第四部、四章、プリンセスアレシア編プロローグ
アリシアの部屋
父と母、そしてグレイ達を見送ったアリシアは椅子に座り休んでいた。ダメージが抜けきっておらず両親や友を見送るだけでも体が疲れてしまったのだ。
「大丈夫ですか?アリシア」
「休んでいればそのうち良くなると思う」
「ベッドで寝たらどうですか?」
「・・・それがですね、目が冴えまくってて寝れそうにないんですよ・・・」
「あはは、なら少し話をしましょうか」
メアはそう言って腰に付けている鞄をガサゴソと探ると他の者の侵入を警戒をしこの空間を覆う結界を張りとある物を取り出す、それは以前未来のアリシアから受け取った時渡りの書だった。
「これは時渡りの書、これを使えば過去にも未来にも行けるんです」
「へぇ!、ならそれを使って過去に行きあの身体を手に入れる前のDIVAを消し去れば!」
「ダメです、この書で安全に時渡りが出来るのは神だけ、私やあなたのような人間が使えば、心臓に大きなダメージを負ってしまうんです」
メアはエクスカリバーと融合していたこの書を使い心臓に大きなダメージを負い苦しんでいた未来のアリシアの姿を思い出しながら話す。
「ならそれをどう使うの?、そもそも使わずに燃やした方が良いんじゃ・・・」
「それも考えましたが使える物は使いたいですから別の方法を考えてみました、どうやら・・・この書は神様なら書き換えが出来るみたいなんです、だから私はこれをDIVAを倒す為に使おうと思います」
ニヤリとレイティスの名を持つアリシアに似た笑みを浮かべながらメアは時渡りの書をDIVAを倒す為に使うと言った。
「具体的にどうやって?」
「書の能力を時を越える能力からその者の時だけを逆行させる能力に明日奈さんに書き換えて貰い、DIVAを悪意に染まる前の姿に戻すのです、そして真っさらになったDIVAを使い私達の世界を元に戻すのですよ」
「ふぅん、流石は勇者様、こんな作戦を思い付くなんて頼りになるわ」
「世界を元に戻す為ですから、そりゃ考えますよ」
メアが必死になりDIVAを倒す方法を考えるのは前の世界を守れなかった負い目も原因である。
「でもさ、その作戦がダメだったらどうするの?」
「その時は・・・、奴を倒すしかないです」
「あはは、そうなるわよね、まっそれはそれで頑張りましょう、強くなって絶対にあいつに勝つの」
「はい!」
アリシアとメアは微笑み合ってから拳をあわせ合う。
プレミリカ王国
ここはプレミリカ王国、アルトシャーニア王国と良好な関係を築いている国である、その国に一人の姫がいた。その名はアレシア・プレミリカ、茶髪で白いドレスを着た少女だ。
「お父様?、アルトシャーニアの王様が来るのってもうすぐよね?、その時にシュルツ王は新たな聖騎士を連れて来てくれるのかしら?」
姫として箱入りで育てられたアレシアには友人はいない、その為アレシアが今一番欲しいのは友なのだ。だからこそ歳が近いと聞いているアリシアがシュルツ王と共にこの国にやって来るかどうかを聞いた。
「分からんとしか言えん、どの聖騎士を連れてくるかはシュルツが決める事だからな、だからこそだアレシアよ、聖騎士アリシアがこの国にシュルツ王と共に訪れなかったとしても、落ち込まないようにな?」
「・・・分かっています」
少女は口では分かっていると言いつつもどうしても友が欲しい為、アリシアがこの国にやって来てくれる事を強く望む。
(お願い聖騎士アリシア!、この国に来て!)
そしてアリシアとアレシアは・・・。
今後の展開のヒントを少しだけ書くとアリシアとアレシアはメアと同じようにアリシアと同じ顔をしています。
レイティスの名を持つアリシア、リィターニアの名を持つアリシア、未来のアリシア、エリシア、アイリス、プラス、そしてアレシアと七人目の同じ顔をした人物と言う訳になりこれはセブンススタイルと言うタイトルに込められたもう一つの意味でもあります。
そしてアレシアの場合金髪であるメアと違ってアリシアと髪の色も同じですこれが意味をする事とは?。




