二話
無邪気な女の子も良いよね…
城下町、商業区
アリシアとメアは商業区を歩いている。
「おじさん、ちょっと良いかしら?」
「?、!、これは聖騎士アリシア様!、どう言ったご用件でしょう?」
アリシアが聖騎士となった翌日には国中の掲示板に新しい聖騎士としてアリシアの顔と名前が指名手配犯の絵の横に張り出されている。その為この国の者達は大抵の者がアリシアを知っている。
「私達ね?この街にやって来たって言うオルボーフ盗賊団を探しているの、あなたかそれか他の人が見たって噂を聞いた事ないかしら?」
「申し訳ございません、私は知りません、しかしこの街一番の情報屋、シームシなら何か知っているかもしれませんよ」
「へぇ、情報屋なんてあるんですね、ありがとうございます」
「いえいえ、騎士様方のお役に立てたとなれば周りの者に自慢が出来ます」
「ふふっ、ちゃっかりしてるのね」
この街一番の情報屋シームシの噂を聞いたアリシアとメアは情報屋に向かい、所々で情報屋の場所を聞きながら街を歩いて行く。その時に通った噴水広場、沢山の住宅が立ち並ぶ路地裏、食料保管庫がメアには印象的だった。
「ここね」
「はい」
情報屋シームシの家は二番住宅街にある煉瓦造りの家だった、シームシの家に近付いたアリシアはノックをしすいませーんと言った。
「はいはい」
数秒後ノックの音を聞き付けたシームシが出て来る、赤い髪をした女性で差が高いとは言えないアリシアやメアよりも更に背が低い女性だ。
(背は低いのになんですか!?その胸は!?)
しかし胸部装甲はアリシアに並ぶほどの立派な物をお持ちでメアはその立派な胸部装甲に殺意を送る。ついでにアリシアの物にも殺意を送る
「な、なんでいきなりしかも胸を睨まれるのかしら?」
「この子の胸を見てそして察してあげて」
「あぁ・・・」
シームシはアリシアの言葉を聞きメアの胸を見上げると哀れな物を見るかのような視線を送る。ついでにアリシアも送る。
「コロシマスヨ」
「すいませんでしたー!」
「ごめんなさーい!」
死んだ目でコロシマスヨとメアが言う。そんな彼女を見て恐怖を感じた二人は慌てて謝る。
「全く・・・、冗談は程々にした下さい」
「えっ?小さいのは事実だから冗談ではないけど?、ふざけてはいるけども」
「・・・、シームシさん?ちょぉーと待ってて下さい?、このお馬鹿さんにオシオキをするので」
「は、はい!」
「うそうそ!冗談だって!、ちょっと!?メアさん!?」
再び死んだ魚のような目になったメアはアリシアを一瞬で地面に押さえ付けると鎧を引っ剥がしアリシアの両胸を鷲掴みにする。
「ちょっ!痛い!」
「このデカイ胸!、前のアリシアより一年分成長して更に大きくなったこの胸!、この!この!」
「ひゃん!、やめ!、んん!」
メアは鷲掴みにしたアリシアの胸を手慣れた手つきで揉みしだく。その手慣れた手つきにアリシアは足をモジモジとさせ悲鳴をあげる。
(ワーオ、こりゃエロい・・・)
シームシはアリシアが胸を揉みしだかれる様子を見て頬に手を当てる。
「グレイにも揉まれたんでしょう!?、気持ちよかったですか!?」
「そりゃまぁ・・・大好きな人に触られた訳だしすごく気持ち良かったわ・・・って何言わせんのよ!、でも・・・し、したんだから当たり前じゃない?、私も・・・その触ったし・・・」
「くー!惚気ですか!?、この!この!」
「ひぁぁ!」
アリシアは目を逸らしながら惚気たのを見たメアは更に強くグレイにも揉まれた胸を揉みしだく。
「ふぅふぅ・・・、反省しましたか?、アリシア」
「うぐっ・・・グスッ・・・、ううう・・・」
