリシアに渡した。すると光が発せられた後金色の鎧を着たアリシアが現れる。


「ふぅ、戻れた戻れた」


「やっぱり目が茶色いママの優しい顔好き、でも紅い目のママも凛々しい顔しててカッコいいから好き」


アレシアはアリシアの目が茶色くなった瞬間ゴロゴロにゃんと甘えてくる。そしてどちらのアリシアも好きだと言った。


「ねぇ皇帝さん起きてる?、私たちの娘ってなんでこんなに可愛いんだろ?」


(鼻血出たわ)


「ちょっ!、あなたが鼻血出すと私も鼻血出るじゃない!、メア!、何か拭くもの!鎧が汚れちゃう!」


「はいはい」


メアは鼻血を出して慌てているアリシアに布を渡す。この後アレシアも協力してアリシアの鼻血を止めようとするのだが・・・?。


「ママ!?、大丈夫?死なない!?」


余りにも鼻血を出す母を見てアワアワと慌てだしたアレシアの可愛らしい仕草を見てアリシアも興奮し始め更に鼻血が出る勢いが増した。


「そこの親馬鹿二人!落ち着きなさい!」


メアはアリシアに落ち着けと言う。それを聞いてアリシアは深呼吸をし落ち着こうとするが・・・。


「スゥーハーだよ!ママ!」


「スゥーハーって可愛すぎ・・・グハァ!」


アレシアがスゥーハーの動作をしてしまい、それを見たアリシアと皇帝アリシアは興奮の最高潮に達し派手に鼻血を撒き散らすと満足気に笑いながら気絶した。


「ママが倒れちゃったわ!?、どうしよっ!?」


(流石はアリシアの娘と言うかなんというか・・・、可愛さだけで親を仕留めるとは・・・)

皇帝アリシアが欲しかった物の一つが自分の子供です。

自分の子供と同じ魂を持つ子に会えた時点でそりゃあもう親馬鹿が止まりません。

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