(あっやべ・・・やりすぎました、泣かせちゃいました・・・)
メアに揉みしだかれまくり耐えきれなくなったアリシアは泣き始める。メアは泣き始めたアリシアを見て慌てる。
「何やってんだ?お前ら・・・」
そこにシメラとシールスと別れアクセサリーショップを見て回っていたグレイが丁度良く現れる。アリシアは彼を見てスクッ!と立ち上がると泣きながら抱き着いた。
「うわーん!、メアが虐めるのぉ!」
「メア・・・?、どう言うことだ?」
彼女が泣いているのだ彼氏としては何があったのか尋ねない訳にはいかない。その為グレイは涙を流すアリシアの髪を撫でながら理由を聞く。
「いやその・・・アリシアとそこのシームシさんが私の胸を馬鹿にしてきたので、イラっと来ちゃって・・・」
「ならそのシームシって人の胸も揉まなけりゃ公平じゃねぇよな?、なんでアリシアの胸だけ揉んだんだよ?」
「そ、それは・・・」
「アリシアもだ、一々メアの胸を揶揄うから泣く事になんだ、これを機にやめておけ」
「うう・・・はい・・・」
「良し、なら仲直りをしろ」
グレイは未だに泣くアリシアを離す。
「グスッ・・・ごめんね?メア」
「私こそごめんなさい・・・」
アリシアとメアは素直に謝り仲直りをした。
「良し良し、それじゃ俺はもう行くからな?」
「うん、・・・街で何してるの?」
「ちょっと店を見て回ってんだ、なんか欲しい物あるか?、買って来てやるよ」
「うーん今は特にないわ、また後でね?」
「おう」
グレイはアリシアの髪を撫でるアリシアは彼に抱き着くと頬にキスをする。そしてグレイは背を向けて去って行った。
「さてと聖騎士アリシア様?、うちの店の中にどうぞ」
「ええ」
「あっ洗面所は奥にあるから使ってね?」
「ありがと」
アリシアとメアは先を行くシームシを追い互いの脇腹を抓り合いながら家に入って行く。
シームシの家
涙に濡れた顔を洗いアリシアはリビングに入って来た、その瞬間アリシアとメアは目を合わせニコリと微笑み合う。
「意地の張り合いはそこら辺にしときなさい・・・、特に聖騎士様は彼氏にも怒られたでしょ?」
「・・・ええ、もうやめるわ、改めてごめんなさいね?メア」
「ほうほう負けを認めると?」
「上等だコノヤロー!」
「何でそこで煽る!?それにキレるのが早いわね!?」
ボケに回っている二人へのシームシのツッコミが冴え渡る。
「こいつが煽るのが悪い」
「こいつの胸がデカイのが悪い、ついでにシームシさんの胸がデカイのも悪い」
「巻き込まれた!?」
そして何故かシームシも原因にされた。
「はぁはぁ・・・こんなにツッコミしまくったのは久し振りよ?、そんな事よりもあんた達何しに来たのよ?、ボケまくる為にここに来たわけじゃないでしょ?」
「何だっけ?」
「アレですよ、ウルボーク騎士団が街でコマ勝負してるから収めてくれって言われたんです」
「かっこいいわよね!ウルボーク!、オルボーフ盗賊団でしょ!?、しかも騎士団はあなた達でしょうが!」
「そうだっけ?」
「私達が盗賊団なんじゃ?」
ノリノリでボケているうちに仲直りをしたアリシアとメアは更にボケる。
「あーもう!!、帰りなさい!あんた達!」
ついにキレたシームシは二人に帰るように言った。
「ごめんごめん、ここからは真面目にやるから」
「そうそう、出来ればその憎たらしい胸が見えない服に今すぐ着替えて来て下さい」
「帰れ!」
この後怒るシームシをアリシアとメアはニヤニヤしながら宥めた。
アリシアのボケにツッコミを入れるのがメアの役目ですからね今回はツッコミを入れてくれるシームシがいた為ボケに回れてついつい楽しんでしまったのです。




